ガチャ缶は時代遅れ | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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ドッグトレーニングに体罰がいけないと分かり始め、
褒めておやつを与えることで好ましい行動を伸ばすという正の強化トレーニングは、

『おすわり』『伏せ』のようなコマンドを教えるなどというタイプの学習には受け入れられてきましたが、

『吠える』『暴れる』『咥えた物を放さない』などやめて欲しい行動に対しては、

一筋縄では対処できません。

 

そこで、どう行動修正していけばいいか思い悩んだ『陽性強化』と呼ばれていたグループのトレーナーさん達が考え出したのが『天罰方式』というものです。


これは直接犬に対して叱ったり叩いたりせずに、

ビー玉や小銭を入れた缶(ガチャ缶)などを床に落として大きな音を立てて脅かし、

その行動をするとあたかも天罰のように嫌なことが起きるのでやらなくなる(行動の弱化)という手法です。


確かに直接叱ってもいませんし『痛み』は与えていないので、

犬が飼い主さんに対して悪意を持たなそうな気もしますし、

『体罰はいけないがサプライズはいい』と書いてある本やサイトもあります。

 

実際に仔犬はいろんなことに挑戦し、

嫌なことが起きたら次からは止めようという学習をしていきますので、

あながち間違ってもいないような気もします。


何かをしようとして毎回確実にタイミングよく大きな音がしたり不快な刺激があれば、

関連づけて学習しやらなくなるかもしれません...

 

 

でも、犬だってそんなにバカじゃありません。
ガチャ缶を投げているのが飼い主さんだってことはすぐにバレますので、

体罰と同様に続けていれば信頼関係は壊れてしまいます


さらに飼い主さんがいないときは『天罰』が起きないことを学習してしまいますし、

音に慣れてくれば効果は薄れていきます。

 

すると飼い主さんのガチャ缶投げは徐々にエスカレートし怒鳴りも加わり、

缶はシンバルに変わり、まるで『天罰』じゃなくなるわけです😥

 


一時的にはとても効果があるように見えるので、

テレビなどでも紹介されていましたが、

その場では効果が出ていたように見えても、

以降『天罰』が不要になるケースは稀です。

 

今ではまともに応用行動分析学を学んでいるドッグトレーナーなら、

『天罰方式』など薦めませんし一過性の効果しかないことを熟知しています。

 

そんな泥縄的な方法は使わずに、

その行動が起きる原因やその行動が強化されていった過程を調べて環境を調整したり、

その行動を引き出さない別の行動を強化することによって、

結果的にやってほしくない行動を弱化させる手法をとるはずです。

 

そのほうが手間はかかっても定着することが分かってきているのですから...

 

 

 

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