近鉄 12410系「サニーカー」汎用型特急車 | 鉄道車内空間のブログ

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今まで撮ってきた鉄道車内画像を、個人的な感想を入れながらマニアックに紹介します。

東海道新幹線に旅客が流出し、低迷していた名阪ノンストップ特急が国鉄の度重なる運賃の値上げにより、乗客が戻ってきたため、輸送力の増強用として1980年に登場しました。12411編成から12414編成までは3両編成(Mc+M+Tc)で登場し運用されていました。1981年に増備された12415編成は4両編成で落成し、1983年には3両で登場した編成に対してT車を増備し、4両編成化が行われました。4両化が行われた際に準備工事であったパンタグラフの増設は見送られ、母線の引き通しで対応したため、4両編成で登場した12415編成にも母線が追加されてMc、M車のパンタグラフを1基ずつ撤去し、他編成と合わせる工事が施工されました。

前面行先表示器や標識灯の形状は30000系ビスタカーと同じものになり、前面デザインが変更されています。

主制御器や電動機は12400系を踏襲しましたが、3両編成で組成するため、MGとCPは30000系で搭載したものをク12510形に集中搭載しています。そのためサ12560形に補機類を搭載する必要が無くなり、車体重心の上昇が懸念されたため、床下にクーラーを搭載しています。

1988年には最高速度120㎞/h運転対応工事が実施されています。

2000年からは12400系と同内容の車体更新工事が施工され、客室がグレートーンの色調に変更されています。

2015年からは2回目の車体更新工事(B更新工事)が施工され、内外装材の取替え、ク12510形への喫煙室設置、ボルスタアンカ下部にヨーダンパ取付け等が行われています。2016年からは新塗装に変更され、現在では明星検車区に所属し、各方面への汎用特急車として活躍しています。

宇治山田駅に停車する12410系です。

12415編成のみ行先表示が赤幕で残っています。

旧塗装時代の12410系です。

大阪・名古屋向き制御電動車のモ12410形です。主制御器、パンタグラフを搭載します。伊勢寄りの車端部にはトイレ設備があります。

中間付随車のサ12560形です。床下に冷房装置を搭載し、床下にはダクトが目立ちます。

中間電動車のモ12450形です。主制御器とパンタグラフを搭載します。

伊勢寄りの制御車ク12510形です。床下にMG、CPを搭載します。

それでは客室のご案内です。

12400系と同内容で車体改修工事を受けた客室です。

編成により座席モケットを青系に交換した編成も登場しています。ク12510形の客室です。座席定員は喫煙室が設置されたため、登場時より12名減の52名となっています。

喫煙室が設置されたク12410形の乗務員室寄りの客室仕切り部です。

自動ドアは従来品が再用され、移設されています。車体改修工事の際にLED号車表示器が設けられました。

ク12410形の連結側の客室仕切り部です。12400系から設備の見直しが行われ、トイレは隣接するモ12460形に設置され、この車両はデッキのみの配置となりました。

モ12460形の客室です。座席定員は64名です。

モ12460形のトイレ寄りの客室仕切り部です。トイレが設置されている箇所は自動ドアが12200系と同じガラスの幅が狭いものに交換されています。

モ12640形のデッキ寄りは従来の全面ガラスの自動ドアです。

サ12560形の客室です。座席定員は72名となっています。

サ12560形の車端部です。

サ12560形のデッキ寄り客室仕切り部です。

モ12410形の客室です。座席定員は64名です。

モ12410形のトイレ寄りの客室仕切り部です。

モ12410形の乗務員室寄り客室仕切り部です。

座席は座面スライド式の回転リクライニングシートです。

テーブルは肘掛収納式が備わります。

座席背面は網袋のみです。

喫煙室が設置されたク12510形の座席背面です。

座席背面には喫煙室案内プレートが設けられています。

脚台にはシーズ線ヒータが設置されていますが、蹴込み板が斜めに取り付いています。

座席のリクライニング状態です。座席構造は12200系、12400系と同じですが、背ズリは薄く、軽量化が図られています。シートピッチは980㎜です。

最前列の座席です。付帯設備は特にありません。

喫煙室が設置されたク12510形の座席です。元々は喫煙席であったため、テーブル先端にあった灰皿は塞がれています。

ク12510形の最前列座席です。

サ12560形の座席です。基本構造は大きな変化はありません。

サ12560形のテーブルです。何故か他車と比べると、この車両のみテーブルサイズが小さくなっています。

サ12560形のリクライニング状態です。他車同様にシートピッチは980㎜で展開しています。

最前列の座席です。妻壁には固定式テーブルが設けられました。

客室天井は車体更新工事の際に蛍光灯カバー、化粧板の交換、冷房吹き出し口スリットの塗色変更が行われています。

荷棚も車体改修工事の際に前飾りの追加が行われています。

プリーツカーテンに交換されています。

客室妻部にはLED号車表示器が設置されています。

サ12560形の客室妻面には固定テーブルが追加されています。

ク12510形の乗務員室寄りに喫煙室が設けられました。

喫煙室入口にはパーティーションロープが設置され、地下区間や屋根で覆われた駅では使用できません。

喫煙室内には灰皿と吸煙装置が装備されています。

喫煙席の向かいは機器室、くずもの入れ、避難はしごが設置されています。

デッキはグレートーンの化粧板とダウンライトで落ち着いた空間を演出しています。

デッキの床敷物は側扉の可動部は柄を変えて、注意喚起を図っています。

トイレ設備は共用トイレと洗面所がモ12410形とモ12510形のデッキの無い側の車端部に設けられています。

共用トイレです。

2回目の車体更新工事の際に真空式の洋式トイレに改修されています。

洗面所は12200系や12400系と同デザインで改修されています。

モ12460形のデッキ側には車販準備室があります。

2車間の渡り板は3枚構成です。全箇所が床面とフラットに取り付いています。

12410系の運転台です。

併結時は通路として通行が可能となります。

運転席側は前面貫通扉で仕切られます。

車掌台側はロープのみで仕切ります。

12411編成〜12414編成までは前面行先表示器がLEDに交換されました。

12415編成は12600系同様に赤幕のままで残っています。

12411編成~12414編成までは側行先表示器もLED化が行われました。

12415編成の側行先表示器は幕式のままとなっています。

12410系の連結部です。転落防止ホロが取り付けられています。

汎用特急車のため、他形式と併結が可能です。

電動車に装備するKD-83形台車です。12400系同様に乗り心地改善のため、ボルスタアンカ下部にヨーダンパが増設されています。

付随車に装備されるKD-83B形台車です。

名古屋線を走行する12415編成です。

宇治山田駅を発車する12410系です。伊勢中川~賢島間では大阪方面から到着する列車と名古屋方面から到着する列車では編成の向きが逆になります。