京都・橿原線の吊り掛け駆動の特急車の老朽取替用として1982年に登場しました。登場時から4両編成を組成し、性能は12415編成と同仕様としながら、トイレ設備が付随車に装備され、一部配置の見直しも行われています。中間付随車の12750形にもCPが配置されたことから、1冷房装置は全車屋根上に変更されています。併せて、乗務員室の拡大も行われています。12601編成の登場時は電動車に2基ずつパンタグラフを搭載していましたが、1986年に12602編成が増備され、母線の引き通しを追加した関係で、電動車のパンタグラフは1基搭載に変更されました。
1988年には12400系・12410系と同様に最高速度120㎞/h運転対応工事が行われました。
2002年からは車体更新工事が行われ、トイレ洋式化、真空式化、配置見直し、客室のグレートーン化等が行われています。2017年からは2回目の車体更新工事(B更新)が行われ、内外装材の交換や喫煙室の設置、台車へのヨーダンパ追加、新塗装化等が行われています。
2020年より12410系と共に、富吉検車区から明星検車区へ配置変更が行われ、共通運用されています。
名古屋線の特急運用に入る12600系です。
伊勢向き制御電動車のモ12600形です。主制御器とパンタグラフを搭載します。
中間付随車のサ12750形です。トイレ設備と床下にはCPを搭載します。
中間電動車のモ12650形です。主制御器とパンタグラフを搭載します。伊勢寄りには車販準備室、名古屋寄りはトイレ設備があります。
名古屋向き先頭車のク12700形です。2回目の車体改修工事(B更新)の際に喫煙室が設けられました。床下にはMGを搭載します。
名古屋向き先頭車のク12700形の客室です。喫煙室が設置されたため、13列52名の定員となりました。
ク12700形の乗務員室寄りの客室仕切りです。喫煙室が設置されたため、自動ドアは移設されました。12410系と同じ仕上げになっています。ク12700形の伊勢寄り客室仕切り部です。車端部はデッキのみとなっています。モ12650形の客室です。定員は16列64名となっています。
モ12650形の名古屋寄り客室仕切り部です。車端部にトイレ設備があるため、自動ドアはガラス面積の少ないものに交換されました。
モ12650形のデッキ側の客室仕切り部です。
サ12750形のデッキ寄り客室仕切り部です。トイレ設備がありますが、デッキを挟んでいるため、自動ドアはガラス製が再用されています。
伊勢向き先頭車モ12600形の客室です。定員は17列68名です。
座席はスライド式の回転リクライニングシートです。2回目の車体更新時に座席モケットが青系に交換されました。
近鉄伝統の肘掛収納テーブルを装備します。
座席背面は網袋のみとなっています。脚台は12400系や12410系同様に蹴込みが斜めになっています。
座席のリクライニング状態です。シートピッチは980㎜となっています。
ク12700形の最前列座席です。12410系では客室仕切りの足元に通気口がありましたが、12600系では化粧板で塞がれています。
12600形の妻面です。客室天井です。12400系や12410系と同じ仕上がりになっています。
側窓カーテンはプリーツ式に交換されています。
地下線内や屋根で覆われている駅での停車中はパーティーションロープが掛けられ、使用禁止としています。
デッキは12200系、12400系、12410系と同様の構造です。
12601号車の車号銘板です。車体改修工事の際にステンレス製に交換されています。
デッキの床敷物は側扉の可動部分の柄が異なり、注意喚起を図っています。
モ12650形の名古屋寄り車端部のトイレ設備は12410系と同構造です。
サ12750形の伊勢寄りのトイレ設備です。共用トイレ、男性用トイレ、洗面所の組み合わせです。
トイレの向かいは男性用トイレが設置されています。
運転席は前面貫通扉で仕切られます。
電動車はKD-83形台車を装備します。B更新時にボルスタアンカ下部にヨーダンパが追加されました。