近鉄 12400系「サニーカー」汎用型特急車 | 鉄道車内空間のブログ

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今まで撮ってきた鉄道車内画像を、個人的な感想を入れながらマニアックに紹介します。

1977年に10100系「ビスタカーⅡ世」の老朽取替用として登場しました。当初は12200系の増備として考えられていましたが、開発中の30000系「ビスタカーⅢ世」の構想が入り、従来の12200系からの変更点が多いため、監督官庁の指導が入り新形式となりました。

車体は12200系を基本としながら、前面は特急表示と行先表示を貫通扉に移し、標識灯は2連、尾灯1連の3灯式となり、塗り分けも先頭部の紺色面積を狭くする等、後に登場する30000系「ビスタカーⅢ世」も同デザインとなりました。

主要機器も12200系を踏襲し、主制御器は三菱電機製 ABFM-254-15MDHA型、制動装置は発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキHSC-D型、主電動機は三菱電機製MB-3127-A形となっています。冷房装置は東芝製の4,500 kcal/hを6台とロスナイ2基を一体型のクーラーキセに収めています。

客室設備も全箇所にデッキを設け、居住性の向上を図り、トイレは和式と男性用に変更されています。

1997年からはA更新工事が行われ、客室はグレートーンの化粧板に交換、座席モケットの張替え、号車表示LEDの取付け、トイレの洋式化等が行われています。2009年からは2回目のB更新工事が施工され、側扉上部の雨樋、転落防止ホロの取付、側扉可動部の床面交換が行われました。

2015年からは喫煙室の取付、2017年からは新塗装化が施工され、現在は4両×3編成が明星検車区に所属し、各方面の特急として活躍しています。

12402編成は製造時からの菱形パンタグラフPT-4203F型を搭載しています。

ク12500形を先頭に名古屋を目指す12400系です。

旧塗装時代の12402編成です。

制御電動車のモ12400形です。主制御器とパンタグラフを搭載しています。12401・12403号車は下枠交差型パンタグラフPT48型に交換されています。

制御電動車のモ12402号車です。この編成のみ製造時からの菱形パンタグラフPT-4203F型を搭載します。12

中間付随車のサ12550形です。トイレ設備と床下にCP、MGを搭載します。

中間電動車のモ12450形です。主制御器とパンタグラフを搭載します。12451・12453号車は下枠交差型パンタグラフPT48型に交換されています。

菱形パンタグラフで残存するモ12452号車です。

制御車の12500形です。喫煙室が運転席寄りに設けられ、定員が60名から48名に減少しています。床下にはCP、MGを搭載します。12501号車のみ号車・行先表示器が客室端部に移設されています。

制御車の12502号車です。12503号車共に号車・行先表示器は喫煙室窓上部に設置されています。

ここからは客室のご案内です。

大阪上本町基準で1・5号車となるク12500形の客室です。喫煙室が設置されたため、12列48名の座席定員です。1997年から始まった車体更新工事を受け、グレートーンの客室に改装されています。

喫煙室寄りの客室仕切りです。従来のデッキの仕切り自動ドアを移設しており、荷棚高さに通風口が設けられています。

ク12500形の大阪寄りデッキの客室仕切りです。トイレを有するデッキの箇所は自動ドアのガラスが狭いものに交換されています。車体更新時にLED号車表示器が取り付けられています。

2・6号車となるモ12450形の客室です。17列68名の定員です。

モ12450形の伊勢寄り車端部です。隣接してトイレ設備があり、黒色の着色ガラスの自動ドアとなっています。

モ12450形の大阪寄りの客室仕切りです。ブロンズ色の着色ガラスの自動ドアとなっています。

3・7号車のサ12550形の客室です。17列68名の定員です。

サ12550形の伊勢寄り車端部です。この箇所の連結器は密着連結器となっているため、渡り板の取付部分に段差があり、注意喚起の黄色テープが貼られています。

サ12550形の大阪寄りデッキ仕切です。ク12500形同様にトイレを有するデッキのため、自動ドアが交換されています。

大阪向き先頭車のモ12400形の客室です。モ12450形と同じ17列68名の定員です。

モ12400形の伊勢寄り車端部です。

モ12400形のデッキ寄り客室仕切り部です。

座席はスライド式回転リクライニングシートです。

12200系と同構造のテーブルが備わります。

座席背面は網袋のみです。

脚台はシーズ線ヒーターが組込まれており、蹴込板が斜めになっています。

リクライニング状態の座席です。シートピッチは12200系と同じ980㎜となっています。

最前列の座席です。テーブル等の付帯設備はありません。

1号車ク12500形の座席です。この車両は喫煙車として使用されていましたが、喫煙室の設置により、客室禁煙化が行われました。テーブル先端にあった灰皿は撤去されています。

ク12500形の座席背面です。喫煙室案内プレートが設置されています。

ク12500形座席のリクライニング状態です。

ク12500形の最前列の座席です。喫煙室設置に伴い、客室仕切りが移設されましたが、他車の最前列座席と大きな変化はありません。

車体更新工事後の客室天井は、12200系で施工された間接照明化は見送られており、化粧板の張り替え、蛍光灯カバーの取替えが行われています。

荷棚も従来のリフレッシュに留めており、荷棚下部への照明取付けは省略されています。

車体更新時に新設されたLED式の号車表示器です。

客室カーテンはプリーツ式に交換されています。

床敷物もストライプ柄から茶色系のチップ模様に変更されています。

ク12500形に新設された喫煙室です。

喫煙室は伊勢方面を向いて右側に設置されています。設置時は全区間で使用が可能でしたが、のちに地下線や屋根上が囲まれた駅(大阪上本町や京都駅)で停車中には使用不可となり、パーティーションロープが取り付けられました。

喫煙室内は排煙設備と灰皿が装備されています。

喫煙室の向かいは機器室が設置されています。くずもの入れも新設されました。

客室仕切りを含め3列分の座席を潰して喫煙室を設けたため、デッドスペースが多くなっています。そのため、避難はしごもこの位置に設置されました。

側扉は折戸になっており、車体更新時にグレー基調の化粧板に交換されました。照明もダウンライトに交換されています。

側扉の可動範囲は床敷物の色を変えて注意喚起を図っています。

ク12500形とサ12550形にトイレ設備があります。

共用トイレです。

登場時は和式でしたが、車体更新の際に洋式化並びに真空式トイレに改修されました。

片側は男性用と洗面所の組み合わせです。

男性用トイレの内部です。洗面台はデッキに面しており、足踏みペダル式です。

モ12450形には車販準備室が設けられています。現在ではシャッターが閉じられたままとなっています。

モ12400形とサ12550形、モ12450形とク12500形の連結部の渡り板です。床面と自動ドアの下レール台は同じ高さです。

サ12550形とモ12450形の連結部は密着連結器を装備するため、床面より自動ドアの下レール台が高くなっています。

他編成と連結する場合は通路として通行が可能になります。

運転席は前面貫通扉で仕切る構造になっています。

車掌台側はロープのみで仕切られます。

12400系の運転台です。

2009年からB更新工事が開始され、前面の行先表示器がLEDに交換されています。

前面の行先表示器です。

側面の号車表示と行先表示器もLEDに交換されています。

途中駅で切り離しの場合の表示です。

12401編成の喫煙室部分です。行先表示器が客室側に移設されています。

12402・12403編成の喫煙室部分の行先表示器は従来の位置となっています。

ク12500形の機器室側は側窓が塞がれています。

電動車に装備されるKD-71F型台車です。ボルスタアンカ下にヨーダンパが増設されています。

付随車に装備されるKD-71G型台車です。

近鉄丹波橋に到着する12400系です。

宇治山田駅に停車する12400系です。