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先日、数年ぶりに友人と再会した。


その友人は2年前に大腸癌に

なったらしく、

しかも、当時は腫瘍が大きくなりすぎて

破裂寸前で

ヤバい状況だったということを

打ち明けてくれた。


手術をして、一年間、放射線治療もして、

ちょうど先月治療が終わったから

会いに来てくれた。


一応、完治はしたらしいけれど、

再発の心配もあるらしく、病院からは

「５年後生存率」が何パーセントという

具体的な数字を提示され、

５年後、自分がこの世にいない事も一応

想定して、子供の進路なども考えている事を

聞いて、正直すごくショックだった。


彼女も子供が２人いて、２人ともうちと同じ

年齢なんだよね。


私はすごくびっくりしたし、

本当に衝撃をうけた。


でもね、意外と彼女には悲壮感はなかった。

それどころか、母としての力強い意思を感じたし、

「すっきり」という言葉がふさわしいのかは

わからないけれど、程よく肩の力が抜けてる前向き感が

伝わってきた。


強がったり、前向きになろうとしてるところも

あるのかも知れないけれど、

癌が見つかって、大手術をした時の話を

聞いていても、

「旦那さんや親や、まわりの人の方が焦って

痩せていったわ」って笑って言ってたくらいで、

当時もそんなに絶望的な感じはなかったらしい。


何が彼女をそんなに強くさせてるのか。。。


私と言えば、最近は良くなったけれど、

これまでの人生、ずっと病気の恐怖におののいて、

健康なのに、ちょっとした体の不調を見つけては

生きた心地がしないような気持ちなったりしてきたからね。

彼女の芯にあるものを覗いてみたくなったの。


聞いてみるとね、

彼女の中にはこんな大きな常識があった。


「メスが入れられたら大丈夫」


手術ができるのなら、何とかなるんだろう。

それが彼女の中の「常識」。


彼女はそう信じている。

そして、実際、癌が見つかった時には

すごく大きく深刻な状況だったにも関わらず、

本当に大丈夫だったんだね。


そして、彼女に悲壮感が感じられないのは、きっと

「まぁ、大丈夫ちゃうかな。」

という根拠の無い安心感

を持っているから。


病気になったら、

心が元気だと治りも早いとよくいうけど、

その根拠無い安心感は、

闘病中も力強く彼女を支え、助けてきたんだろうと思う。




それぞれの人に、

病気や死について、思い込みがある。


例えば、「癌になったらどうせ死ぬ」とか

「命に関わる病気になったら助からない」とか

「体にメスを入れられたらどんどん悪くなる」とか

「入院したら人は弱っていく」とか

自分がどこかで見たり、聞いたり、経験した事が

自分の中での「常識」になって、

自分を苦しめる大きな足かせとなる。


そして、それだけじゃなく、

病気になった事で

「人に迷惑をかけてしまう」とか

「人の役に立てない」とか

「人に弱さを見せないといけない」とか

「いつも笑っていられなくなる」とか

それまでの自分が頑張ってきた「生き方」を

捨てないといけないかもしれない事に

直面する「恐怖」も大きいかも知れない。


「人にどう思われるんだろ」

「人に同情されたくない」

など、他人からの目が深刻な悩みの種になる人も

いるかも知れない。


さらに、未知である死後の世界が

どういう世界だと思っているか、

死んだ後の自分がどんな風になると思っているのか、

そんなことも、人によっては

すごい恐怖になるだろう。


「病気が怖い」「死が怖い」

そういう人の中には自分を縛り付ける

沢山の「思い込み」や「自分の中だけの常識」が

絡まりもつれて、がんじがらめになってたりする。


でも、もし、あなたがその恐怖をもう終わりに

したいなら、ちょっと考えてみて。


自分が何を信じ、何を思い込んでるのか

何が怖くて、一番どうなりたくないのか


そういうイヤな事を人って考えたくないよね。

怖いよね。

でも、向き合う事によって、

恐怖の理由がわかることがある。

そして、自分だけの恐怖だったんだって

わかると消えることもある。

思い込みを変えると、心から楽になったりする。


病気である事が不幸なんじゃない。

「病気になったらこんな風になっちゃう」っていう

思い込みが「不幸」を作ってたりするんだよね。



今日は、ちょっとかたいお話でした。

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