TV生中継の計測の仕事 | 計測工房社長・藤井拓也のブログ

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マラソン大会などのスポーツイベントのタイム計測のプロフェッショナル、株式会社 計測工房の社長である藤井拓也のブログ。

2021年、明けましておめでとうございます。

元旦はテレビでニューイヤー駅伝(全日本

実業団駅伝)をご覧になった方も多いかと

思います。(画像は本日のTVオンエアより)

 

今大会のタイム計測は、CITIZENさんが

ご担当されていますが、各中継所での

タスキ渡しや、またコース途中のチェック

ポイントにおいて地面に設置された計測

マットの上を選手が通過すると瞬時にTV

画面にチーム名やタイム差が表示されて

いました。(上記オンエア画像の通り)

 

計測工房でも同様の業務に携わりますが、

TV生中継のレースにおいては、計測会社

が計測したデータが瞬時にオンエアの画面

に表示されることになります。

 

技術的な詳細は割愛しますが、こういった

TV生中継の仕事のキーポイントはたった

一言に集約されます。

「一発勝負」

タイム計測の仕事には、外的・内的の様々な

要因によるトラブル・アクシデントがつきもの

です。

そういったトラブル・アクシデントにより計測

したデータ(リザルト)を修正せざるをえない

こともしばしばあります。

普段の仕事であれば、そういう場合の対応力

こそが計測会社に求められる要素です。


しかしTV生中継の場合、計測したデータが

即座にオンエア画面に表示されるため、後から

「すみません、先ほどのデータは間違っていま

した」と言っても後の祭りで、すでにオンエア

されてしまっておりどうしようもありません。

いくら言い訳があったとしても、TV生中継の

世界では失敗の烙印を押されてしまうでしょう。

 

普段のタイム計測の仕事だと、「100点満点は

取れなかったが、まあ合格点の80点だった」

という場合もありますが、TV生中継の仕事は

「100点か0点のどちらか。

オール・オア・ナッシング」の世界と言えます。

(とはいっても、実際にTV生中継の仕事で何か

のトラブルが発生してしまうことも当然あります)

 


このためTV生中継の現場の緊張感や集中力

は普段の現場以上のものがあります。普段の

数倍の時間と労力を費やして準備をし、テスト

をし、リハーサルをしといった積み重ねの結果

として何事もなくオンエアは無事に終了します。

本日の計測をご担当されたCITIZENさんは本当

にお疲れ様でしたとねぎらわせていただきたい

と思います。

 

 

なお、計測工房では創業1年目の2007年から

TV生中継の計測に常に携わらせていただき、

創業以来、下記のTV生中継レースに従事させ

ていただいてきました。

 

■箱根駅伝予選会

(オンエアは全国)

2007年~2019年(13年連続)

 

■全日本大学女子駅伝

(オンエアは全国)

2007年~2019年(13年連続)

 

■FUKUIスーパーレディス駅伝

(オンエアは北陸限定)

2009年~2017年(9年連続)

 

■春の高校伊那駅伝

(オンエアは長野限定)

2012年~2020年(9年連続)

 

 

初めてブログで書きますが、創業1年目から

TV生中継の計測の仕事に従事させていただ

いたわけですが、その背景には創業者の私

がその技術とノウハウを持った状態で起業し

たということがありました。

 

失敗の許されないTV生中継に耐えうる技術
とノウハウというのは、その後の計測工房の
全ての計測の土台になっています。
 

もちろん、私の持つ技術とノウハウを私以外

の他の社員の皆さんに共有してもらうことは

簡単なことではなかったことは付記いたします。

 

TV生中継で駅伝のレースを見る時に、裏では

大勢の人たちがそれを成り立たせるための

仕事(計測に限らず)に従事していることに

思いを馳せていただければ幸いです。