劇団宇宙キャンパス共演者尾鷲知恵、Re:Play並びに劇団宇宙キャンパス共演者小春雪乃参加。劇団カンタービレ『天使になりた〜い!?vol.3〜私達オバさんですけど、何か???〜』@中目黒ウッディシアター
こちらも私的殿堂入り劇団で公演を心待ちにしてるとか、相変わらず舞台上でバンバン物を喰わせるとか、ここんとこの上演作品は過去作複数本をガッチャンコさせた物だったから派手さはあるけど違和感も出てたが本作はひとネタだからすっきりまとまってて観やすかったとか、長いことやってると色んなネタ衣装が溜まるからこーゆー時派手になって良いよねとか、まぁ書くネタには困らないんだけど。いちお上演記録でもあるので、これに触れない訳にはいかないよね^^;

上演中盤から照明機材にトラブル発生。しかも終盤の大ネタの為に仕込んだムービングがほぼ暴走状態で後半は明暗転以外機能していなかった。現在はパソコン一丁で管理操作するから、この陽気で熱暴走したのか、コンピュータウイルスに侵食されたのか……いずれにせよ老舗劇団を担当する照明チームだけに、最終盤にはなんとか復旧してみせてくれました(実はスケジュールの都合でいつものところにお願い出来ず、今回お初のチームに依頼したところこれがとんだ食わせもので…………てのは私が過去参加した劇団でのお話^^;)。
こうなるともういろんな想像が止まりません。照明班のトラブルシューティングでカラフルな稲光のように明滅する舞台と客席、多分に裏ではヴェテラン勢が若手や年浅の子たちに対処法を「無言で」語る姿が見られた事でしょう(後日「あの時の〇〇さんカッコよかったよねぇ(^^)」と語り草になるやつ)。復旧の一報が伝えられたのかな?それまでノーミスで進めていた芝居がラストシーケンスでテレコになる、なんて場面は極上のご愛嬌(๑ ิټ ิ)ヘヘッ

かようにこちらの団体さんは、肝の座った、多少のトラブルなどものともしない、信頼出来る劇団で間違いありません。同時にひとつの時間空間を共有するからこそ味わえる体験は、配信やアーカイブでは得られない貴重なものです。是非とも劇場に足を運んでいただきたい。
オススメです!15日まで♪

【ネタ帳】

昼前座 小きち…黄金の大黒
歌彦…(移動動物園)
寿二ツ目昇進 扇七…普段の袴
ホンキートンク…[漫才]
勢朝…(池田屋騒動)
林家ペー…(漫談)
朝馬…蜘蛛駕籠
種平…居酒屋
三増紋之助…[曲ごま]
歌る多…初天神
権太楼…代書屋
(お中入り)
一蔵…熊の皮
アサダ二世…[奇術]
一之輔…あくび指南
歌武蔵…(地噺)
木久扇…(地噺)
鏡味仙志郎・仙成…[太神楽(撥と鞠 傘 五階茶碗 花笠)]
歌奴…谷風梶之助 佐野山情相撲

夜前座 市遼…雑俳
文吾…堪忍袋
林家八楽…[紙切り]
律歌…権助魚
百栄…道具屋
ダーク広和…[奇術]
左橋…皿屋敷
扇遊…たらちね
おしどり…[漫才]
小満ん…(お湯屋に行ったはずなのに)
(お中入り)
きく麿…(スナックヒヤシンス)
江戸家猫八…[物まね]
小せん…茄子娘
一朝…小言念仏
柳家小菊…[粋曲(並木駒形 都々逸 上げ汐)]
文蔵…笠碁

・昨期3/5のタダ券を無駄にしたのでどーしたもんかと逡巡しましたが、末広亭並びに寄席演芸への応援という事で友の会の延期手続きがてら赴きました。
どんなに久しぶりであっても行ったら行ったで面白いんだから、寄席通いを止められるはずは無いんだけど^^;

・「開口一番が黄金の大黒って!」「扇ぱい昇進♪なかなかのオールドルーキーだったのね」「昼は笑点メンバー効果もあってか二階席開くかってくらいの入り」「権太楼観たのは病気報道以来、お元気そうどころかキレキレ」「木久扇が物真似名手は承知だけど、何が似てるのかが判らない」
「八楽さんはお初かな。紙切りメンツのウルトラリテラシーが高いのなんの」「ダークさん遂にテーブルも道具入れも無し。サコシュ一丁で済ましてる辺り(^^)」「小満んここに来ての新作(だよなぁ、聴いた事無いもの)これまた噺もネタもキレキレで♪」「あの噺はスナックヒヤシンスってんだ^^;」

・年パスと云ってもシステムとしては入場料まとめ払い。楽しいんだからもっと足繁く通えよ!って事なんだけどね^^;

Shakespeare Borderless『Much Ado About Nothingーから騒ぎー』@座・高円寺2


身内知り合いが小劇場レベルで『古典』に出る時は、他の観劇より優先順位を上げている気がする。シェイクスピアはその最たるものだししかも観る機会が多い。小田島雄志完訳版が出て(もう40年以上前だって^^;)上演のハードルが下がったんだろうね。玉石混交の玉と石の差がかなり激しいジャンル、とはいえ古典特有の現代劇では出せない(ある種気持ち悪いとも云える)空気感が好きなんで、割とどんなんでも楽しめる身体を持っております。

しかも私が触れたのは'90@日生劇場の野田秀樹(遊民社解散直前、NODA・MAP設立以前)版で、斉藤由貴、樹木希林、三浦浩一、唐沢寿明という攻めたキャスティングで話題になった作品がTV放送されたから(良い時代でしたなぁ……)、というきっかけでした。あのビデオはマジで何回観返したか。


そんな思い入れを抜きにしても、楽しめる部分は十分楽しめました。例の空気感はもちろん、俳優陣は(恐らく)私よりもヴェテランな方が複数人務めておられたようで、彼ら彼女らの佇まいだけで説得力醸すところなんかも元々好物だったから二度美味しい気分。

耳の不自由な方の為にホリゾント上辺に字幕を出す、という取り組みには感心しました。いくらテクノロジーがあってもいざ『やろう!』と決断しなければ踏み込まない部分(当然お金も掛かるし)。その姿勢には賛辞を惜しむには当たらない(しかも今の台詞にどんな地口が入っていたかの確認も出来る。これは便利(^^))。


残念ながら9日千秋楽。お疲れ様でした……と〆られれば良かったんですが、ねぇ……。





(注:この先はキツい事が連発されると思います)


(注:基本、容赦はしないので読むの辞めるんならここです)





・演劇の興行としてはどーなんだろう。今までの観劇経験からするとブログ冒頭からボロカス書いててもおかしくないレベルでした。

とにかく演出が機能していない。若手俳優の部分は割と頑張っていたみたいだけど、ヴェテラン陣の芝居には手が入っていないのがミエミエで(>_<)発言力が無かったのか、実は演出家も一緒に舞台立ってたんで手が回らず「先輩方にはおまかせで♪」となったのか、その先輩方から「これしか出来ないよ!」が出たのかは判りませんが、そのヴェテラン陣がなべてテンポを悪くし、セリフを噛み、セリフを跳ばし、舞台上での交通事故を無数に引き起こしておりました、これはいただけない。あまりにあからさまだから、字幕が出るから間違いがバレちゃう♪なんてレベルの話じゃ無かった(また字幕スイッチャーの方が大変そうで大変そうで)。ああも酷いと若手俳優の部分も実は演出の仕事じゃなくて「演出を待ってても出て来ないから、アタシ達で勝手に作っちゃおうぜ」てな具合だったのかなとすら思えて来る。

私もいちお(じゃねぇか^^;)ヴェテラン枠俳優ですけど、演出のお言葉に傾ける耳は持ってるつもり……ですよ^^;(ホントかよ!)。少なくとも興行としてやるんなら演出家は時に鬼になってでも演出の仕事をするべきと思います。野っ原で勝手に騒いでるんではなく観客入れてカネ取ってるんだしさ。


・作品自体は400年以上前の、しかも他所の国のお話で、当時の一般大衆が笑う用に造られた喜劇。いくら小田島版が頑張ってたとはいえ、それをそのまま掛けたって客席には伝わらない。わざわざギリシャ、ローマから引っ張って来なくても、明治期に成立した古典落語だって現代人に通じないものは山ほどあるんだから。しかも地口や掛詞(いわゆるダジャレ)だけでなく反語表現は鬼のように頻発するし、同様に山ほど出て来る隠喩暗喩メタファーは聖書や神話からの引用。更に当時の風俗や偏見(「イタリア人はこれだから…」「女って生き物は…」って類い)まで乗ってくるから一般的日本人に難解さは極まっちゃう。野田秀樹は『往時のひと達はこんなに楽しくシェイクスピア観てたんですよ』というコンセプトの元に大幅にアレンジを加え、判り易い爆笑喜劇に仕立てる、という工夫がありましたし(結果相撲部屋の話になっちゃいましたけど^^;)。

予算も劇団側の上演ポリシーもある事ですし、野田を引き合いに出した私も大人気ないですごめんなさい。無理してそこまでやれとは云わないけど、スタッフクレジットに『構成』を上げてるなら、もう少し伝わり安いように手を入れても良かったのではと思います。あんな「さんせいのはんたいのはんたいのはんたいのはんたーい!(赤塚不二夫先生お借りしますm(_ _)m)」みたいなセリフ、聴いてるこっちはもちろん、喋ってる本人だって判んなくなってそうだったもの。