起業家にとって、ビジネスの"種"を見つけて、"芽"を出させ、しっかりと"根"を張って、"幹"を太くし"花"を咲かせて、また"種"を生みだし、いつかは"木"となり"森"となる。そんなイメージが「起業&企業としての成長過程」であると思います。当社「パイプライン」は、まさに今、"芽"が出はじめ、これから徐々に「クリエイティブ」という手段を活用しながら、クライアントの集客・販売支援というビジネスに根ざして行こうという段階です。
前述の成長過程には、そのビジネスの発起人である起業家なり、スタッフを含めた企業としての「心構え」が大切と思います。それは「ビジネスに対する想いとスタンス」であり、「クライアントへの思いやり」であり、スタッフが居る会社であれば「組織内での信頼」と考えています。自分は社会人になって15年ほど経ちますが、その3点が揃ってようやく、自社の商品とサービスを販売する行為、即ち「営業」が成り立つのだ、と考えるようになりました。言い替えれば「いい生育には、いい肥しが必要」ということだと思います。
自分が出版社にて現場を担当していた頃は、零細な会社・部門と言うこともあり、編集から広告営業・販売営業まで兼務して媒体を作り上げていくようなスタイルでした。大手の出版社さんから言わせれば「そんなの成り立つワケないでしょ」と失笑を買うかもしれませんが、「出版不況」という今では業界外でも周知されている様な斜陽が、その頃が始発点ではないか?と思われる時期なので、零細企業では「そうせざるを得ない」という感じなのです。
そんな業務スタイルを開始して間もないころ、「営業」の経験などほぼない自分は、いまから考えれば有り得ないミスを犯し、クライアントの逆鱗に触れました。逆に言えば「そのミスがあったからこそ、いまの自分のビジネス・スタイルがある」と言っても過言ではありません。
それは、とあるクライアントの広告を頂いて、通り一遍の広告原稿を制作し媒体に掲載し、発売という順序を踏みました。そして伝票を経理に回し、通常通り請求書が発行となりました。しかし期日になっても売掛入金がなく、焦って連絡を取ると「ワザと支払ってない。たしかに発注書は出したが、広告出して、仕上がりや反響のヒアリングもせずに請求書だけ送ってくるような媒体に金が払えるか!」と激怒している訳です。他県だったのですが、とにかく謝罪に行って、いろいろお話を聞かせて頂くと、先方が仰ることはごもっともな事ばかりです。
結果はといえば、いろいろお話させて頂いて、次回への譲歩条件などは出しましたが、ちゃんとお代は頂きました。そして他県までワザワザ足を運んだ足代にと、寿司をご馳走になり(笑
ともかく、この件で学んだことは「仕事は、仕事を納めて終わりではなく、納めてからが仕事」という鉄則でした。これを学べたことは、自分のビジネス人生の中で大きな"肥し"になっています。
それからというもの、"とにかくクライアントの立場になって仕事をする"というやり方にシフトしたのです。するとどうでしょう!商品の売れ行きや、反響についてヒアリングすると「お陰さまで…」という喜びの声を聞かせて頂けるようになったんです。その時自分も嬉しくなり「あぁ、営業って言うのは"お陰様で"って言って貰えるように仕事をすればいいんだな!」と気づいたんです。現在の自分のビジネス哲学である「ビジネスとはお客様に"お陰様で"と言って頂くために、いかに自分が立ち回るか?」の誕生ですね。
そして人に「お陰様で…」と言われて悪い気はしないですよね。だから自分の下請けさんや出入りの営業さんに何かコメントを求められれば、「お陰様で!」とアンサーするようにしています。下請さんや営業さんだっていつも怒鳴られたり、叩かれていたら面白くないし、華を持たせてくれたり、喜んでくれるクライアントの方が「この会社、この担当さんの為だったら、多少無理してでもイイ仕事しよう」って思いますよね?だって人間ですから♪だから「お陰様で」というキーワードは、ビジネスマン同士の気持ちをHappyで繋いで、両社の利益と言う"幸福"を運んでくれる「マジック・ワード」なんです。自分はそう信じています。
ちなみに、自分にその哲学を最初に叩き込んでくれた社長さんには、先日10年ぶり位にお互い違うビジネスで再会し、「社長に勉強させてもらったエッセンスを元に、お陰様で好調起業中です!」とご挨拶させて頂き、「手土産」として「SEOコンサルティング」の契約を即決で頂きました。人付き合いってホント大切ですよね♪
言葉って「言霊(ことだま)」という言い伝えがあるとおり、「力」を持っていると思いませんか?言葉は、ビジネスはもちろん、時に自分の生き方、すなわち人生を左右させるほど、マインド・コントロールするほどの「影響力」を持っていると思います。次回はそんなテーマでお話してみたいと思います。