1.02
山岸凉子さんという漫画家を御存知でしょうか?
デビューはなんと1969年
wikiを見ると2021年にも作品を発表されている漫画界のレジェンドです
いろんな作品を描かれていますが、僕自身はホラー的な作品を好んで読んでいました
山岸先生の紡ぐ不思議なストーリーと、ややもすると神経質にも見える程の細く繊細なタッチの絵が相まって恐怖心を駆り立てられるのです
初めて読んだのは『日出処の天子』という作品
アラフィフ、アラフォー世代なら耳にしたことがあるかもしれません
厩戸皇子(聖徳太子)と蘇我毛人(蘇我蝦夷)との関係を軸に展開される様々な人間模様、そして政敵との争いが描かれ、皇子が摂政となり隋の皇帝に対して書をしたためるところで物語は終了します
厩戸皇子のキャラ設定が非常に独特で、この物語はもはやSF作品
悲劇的な方向に物語が進んで行くのですが、最後に蘇我毛人は厩戸皇子が根源的に求めていたものは母親からの愛情だったことを知り涙を流します
『日出処の天子』の後日譚は『馬屋古女王』で描かれ、上宮王家終焉の発端を知ることが出来ます
さて、なぜ今さら『日出処の天子』について書いてきたのか?
それはこんな物を見つけてしまったからです
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なんだ、このレコードは?
こんなの買ってしまうに決まってるじゃないか!
こんなマニアックなレコードは盤面も綺麗に決まっている
ハードオフで見つけ購入即決
1080円という高級ジャンクだが迷いはなし
発売は1982年
漫画『日出処の天子』のイメージアルバムとして製作されています
全編シンセ中心のインストアルバム
ライナーを読むと物語の中盤、コミックスの5巻が刊行された辺りで発売された模様
全曲伊藤 詳さんという人物が作曲
もっと和なサウンドかと思ったのですがシンセポップと言ってもいいと思います
山岸先生は、自分と伊藤さんの作品がイコールで結ばれたと記述しています
しかし僕的には漫画のイメージに対して随分明るいアルバムだな、という印象でした
もっと物語の繊細さや陰影を表現しているのかと思ったのですが、それは物語後半のお話ですね
もう一度コミック前半を読み返しながら聴いてみるのがいいかも
ところで、作曲者の伊藤 詳さん近辺について
70年代初頭にシンセサイザーでファー・イースト・ファミリー・バンドというプログレバンドに参加されていたとのこと
全く知らないバンドでしたが調べてみると面白い事実が
まずキーボードの高橋正明さんという人物
なんと後の喜多郞さんだそうな
さらに、ボーカルの宮下文夫さんと言う人物
wikiによるとヒーリングミュージックの大御所でファー・イースト・ファミリー・バンドの中心人物だと書かれています
そして、この宮下文夫という人物、後に宮下富実夫に改字しています
ん、この字面、なんか見覚えがあるぞ?
『火の鳥』を作曲した人じゃないか!
この曲大好きなんだよな
『日出処の天子』のレコードを初めて聴いた時、なんとなくアニメの『火の鳥』のシンセサウンドを思い出していました
本当に何となく思っただけで、それは80年代の音、時代の香りなのだろうと思っていました
それが、こんな繋がりが見えて来たりするからジャンクレコード収集って楽しいんだよな
このアルバムはレコードで聴く方が良いだろうと言う判断で、ジャンデジに加えるのは見送りました
年明け、なかなか幸先の良いスタートです
1月31日 追記
何だこれ?
僕と呼び合うものがあったのか?
見てみたいじゃあないか