※ネタバレなし。
アメコミ映画に大きくのめり込むきっかけとなったのが本作を劇場で見たことだ。
当時の私は『スパイダーマン』や『ダークナイト』等の有名どころをいくつか見ていた程度で、個々のお気に入り作品はあれど「アメコミ映画」という大きなくくりを意識してはいなかった。
当時はMCUを一本も見ておらず、何となく「主役級ヒーローが多く共演する映画」といった程度の認識。
劇場で見て、圧倒された。
ヒーローが大勢出ている、というよりはヒーローそれぞれが背後に抱えるそれぞれの「人生」を感じられる演出。「世界を守る」という目的は一致しつつも、それぞれの意見や信念が力強く主張される群像劇的ドラマ。しかし、ひとたび危機が迫ればプロフェッショナル的に、直前まで対立したメンバーと連携をためらわない切り替え。
アイアンマンのロボットアクション、キャプテン・アメリカの実践的格闘アクション、ソーのCG満載の豪快なアクション、そして、敵味方問わずに全てを蹂躙するハルクの切り札的な活躍。全く異なるそれぞれのアクションの共存。
一本の映画に「複数の主役が存在」することを、思い知らせる作劇の妙に唸る。
中でも引きつけられたのはクリント・バートン=ホークアイとナターシャ・ロマノフ=ブラック・ウィドウの存在感だ。
他のメンバーがCGを駆使した超人アクションを繰り広げる中、あくまで人間の範疇でのアクションを行う彼らの雄姿は「人間の底力」を象徴するようだ。圧倒的に力の差のある戦場を前に、彼らは臆さない。格闘術や弓矢で超級の激戦に切り込むその雄姿はすなわち「ロマン」だ。本作においてはクリントとナターシャこそMVPだと思う。
また、特にクリントについては初心者に優しいキャラクターと感じた。他のメンバーがこれまでのMCUで活躍する中、クリントは「マイティ・ソー」へスポット的に出演したのみで本格的な登場は本作が初。当時未見だった私としてはクリントが一番視点を置きやすいキャラクターだった。
クリントの動機もロキに洗脳され仲間を傷つけてしまった罪悪感、それゆえのロキへの逆襲。本作においては最も報復者=アベンジャー的と言える。
上述したクリントの例のように、本作は複雑なアンサンブル映画でありながら初心者への配慮も行き届いた作品。今や巨大コンテンツとなったMCUにおいては、クリントに感情移入して、本作から扉を開くのも一つの選択かも知れない。
『エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)の名シーンといい、クリントは初心者に優しい男なのだ。
「扉を開けたら、君もアベンジャーズだ。」



