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Thousand Days

さうざん-でいず【千日手】
1. 同一局面の繰り返し4回。先後入れ換えてやり直し。
2. 今時珍しく将棋に凝っている大学生の将棋系ブログ。
主に居飛車党過激派向けの序盤作戦を網羅している他、
雑学医学数学物理自転車チェス等とりとめのない話題も…


栄花というものは、素晴らしいときを一瞬にまで濃縮して表すものです

…未練がましく90回も勝つものではない


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・将棋馬鹿の生態を世に伝えようという不埒な意志を感じる漫画を久々に見つけました。
盤上の詰みと罰」というやつです。題名の投げやりっぷりに何だか親近感を感じます。

さて今回の症例は…22歳女性、イニシャルM.K。
五年前に前向性健忘と診断されて以来、制服コスで全国の将棋道場をうろつく生活を継続中。
(恐らくNot in Education, Employment or Training)


既往歴に将棋あり、元女流六冠と極めて重症です。



【そんな眩しい笑顔で初手56歩とかマジ勘弁】


女流トップクラスが普通に席料を払って道場に来るという絵面が何ともシュールですね。
中学校の制服を完璧に着こなす22歳女性は実在するので制服の件に関してはノーコメント。

アマチュア棋界には彼女を愉しませられるレベルの使い手も結構居ると思われるものの、
その多くは道場以外の世界に行ってしまわれます。
(ただ、あの形で82銀を指す六段はいないような)

かつては漫画的存在でしかなかった女性棋士も、奨励界脆弱化に伴いそのうち実現するかも。
例えば女流王座戦第一局を戦っていた二人のどちらか一方は三段まで行きそうな気がします。

そこから先は(一部の悪魔達を除いて)運が支配する世界らしいので何とも言えませんが…
まあ、精神的健康が最重要なのは間違いないです。


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・私が本格的に将棋を勉強し始めた十年前、
森内九段は名人・竜王・王将を次々と羽生氏から毟り取り…栄華の限りを尽くしていました。
(例の慇懃無礼一歩手前な腰の低さは当時も健在)

奨励会時代を「たのしかった」の一言で要約できるような人が普通の人類なはずもなく、
この栄華は当初より約束されていたものでしょう。(誰かさんのせいで大分遅れましたが)

ただ渡辺氏に竜王位を明け渡したのをきっかけに、
築き上げたその栄華は一瞬にして鮮やかに喪われ…
後にはひとりの森内ファンだけが遺りましたとさ。



【手許にある唯一の将棋年鑑はこの年のぶん】


十年ぶりに竜王名人を占め、(ついでに西洋双六世界四位も獲って)棋聖挑戦も決めたはずが…
名人戦・棋聖戦ともにストレートで落とし、(熊坂先生にも敗れて)残る竜王位も風前の灯。

竜王戦第四局といい対久保順位戦といい本来あり得ない崩れ方を連発している現状だと、
ダニ先生相手にここから三連勝は厳しいかも。。

ひとまず12/3-4の第五局、巻き返しに期待です。


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・熊坂先生はNHK杯、敗れはしたもののB1棋士を引き摺り出したこと自体が偉業です。
途中優勢の局面も作り、終始怯まず前進に徹したことが後の竜王撃破に繋がったのでしょう。

…復活の目はまだ充分あります。応援してます!


・プロ編入に挑戦中の今泉先生(仮)も、二枚目な三枚堂四段相手の第三局は惜しくも敗け。
(よくわかんないけど逆転…なんでしょうね多分)

次の石井四段が五人の中で最も腕力の強い試験官と思われ、12/8は正念場となりそうです。
それにしても、中飛車一本でプロと互角に張り合えてる時点で最早漫画のキャラですよ。。


…そんなこんなで今月も気になるニュースが多く、
勉学の邪魔になること著しいゲームなのでした。


p.s.
DEEP BLUEと熱戦を繰り広げた伝説の元チェス世界王者 Garry Kasparov と、
我らが将棋星人 Yoshiharu Habu のチェス対局が11/28に実現するそうです!

電王戦のおまけ扱いされてますけどどこからどう見ても明らかにこっちが本編ですね(笑)


p.s.('14-12-08)
カスパロフ氏は御丁寧に羽生氏の個人研究まで行い、美しいチェスを魅せてくれました。

そして…今泉先生、おめでとうございます。(元司→晶司→健司の流れに運命を感じます)
編入制度も整備されたことですし、今こそ奨励会年齢制限引き下げの好機かと。。



[樋屋奇応丸が平仮名表記になって尚更わけがわからなくなった気がするのは私だけ?]

Prospero:
Our revels now are ended. These our actors,
As I foretold you, were all spirits, and
Are melted into air, into thin air:
And like the baseless fabric of this vision,
The cloud-capp'd tow'rs, the gorgeous palaces,
The solemn temples, the great globe itself,
Yea, all which it inherit, shall dissolve,
And, like this insubstantial pageant faded,
Leave not a rack behind. We are such stuff
As dreams are made on; and our little life
Is rounded with a sleep.

The Tempest Act 4, Scene 1, 148–158

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・土曜日(先週)。

いつも研究記事に貴重なコメントを下さるsさんから早目の就職祝いを頂きました。
どんどん国試に落ちづらい状況に陥っていく…

このように、ブログを書いていると(将棋はダメでも)時々いいことがあるものです。



【これに加えてかつめしのタレも頂きました!】


・水曜日は最後となる研究?記事を仕上げ、
木曜日にはインフルヱンザの予防接種も受け…
(効果はさておき流石に今年ばかりは必須科目)

金曜日に、卒業試験で唯一引っ掛かってしまった科目の追試を無事に終えました。

給料を貰える身分になれるかどうかは別として、
とりあえず来年は学費を払わずに済みそうです。


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・日、月、火、水、木曜日は普通に勉強…しながら新一君のコスプレ衣装を探してました。
しかしこれがなかなか見つからないんですね。。
今年はチョイ役でお願いしますとあれほど言っておいたのにどうしてこうなった!?

その副作用(?)として、以前から欲しかった将棋大会用の勝負着物(??)も手に入りました。



【※もちろん左上のセーラー服的何かは無関係】


自分には洋服が似合わない和服の方が似合うはず、という前々からの予想は見事的中。
(今後は勉強もこれ着てしようかな…?)

…しかしこの帯、買う人もアレですが作った人はもっとアレです(笑)
何せこれを買ったときもうひとつ別の帯も無駄にサービスされた位ですから。。

誤解を招くといけないので補足しておきますと、
将棋大会には大抵の選手が普段着で来ています。
(※眼鏡率とチェックシャツ率は異様に高いですが別にユニフォームではありません)

ただ少数ながら常に作務衣や着流しや全身ライトグリーン姿で現れる方はいらっしゃり、
私も遠からずそちら側の人になるのでしょう(笑)



・そして土曜(~日曜)日は追いコン本番。

さすがに追い出される側ともなると、
例年は脚が痺れるだけのOBOG講話も有難いお言葉として耳に入ってきます。

…でも劇をやる側だったこと、プレゼントを貰う側になったことを除いては概ね普段通り。
ちなみに私の分はポーランド製の市松模様の盤と駒でした。コレナンニツカウノカナー?(棒読



【一流選手はまずルークが逆さに立つかを見る】


例の茶番劇はy田監督の熱血指導の甲斐もあってか、予想以上に好評を得たようです。
(常識的に考えて制服美女を何十回とお姫様抱っこする機会はもう訪れないでしょう)

監督の妄想100%で作られたはずのエピローグは、
偶然にも演者の私にとってあまりに皮肉な結末で…
劇の終了後も、まだ何かを演じ続けているような錯覚が続いています。。実は今も。

三次会のカラオケでは夜通し歌声が鳴り止まず、
日が昇る頃に「贈る言葉」を卒業生皆で歌ってM子氏が泣き出してしまいました。



[…本当に、もうすぐ東京に行ってしまうんやね]
※前回までのあらすじ

『78金』『69金』『68金型』…早繰り銀
『後手後手対裏繰り銀』…手損角換わり
『後手後手六手目94歩』…94歩早突き型
『青野式強制早繰り銀』…25歩早突き型

『たのしいかくがわり』…25桂の仕掛け
『愛と勇気と角は持ち』…18香型その1
『空には角行があるね』…18香型その2
『愛その他の角行について』…68金右型
『角換わり腰掛け銀73歩型』…74歩保留
『角換わり腰掛け銀同形抄』…11角43銀
『角換わり腰掛け銀同形譚』…富岡回避
『角換わり右玉対穴熊の謎』…右玉対策
『角換わり先手右玉対穴熊』…右玉55銀

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最近の定跡書は、若手棋士が最先端の定跡を詳細に書き連ねており完成度が非常に高い。
著者達の予後は総じて宜しくない気もするが…

ただ残念なことに私のごとき弱小アマチュアは、
課題局面に至るまでの些細な変化でも悉く足を滑らせてしまう。時間がなければ尚更だ。。

今回は先手が48飛と廻って攻める形に絞って、気になった局面をいくつか列挙してみた。
無駄に趣向を凝らしてクイズっぽくしてあるが、
もちろん私に正解なんて判ろうはずもない(笑)




…… 42金引 25歩 12香【問1】

73歩型待機策を指すならほぼ回避不能(?)に近い図。
我々アマチュアが予備知識を持たずに見れば、どこからどう見たって絶好の仕掛け時である。
(某強いおじさん達は18香とかで待機してたけど…)

「A. 26角」
「B. 45歩 同歩 26角」
「C. 45歩 同歩 同銀」

と仕掛けられた場合の受け方を、それぞれ述べよ。













26角 69角…(1A)

26角と打った直後にこの手の存在を思い出し、
「俯くー その背中にー 痛い角が突き刺さるー」状態に陥っていた先手の人。誰でしょうね?

(口が半開きのまま)祈る思いで見ていたところ、
後手の人も別の受けを選んだため好手に変わった。




45歩 58角成 同飛 27金 17角打 95歩

まあ…27金の浣腸を喰らっても先手は一応もうしばらく試合続行できそうではある。

「この世にー もしも角がー たったふたつだとしてもー 重ねてキミに渡すよー」
とか唄いながら、ひたすら特攻の朝を待つのだ。。

後手は(もはや自陣の手入れも難しいので)両端を突き捨てて95香~16歩を見せるのだが、
実際に攻めを切らすまでにはもう一悶着ありそう。

(でもきっと私はもう二度と指すことはない…)




45歩 同歩 26角 44角 同角 同銀
26角 43金左…(1B)


「じゃあ先に角の死に場所を準備しときますか」
…感想戦で先手の人はこう提案して更なる無知を晒したのだが、これには合わせ角が生じる。

以下 45銀 同銀右 同桂には69銀(~47歩)、45桂には35歩とかで頑張って凌ぎきるのだろう。

最初の26角43金左と受けるのも形とされる。
ただ上図(1B)の変化と比べて先手の攻めが丸々一手速くなってしまう計算で、相当怖い。

※もう46角と据えられる心配がないし、45銀に 44歩 54銀 同金と収めておくのはあるかも。




45歩 同歩 同銀 同銀 同桂 44銀
…(1C)


最後はボナちゃん好みの単純右四間攻撃。
42金型に対しては若干無理気味とされていたような気もするが…やっぱり相当際どかった。

45同銀に代えて26角なら 54銀 同歩 46銀と進み、一旦は収まるもののその後が難しい。
(54銀に37角成と勝ちに行くのは71角で逆に危険)

53桂成と成り捨てても、きっと43歩と叩く一歩を余分に使わされるのが大きいのだろう。
でもこれ本当に受けきれるのかな…?


先後同形以外の腰掛け銀だと、
攻め好きなボナちゃんは何でもかんでも先手有利と言ってくるためあまり信用はできない。

こういった攻めを凌ぎきる棋力と自信があれば、後手番角換わりは優れた武器となるはず…
だがどちらも有していない私は先手番でだけ使う!


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…… 65歩 同歩 73桂【問2】

74歩型基本図に至る途中の48飛と廻った瞬間、後手が金を締めずに素早く動いてきた。
(時代の三歩先をゆくY田さんの新手である!)

こういう場合、次の一手はほぼ二択に絞られる。
しかし…そのどちらが優るのか私には謎だった。


※2015/5/5 WCSC25 GPS将棋-NineDayFever戦で後手の人は単に73桂と指して勝った。
その後この手は「NDF新手」として定跡となり、以来先手は48飛と早く廻り難くなった。

…あの日のY田さんは確かに時代の半歩先にいた。














66銀 75歩 45歩…(2x)

相手のちょっと時期尚早っぽい(けど実際よくわかんない)仕掛けには、66銀64歩が有効。
(25桂もあるけど37角と先着されるのが気になる)

すぐの飛車先交換に64角~84歩があるし見た目も素敵なので実戦では66銀を選んだのだが…
一手遅れで75歩と突かれてみてもはっきりしない。44歩と取り込んでも、47歩がウザい。

他には 62飛 84角に82角なんかも結構難しそう。。


【答2】たぶん…64歩?

64歩なら84角と打った後も、25桂を利かして66角~44角と格好よく脱出する余地がある。
あと、75歩と突いてくれば後に74角の筋も生じる。

もちろん、65桂~39角~57桂成などワンパンチ即死の危険があることは言うまでもない!


※行方新手と違って薄い52金型なので、65同銀 (同銀 同歩 73桂 64歩)が成立している。
後手は54銀と打ち直すぐらいだが、71銀や63銀を含みに35歩~25桂などで手になりそう。



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…… 45歩 同歩 同桂 44銀 37角 92飛
64角 63角 67金右 43金直【問3】


74歩型のよくある仕掛けに対し、群衆に埋もれつつある八代先生が提案した素朴な新手。
(単に本手が遅れて出てきただけという説もある)

銀に紐をつけることで 45銀右 同銀 同角に対する56金(~44飛)などの反撃を封じており…
かといって46歩と受けても、角引きから63歩で角を取りにこられて困ってしまう。

…というわけで誰か対策を教えて下さいな(懇願)













35歩 同歩 46歩…(3x)

普通は急いで継ぎ歩などが本線になるらしいが…
私がパッと見で思い付いたのは35歩の突き捨て。(こんなこと書くから變態がバレるのかな?)

「二手後に角が死ぬ」といっても、84桂とか83銀とか打てればそれなりの代償は得られる。
その小駒を調達するならまあ、この筋だろう。。

41角なら 34歩 63歩 33歩成 同桂 同桂成 同銀 84桂 64歩 92桂成 同香 82飛 63角 92飛成だし、
72角だと今度は 28飛 63歩 97角 95歩 24歩 96歩 23歩成 同金 24歩 13金 53角成 同銀 同桂成 同金 34銀からボカスカ打ち替えて最後に31角で多分決まっている。


36歩の突き出しには38飛~33歩~36飛と応じ、今度は角の生還には期待せず玉頭で暴れる。
…とまあそんなこんなで面倒なことになるので後手もすぐに動いた方がいいのかも知れない。




35歩 45銀右 同銀 同角 同飛 同銀
55角打 44銀 91角成 同飛 同角成 55桂
同馬 同銀 24歩…(3χ)


前述の通り、銀に紐がついているのが大きく先手は飛車切りから暴れていくよりなさそうだ。
そうなるとやっぱり厳密には無理気味な気もする。

先手は角香交換の駒損な上に6筋に歩が立つ67金型矢倉とかいう薄っすい(?)陣形で、
35歩の一手もほとんど何の役にも立っていない。
(問題図に至る前の67金右を68金右に変えたい…)

ただカラフルな小駒で玉頭攻めを絡められる分、先手にも一応の主張はあるように見える。
ちなみにこの局面、ボナちゃんは何故か先手持ち。
ここから先のやり取りは、私には荷が重いかな。。



p.s.('14-11-30)
八代新手がよりにもよって羽生-森内(NHK杯)で公開されてしまった。(※結果は後手快勝)

先手のH名人は潤沢な持ち歩を活かして15歩~24歩~25歩~24歩と玉頭を抉じ開け、
対するM竜王は攻めが細いと見るや否や13王と大将自ら盤面制圧しにかかる!!

(端を突き捨てずに同様に進めて24銀に同角~22歩など)気になる変化はあるものの…
この新手が成立するなら、もはや先手は58金型で仕掛けること自体難しくなるのかも?


※評価【良し】【微妙】



[当ブログはあくまで「序盤」研究であり、難解な終盤は投げ出す方針を貫いております(笑)]