※前回の記事『早繰り銀69金型』
手損角換わりの達人である○山九段を、
竜王戦と順位戦で立て続けに撃破したW辺竜王。
そのとき竜王が愛用していたのは、やはり早繰り銀だった。
26歩 34歩 76歩 88角成 同銀 22銀
38銀 62銀 36歩 64歩 25歩 33銀
37銀 44歩 68玉 63銀 77銀 54銀
78玉…(U)
四手目の角交換は早繰り銀シフト。
63銀の前に44歩として、35歩~45角という筋をあらかじめ防ぐ。
32金も84歩も省いて54銀型を作れば、46銀にも45歩と追い返せる。
52金右 56歩 32金 46銀 42王 35歩
43銀 34歩 同銀右 36歩…(V)
そこで、56歩と突いてから46銀と上がる。
45歩に対しては 55歩 46歩 54歩のクロスカウンターを用意している。
…次に71角も見えており、居玉の後手が踏み込むのは危険が危ない。
43銀~34同銀右は受けの形であり、私も大好きな駒運びだ。
対する先手は、36歩と置き直す。
後の35銀を用意しており、(地味ながら)かなり重要な一手といえる。
84歩 68金 74歩 35銀…(W)
68金で、とりあえず準備完了。
あとは銀をぶつけて勝負である。
・無視なら、機をみて34銀~24歩。
・43銀なら、37桂~16歩と溜める。
・銀を取ってくれば、五筋を突く。
単純な55歩~54歩~34歩~71角の筋が、意外と防ぎにくい。
…後手の堅陣を打ち破るのはなかなか大変ながら、先手も悪くなさそうだ。
p.s.('13/02/26)
現在は32金型から上図(W)のように進めば先手の作戦勝ちとされており、
代わって改良版である32王・42金型が主流になっている。
ただ後手も最善を尽くせば何とか互角に戦える可能性が高く、
形によっては46銀ではなく26銀と出る手を考えるべきなのかもしれない。。
※次回『後手後手対裏繰り銀』
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