次世代への伝言 #16 第一章 ミンスクの青い空(3) トビリシでのできごと⑦ | 少年飛行兵 と 私 第二幕〜Thoughts About Peace

少年飛行兵 と 私 第二幕〜Thoughts About Peace

2014年、突然閉鎖したブログ「少年飛行兵と私」
特攻隊員だった「彼」の遺志を確かめた僕は、「少年飛行兵と私 第2幕」として新たな旅を始めます

第一章 ミンスクの青い空(3)

【トビリシでのできごと】⑦

 

炊事場跡

 

 

米軍が上陸した海岸

ここで戦った部隊の碑

 

硫黄島に入って三日目だったですかね… その日も数珠片手に歩いていると、突然黒い大きな虫が僕の頭上に現れたんですよ。

 

 

摺鉢山に向かって歩く(遠方中央が摺鉢山)...

黒い虫が現れたのはこのとき

 

 

硫黄島にはムカデ(ヘビと同じくらいの特大サイズです。頻繁に出没)ゴキブリ(壕の中で大群に遭遇)、古木に寄生する小さな蜂のような虫(人を刺すらしいんですが僕は幸い被害なし)はいます。

 

 

小さなカタツムリも生息していましたが、現地の方からはそれ以外の虫はいないと聞いていましたし、実際ジャングルに入ってもそれら以外の生物に出会うことはありませんでした。

 

だからその黒い虫が現れるのは「何か違う」わけで、おかしいなあ…と思いながら海岸線を歩き続けていると、その虫はずっと僕の横を飛んでいつまでもついてくるんですね。

 

硫黄島のシンボルである摺鉢山の近くまで来てやっとその虫はいなくなりましたが、その時ふと三ヶ根山で僕の頭上を飛んでいたあの虫のことを思い出したんですよ。

 

壕の中から見つかった乾パン

 

 捕まえて虫を確認したわけじゃないから定かでなないですが、大きさといい、飛び方といい、三ヶ根山の虫と同じだと感じたわけです。

 

そしてそれは… 東條に違いない、その時そう確信しました。

 

一週間近い硫黄島滞在、日の出から日没まで島内を慰霊して回る中で、あの虫を見かけたのは後にも先にもあのとき一回限りでした...