次世代への伝言 #15 第一章 ミンスクの青い空(3) トビリシでのできごと⑥ | 少年飛行兵 と 私 第二幕〜Thoughts About Peace

少年飛行兵 と 私 第二幕〜Thoughts About Peace

2014年、突然閉鎖したブログ「少年飛行兵と私」
特攻隊員だった「彼」の遺志を確かめた僕は、「少年飛行兵と私 第2幕」として新たな旅を始めます

第一章 ミンスクの青い空(3)

【トビリシでのできごと】⑥

 

C130輸送機に搭乗して硫黄島へ...

 

 

「殉国七士墓」を辞して駐車場に戻ると、黒い大きな虫が僕の頭上をぐるぐる回って離れないんです。どんな虫なのかはわからないけれど、とにかく大きいんですよ。数匹いました。山の中だからいろいろな生き物がいるだろうし、それくらいの虫が飛び交うのは何も不思議なことじゃないです。だからこのときは特別気にもかけることはありませんでした。

 

そしてその数日後、僕は自衛隊機で硫黄島に降り立ちました。

 

硫黄島内では陸海軍各部隊が守備していた場所に、部隊名が刻まれた石碑が立っています。

 

僕はそれらの石碑や兵士が立て籠った壕の前で毎日ひたすら

「ご苦労さま」

と口にしながら手を合わせて回ったんですね。

 

壕に残るヘルメット...

 

 

七十数年経った今でも激戦地としての姿を残すこの島を歩くと、兵士たちは決して楽な死に方をしていない、ということは容易にわかりますし、それは体で感じます。

 

 

最後の突撃壕

1945年3月26日 栗林中将ら残った将兵たちは

この壕を出て最後の突撃に向かったとされる

 

 

 

亡くなった兵士たちにかける「ご苦労様でした」という言葉は自分自身の言葉であり、また東條の代理としての言葉でもありますが、それは本当に心の底から自然に出てきます。

湧き出てきます。

 

硫黄島はそんな場所です。

 

硫黄島に入って三日目だったですかね… 

 

その日も数珠片手に歩いていると...