TPP反対!種苗法改正反対!でもRCEPはスルー! というのは大体こういう人です | 上下左右

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台湾の早期TPP加入を応援する会の代表。
他にも政治・経済について巷で見かける意見について、データとロジックに基づいて分析する・・・ことを中心に色々書き連ねています。

に続く、『何故TPP反対論者はRCEPに反対しないのか』シリーズ第3段です。第3段は無い予定でしたが、過去に紹介した知識人がこの典型例でもあったので合わせて紹介します。

今回ご紹介するのは鈴木宣弘東京大学教授です。
鈴木氏は過去記事[【日米貿易協定】自分の主張を「非現実的」と言ってしまう鈴木宣弘東大教授]でご紹介したとおり、農業保護のときには『日本の農産物は品質が高いから、日本人は値段が高くても「日本プレミアム」の商品を買う(だから日本の農産物が保護されているわけではない)』と主張し、日米TAGについては『「日本の農産物は品質がよいので輸入品との代替性が非常に低いと仮定されている」という点が非現実的』と堂々と主張してしまう方です。
このMr.ダブルスタンダードぶりは当然(?)ながら他の政策への主張にも表れており、先に示した中野氏や山田氏と同じく『TPPは反対!でもRCEPはスルー』というスタンスです。
その理由は山田氏に極めて近く、日米FTA、日米貿易協定への批判の文脈で「日本は中国や韓国、朝鮮等々のアジアのすべての国々といっしょになって、共通性のなかで、基盤をつくるような、アジア共同体的なものをしっかりとつくることで、世界におけるわれわれの立場をしっかりと示していくということ」が必要であると主張しています。RCEPまさにこれに該当しますので、RCEPは反対するどころかアメリカに対抗するための必要政策であるという認識なのでしょう。

さて、そんな鈴木教授ですが、種苗法の反対活動にも非常に積極的で、しんぶん赤旗にも何度も登場しては持論を主張されています。


種苗法とRCEPのどちらの方が日本の農業への影響が大きいのか。山田元農水大臣の試算では「中国と自由貿易を行うと米の90%が中国産に置き換わる」とされていました。
どのようなスタンスであれ、TPPや種苗法改正などについてそれなりの立場で活動を行っている人がRCEPについて無知であるということはまず有り得ませんし、仮に無知だったとすれば論外です。
その点を踏まえてRCEPをスルーし続ける『農業保護を主張する』振りをしている人たちの主張を観察してほしいと思います。