10年目 | いつか旅立つ日が来たとしても

いつか旅立つ日が来たとしても

ひとりと一匹と、その日々のこと。

朝起きるとおまえのトイレの掃除を
もう何度しただろう。
トイレ砂を何袋、いや何リットル
消費しただろう。
それから、おまえのごはんを補充
することを何度しただろう。
何袋カリカリを消費しただろう。
いってらっしゃいの見送りと
おかえりなさいの出迎えを
何度おまえはしてくれただろう。

寝る時、足元に潜り込むおまえの
滑らかな毛並みの感触を何度足裏で
確かめただろう。

もう数え切れなくなって
気付いたら10年目。

それをなんなく越えてくれた時は
10年がなんとなく節目と思っていた
オレは、
ただ、ひたすら嬉しかった。