目覚まし猫 | いつか旅立つ日が来たとしても

いつか旅立つ日が来たとしても

ひとりと一匹と、その日々のこと。

オレの勤務はシフト制のため、不規則で、

3日勤務して1日休みや、2日勤務して2日休みとか

午後出勤の夜勤や、朝出勤の早番もあった。

休みでかつ、仕事がない日は、午後まで寝ていたから

なおさら、不規則な生活になっていた。

 

おまえと暮らしてからは、不思議なことに、前日、いくら

遅くまで起きていても、翌日の遅刻はしなくなった。

 

それというのも、出勤日に限って、目覚ましの鳴る

15分前に必ず、おまえに起こされるからだ。

なぜだろう、オレのシフトなど、おまえが知るわけも

ないのに。

でも、遅刻を免れたことが、何度かあったことは、

確かなことで。

また、さぼろうと二度寝を決め込んだときは、

よけいにおまえの声が

オレを非難しているように聞こえた。

 

おまえは案外、まじめな猫だったのかも知れない。