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抹茶アイスのブログ

小説を書いています。
拙い文章。
拙い言葉。
ですが、精一杯頭を使って文章を書きます。

アイは困ったように私の方を見た。

何か言いたそうに、なんとなく戸惑っているように。

でも、私は死んだなんて信じられない。

だって、確かに屋上には行った。でも、屋上に行っただけで、死のうとなんて思っていない。

「じゃぁ、かなは、死のうなんて思ってないの?」

アイは聞いてきた。

「もちろんよ!わたしは死のうなんて思っていないわ!」

こんな、変なところに来て、こんなわけのわからない男の子が死のうとしたんじゃないかなんて言う。

腹が立った。

何で、腹が立つのかはわからないけど…。

「じゃぁ、さ、なんでここに来ちゃったのか調べてみようか。」

アイは聞いてきた。

「え?」

私は聞き返した。

「かなはなんでここに来ちゃったのかわからないんでしょ?」

アイは首を傾げながら私に聞いてきた。

私は頷く。

「僕は時間と時間の間に住んでいる住人だから、少しここの勝手を知っているんだ。」

アイはニコニコしながら言う。

「だから、かなが何で来たのか調べて、かなの世界に帰れるか考えよう。そうすればかなも帰れるかも知れないし。」

でも、帰れるのだろうか?

私は不安でいっぱいだ。

私の世界ではない時間と時間との間という世界。

どうして、私はここに来てしまったのだろう。

私が考えを廻らせているとアイは私の顔を覗き込みふんわりと笑っていった。

「大丈夫だよ。一緒に帰れるように調べてみよう?」

その笑顔を見ていて私はアイと一緒に調べてみようと思った。

アイと一緒にいれば大丈夫。そんな気がした。

「私と一緒に帰る道を探して。」

私は改めてアイにお願いをした。

ここはどこなのか。

このアイという男の子が誰なのかは分からない。

でも、この屈託ない笑顔…。

私は何が何なのかいまいち理解できないでいる。

「え…と、アイくん?」

私はそう呼ぶと彼は振り返った。

「アイでいいよ。くんとか別にいらないし。」

そう言って、アイは笑った。

「じゃぁ、アイ。ここはどこなのかな?私、学校の屋上にいたはずなんだけど。」

私はアイにもう一度聞いてみた。

アイがそんなこと知っているはずもないと思うけど、ここには見たところアイしかいない。

私は藁にもすがる思いでアイに聞いた。

「かなは、ここがどこだかわからないの?」

アイは不思議そうに聞いてきた。やっぱりここはどこかの場所なんだ。

屋上ではなく。私はそう思った。

「ここは屋上じゃないのはわかるんだけど。でも、どこなのかはわからない。」

私は正直にそう言った。

「ここはどこでもないよ。」

アイはそういうと微笑んだ。ここはどこでもない?

それは、どう意味?

私は不安になった。

「ここは、きっとかながいた場所じゃないんだと僕は思うんだけど。それは間違っていない。」

アイは私に確認するように聞いた。とっさに私は頷いた。ここは、私がいた屋上ではない。むしろ、こんな場所知りもしない。

「たまに、人間が間違って入りこんじゃうんだよな。困っちゃう。」

アイはひとり言のように文句を言って私に向き直った。

「ここはね、人間が普段来れるような場所じゃないんだよ。」

アイは言った。人間が普段来れない場所?

それはどういうことかと考えていると、アイは言った。

「ここは、時間と時間の間の場所。人が来れるとしたら、死んでいる時かな。」

「え?今…なんて?」

私は驚いた。アイは今確かに死んでいる時って言わなかった?

私は屋上に上がった。

でも、死んでなんかいないのに。何かの間違えじゃ…。

「かな、君、死んだの?」

アイはおもむろにそう聞いてきた。

「そんなことない!私は死んでないわ!!」

私は強く言った。屋上には行ったけど、自殺なんかしていない。何かの間違いだ。

私は、アイを睨んだ。


私は確かに学校の校舎の屋上にいたはずだった。それなのに…。

「ここはどこ?」

私は自分のいる場所を間違えたみたいに、まるで、いきなり宇宙に放り出されたかのように自分のいる場所が分からなくなってしまった。

しかも、私が今いる場所はとても暗く、何にも見えない。

私は、一人だった。

「今に始まったことじゃないか…。」

いつも、学校でも一人。

だれも私なんか見ていない。

そんな学校生活、家の生活に嫌気がさして、学校の屋上に行った。

それなのに。屋上に入ったとたん、目の前が暗くなり、何にも見えなくなってしまった。

「誰か!!いませんか?」

私はこの状況に怖くなってそう叫んだ。


「あれー?人間、だ。」

不意に声がした。私は、声のほうを振りかえると驚いた。

そこには、10歳くらいの男の子がいる。蜂蜜の色をしたきれいなふわふわと柔らかそうな髪の毛。緑色のくりっとした瞳。まるで何かのおとぎ話に出てくる男の子みたい。

私がここにいることがとても不思議って感じでこちらを見ている。

「あの…。」

私が声をかけようとするとその男の子はおもむろに話しかけてきた。

「きみ、誰?なんで、ここにいるの?」

「え…?」

いきなり話しかけられた私は、彼の気軽い口調に戸惑い、答えに詰まった。

いくら子供でも、目上に対する口のきき方くらい習っているはずだ。

それなのに彼にはおよそ、目上に話しているという意識がないかのように気軽い口調で話しかけている。

私は答えに迷っていると、彼はもう一度質問をしてきた。

「なんで、ここにきみがいるの?どうやって、ここにきたの?」

「え…と、屋上に来たつもりだったんだけど…。」

「屋上?」

「そう。私、学校の屋上に来たつもりだったんだけど、いきなり目の前が暗くなってここにいるんだけど、ここ、屋上じゃないの?」

私は彼にまくしたてるように聞いた。

ここがどこなのか。こんな暗い所で小さな男の子に会ったということは、屋上なのかもしれない。

なんで、こんな子が屋上にいるのかはわからないけど…。

「ここは屋上ってところではないと思うよ。」

彼はそういった。

「そんなはずないわ!だって、私は確かに屋上に…。」

私は思わず叫んだ。だって、確かに学校の屋上に行ったのだ。それなのに…。

「とりあえず、落ち着いたら?きみ、名前は?」

彼は、私に落ち着いた様子で話しかけてきた。

「…倉田 かな。」

そう、答えていた。10歳くらいの男の子に「きみ」といわれるのも微妙だったし、彼が言うとおり、少し落ち着いたほうがいいのかもしれない。そう思った。

「かなって言うんだ。僕はアイ。よろしくね、かな。」

アイはそういうと満面の笑顔で言った。