ここはどこなのか。
このアイという男の子が誰なのかは分からない。
でも、この屈託ない笑顔…。
私は何が何なのかいまいち理解できないでいる。
「え…と、アイくん?」
私はそう呼ぶと彼は振り返った。
「アイでいいよ。くんとか別にいらないし。」
そう言って、アイは笑った。
「じゃぁ、アイ。ここはどこなのかな?私、学校の屋上にいたはずなんだけど。」
私はアイにもう一度聞いてみた。
アイがそんなこと知っているはずもないと思うけど、ここには見たところアイしかいない。
私は藁にもすがる思いでアイに聞いた。
「かなは、ここがどこだかわからないの?」
アイは不思議そうに聞いてきた。やっぱりここはどこかの場所なんだ。
屋上ではなく。私はそう思った。
「ここは屋上じゃないのはわかるんだけど。でも、どこなのかはわからない。」
私は正直にそう言った。
「ここはどこでもないよ。」
アイはそういうと微笑んだ。ここはどこでもない?
それは、どう意味?
私は不安になった。
「ここは、きっとかながいた場所じゃないんだと僕は思うんだけど。それは間違っていない。」
アイは私に確認するように聞いた。とっさに私は頷いた。ここは、私がいた屋上ではない。むしろ、こんな場所知りもしない。
「たまに、人間が間違って入りこんじゃうんだよな。困っちゃう。」
アイはひとり言のように文句を言って私に向き直った。
「ここはね、人間が普段来れるような場所じゃないんだよ。」
アイは言った。人間が普段来れない場所?
それはどういうことかと考えていると、アイは言った。
「ここは、時間と時間の間の場所。人が来れるとしたら、死んでいる時かな。」
「え?今…なんて?」
私は驚いた。アイは今確かに死んでいる時って言わなかった?
私は屋上に上がった。
でも、死んでなんかいないのに。何かの間違えじゃ…。
「かな、君、死んだの?」
アイはおもむろにそう聞いてきた。
「そんなことない!私は死んでないわ!!」
私は強く言った。屋上には行ったけど、自殺なんかしていない。何かの間違いだ。
私は、アイを睨んだ。