2022年アメリカ。全10話。映画史に名を刻む名作「ゴッドファーザー」の公開50周年を記念して、パラマウントが当時の担当プロデューサー、アルバート・ラディの回顧録をもとに製作した連続ドラマ。内容を一言でいうと「映画作りはつらいよ」。文字通り殺されそうになりながら「ゴッドファーザー」完成に奮闘する新米プロデューサー、ラディを中心に、監督のコッポラ、原作・脚本のマリオ・プーゾ、秘書のベティらの闘いを描く。主演のラディを演じるのは「トップガン マーベリック」で準主役のルースターを演じたマイルズ・テラー。
 私はお試しであろうとサブスクを増やすことに抵抗が強いが、「ゴッドファーザー」第一作目のファンであることと、このドラマの評判の良さに、迷いに迷った末U-NEXTのお試しを開始。その抵抗感を乗り越えて見た価値はあった。上質な大人向けの作品を探している皆さんに薦めたい作品だが、どうしても映画「ゴッドファーザー」のファンであることは楽しむのにあたり前提になってしまう。見てない、もしくは一回サラっと見たことある程度のひとだと全く楽しめないとまではいわないが、「ゴッドファーザー」をしっかり見ている視聴者を想定したシーンも数々ある。その分ファンにはたまらない。
 この作品を見て知った小ネタ。映画の冒頭、ドンの部屋に葬儀屋が”依頼”に来るシーンに猫が映っている。テレビドラマ等の”いいシーン”で登場人物が猫を抱き上げようとすると、猫がまあまあ嫌がっているのがわかることがよくあるが、ここではその猫が本当にドンに懐いているのがわかって珍しいなあ、と思い印象に残っていた。その猫は実はその場にたまたまいた野良猫で、マーロン・ブランドが勝手に現場に持ち込み、コッポラらがマーロン・ブランドの機嫌を損ねたくなくてそのまま撮影したというエピソードがあった。
 こんなのは小ネタ中の小ネタで、あれは本物だとか、あのシーンとあのシーンは本当に殴ってるとか、シーンごとに覚えているファンには刺さるエピソードがたくさんある(本当に本当なのかしら?)。とにかく制作にあたってはトラブルの連続というか、トラブルしかないといった様相で、それを様々な努力、奇策、外的要因で乗り越え、綱渡りを続けながら映画は奇跡的にも完成にこぎつける。奇跡が出現した理由はもちろん、諦めなかったからだ。誰かが諦めそうになった時、諦めざるを得ない状況になったとき、チームの他の誰かが諦めなかった。トラブルばかりだが、新しいトラブルが次々起こるので暗く落ち込んでいる暇がない。
 キャスティングについては、マーロン・ブランド、アル・パチーノらはそっくりとはいえないが雰囲気的にまあまあOKといった感じの俳優が演じている。実在する名優の役をやるってなかなかプレッシャーというか、つらいものがあるのは察せられる。ロバート・デ・ニーロはパート2で「若き日のブランド」を演じて賞賛されたが、「若き日の」なので彼らよりはちょっと「楽」かもしれない。「ジ・オファー」のブランド役の彼は声、喋り方はかなり似ていた。
 そもそも私は下記にリンクを貼った動画「ホイチョイ映画的生活」で「ジ・オファー」の存在を知った。最初に見た時にはパート1ついての話が終わったら見るのを止めていたが、「ジ・オファー」を見てからもう一度同じ動画を今度は最後まで見て、そこで「ゴッドファーザー part3」のリマスタリング&再編集版が存在することを知った。パート3は1990年の制作で、私は大学生。映画館で見た記憶がある。ゴッドファーザーはパート1はもちろん、パート2も評価が高いが3だけそうでもない。そのパート3をコッポラ自身が再編集、350箇所以上に手を入れて、10分程度短くした「ゴッドファーザー CODA(最終章)」が2020年に公開されていたのを今まで知らなかった。評判は悪くないようだ。CODAはU-NEXTやAmazonPrimeでみられる。パート2も2回くらいしか見ていないので、CODAを見る前にパート2も見るつもりだ。U-NEXTのお試し期間中に目的の作品を(余裕で)見終わることはできたが、他に「花様年華」や「エゴイスト」も見たいし、「ジ・オファー」ももう一度見てもいいしで、とりあえずまだ退会はしない。

 


※ホイチョイ的映画生活で「ジ・オファー」について解説してます。私はこれを見て「ジ・オファー」に興味を持ちました。


※同じくホイチョイで、古畑等で有名なプロデューサー石原氏と「ゴッドファーザー」について語っています。”カンノーリ”も「ジ・オファー」で出てきます。上の動画の続編的部分もあります。

 

 

 

★今週の出来事★
11/5 三勝三敗で7戦目まで来てしまった阪神VSオリックスの日本シリーズ、京セラドーム。7-1で岡田阪神38年ぶりに二度目の日本一に。MVPは近本光司。前回1985年は西武ライオンズを破って初優勝。 当時西武は清原、秋山、工藤、石毛、渡辺、デストラーデ。阪神がバース、掛布、岡田、真弓といった布陣。私は15歳だが全然覚えていない。同グループ社員の夫は前回リーグ優勝した日に夫は大阪に出張していたが、日本一は翌日月曜日に大阪へ行った。

★最近の個人的出来事★
10月 遅ればせながらふるさと納税を始めた。高級トイレットペーパーを選択。あの箱入りの超高級ではない、ワンランク下の製品だ。うちは普段OKストアで売ってるシングルの最も安いものを使っている。どれだけ違うかと楽しみにしていたが、正直そこまで実感はなかった。


11/3 近所の有名な?洋食屋「洗濯船」で牛タンのシチューという贅沢なランチをした。店名はピカソなどで有名なパリの安アパート「洗濯船」から取っているのは知っていた。夫婦で営んでいる店で、支払い時に「お二人とも絵画がお好きでこの店名にしたんですか?」と聞いたところ、「前にここで店をしていた人がつけた名前で、そのまま引き継いじゃったんですよ」とのことだった。店内にはたくさんのカメラ、掛け時計、絵が飾ってあった。「孤独のグルメ」的なお店で、牛タンのシチューは美味しかった。