※個人的日記内容を含みます。といいつつネタバレあり。

 2022年アメリカ。無人機の世の中になろうとしている時代、ピート”マーベリック”ミッチェル大佐がエリートパイロット養成学校「トップガン」に教官として戻ってきた。NATO条約に違反して建設されているウラン濃縮施設破壊のミッションに教え子たちと挑むことになる。教え子の中にはかつてマーベリックとコンビを組んでいたグースの息子、ルースターもいた。ルースターはマーヴェリックが自分の海軍兵学校への願書を破棄したせいで入学が遅れたこと、そして何より事故当時二人乗りであるF14戦闘機の操縦席にいたマーベリックのせいで後部座席にいた父親が亡くなったと反発心を抱いていた。

 

 前作は1986年で私は16歳。映画館で友達と見た記憶はあるが、特に面白いとか面白くないとか思った記憶がない。ただサントラをみっしり愛聴していたのははっきり覚えている。以後本編を見返すことなく52歳。7歳年上の夫が現在映画館に行くのは年に一度程度だが、公開して数週経った6月「マーヴェリック」を見に行くという。いかにも彼が好きそうな映画ではある。評判もいい。夫はAmazonPrimeで前作を復習したのち、ドルビーシネマ代プラス500円の計2,400円を払って映画館にでかけ、それなりに満足の様子で帰宅。

「映画館で見てナンボだな」

 やっぱしそういう映画か。あたしには用なさそう。
 そして2023年3月、早くもWOWOWで放送するという。夫は、
「うちの音響設備をマーヴェリックで確認しないと」
 と再度みる気満々。うちはテレビの音響設備を1月に一新、サウンドバー(サブウーハー付)をカードのポイントで購入したばかりだった。よってテレビ台も新しくしたが、テレビとレコーダーは古いままだ。
 そんこんなでオスカーの季節に。なんと「マーヴェリック」が作品賞の候補になっているではないか。トップガンってそういう映画だっけ? 他にも主題歌賞(レディ・ガガ)、編集賞、視覚効果賞、音響賞あたりまではともかくとして、脚色賞にまで。
「トップガンって、そんな内容のある映画だったっけ?」と夫に聞くと、
「さあ?」
 聞けば私が何度も見たことのある「ユージュアル・サスペクツ」の脚本家がこの続編には参加しているという。俄然興味がわいてきた。私は昔からオスカーは作品賞よりも脚本賞や脚色賞をとっている作品のほうが見ごたえがあることが多いと思っている。まさに「ユージュアル・サスペクツ」がそれだ。そんな話をLINEで友人(私より映画を見ている)にしたら、中学三年になる息子がマーヴェリックを映画館で二度見てトムをスマホの待ち受けにしているという。今のティーンエイジャーの待ち受けになるとは立派、トム。マーベリックでもいい感じに老けて、ちょっと前よりむしろ男前のような。その中学生も「映画館で見ないと」と私同様もはや映画は自宅鑑賞派の母親に言ってるらしい。マーベリックが新旧男子のハートをつかんでいるのはわかったが、映画館で見ないと魅力半減の映画って、なんかあたしには合わない気がする。しかしサウンドバーなんてものも初めて買ったし、見てみるか。こんな私に果たして吉と出るか凶と出るか、マーベリック。二時間以上もあるってどうよ、こういう娯楽作で。とりあえずと予習のために前作を私もAmazonPrimeで見る。当然だが画質は悪いし、冒頭から退屈でたまらない。いつこれ「話」が始まるの。今見るとなんかいろいろ垢抜けない印象。早々に挫折。
 んで結局どうだったのか「マーヴェリック」。とりあえず通しで二回見た。ラストの見せ場であるミッションのシーンについては、映像の迫力もさることながら、サウンドバーの威力に圧倒されて10回以上見てしまった。テレビ画面であの迫力だから、映画館ならなおさらだろう。これなら4DXとかで見てもいいかもしれない。うちら夫婦、以前「スタートレック イントゥダークネス」を3Dで見て、これなら追加料金払ってまで3Dで見なくてもいいなあと二人とも思ってしまい、以来そういう仕掛けから遠ざかっていた。てかあたしは映画館自体から遠ざかっている。その頃には既に映画は家で見るほうがよくなっていた。友人の息子が2回どの方式で見たかは不明だ。うちの夫はドルビーシネマで見たが、ドルビーアトモスとかimaxレーザーとか4DXとかMX4Dとか、10年弱遠ざかっているうちに映画館も私の知らない世界になっているようだ。友人が「アバターway of water」を4Dで見てえらく満喫したという話も「へー」と思う程度だった。

 にしてもルースターとマーベリックの仲がこじれる原因になったグースの死のエピソードが「マーヴェリック」だけ見ていてもやっぱりいまいちよくわからない。夫は「別に前作見てなくても問題ない作品だと思うけど」というけれど、彼は家でもアクションものを中心に映画を途中から見られるタイプだ。そこでくだんの事故シーンだけチェック。AmazonPrimeがあってよかった。念のため説明しますと、「トップガン」の地位を争うアイスマンとマーヴェリック。アイスマンが基本的には先行していたが、ある日の訓練中、アイスマンの操縦するF14とマーベリック&グースが乗るF14が異常接近。ジェット後流が発生し、それに伴ってマーベリックの操縦する機体にエンジン故障が発生、操縦不能に陥る。非常事態と後部座席にいたグースともどもパラシュートで脱出しようとするが、グースは機体に頭を打って亡くなってしまう。軍の裁判(審問?)にマーヴェリックはかけられるが、ジェット後流の発生は予見不能と”無罪”に。
 あと今回のミッションについて、あたしがアホなのかこういったことに疎いせいか理解に手間取った点が。
 4機のF18でミッションに臨むが、F18には単座機と複座機がある。トムが長機で先行する単座機(ダガー1)に乗る。これに複座機(ダガー3)が続く。後から来るチーム(二発目のミサイルを発射する役割)のリーダーとして単座機(ダガー2)に乗るのがルースターで、トムの僚機(wingman)にあたる。ダガー2にも複座機(ダガー4)が追従。これで計6人4機の編隊となる。複座機がターゲットをレーザー照射し、それに合わせて単座機が爆弾を投下。同じことを同じ段取りで2チームが行うというミッションだ。ただし後攻チームはレーザーに不具合が生じ、照射抜きの口頭指示で爆弾投下を行っている。ちなみにF14はすべて複座機で、後部座席から操縦は行えず、レーダーや兵器の操作などを行うらしい。「コマンチ(Chomanche)」もコールサインで機体名はE2C。「早期警戒機」で空中目標を探知・警戒する。
 にしてもルースターが親父に似てるのはいいとして、トムの息子的年代には見えないわ。せいぜい一回り下程度。

 去年の夏から闘病人生に入った私だが、2月は10日間ほど入院した。入院中、都内で雪が降ったが、多摩地区に住んでいる中学時代の友人が久々にLINEをくれた。私の名前のついた雪だるまの写メつきだった。彼女に闘病中なのは告げていたが、病名も入院も伝えていなかった。期せずしての雪のお見舞いに、入院中で弱っていたこともあって涙がぼろぼろとまともに溢れ出た。私は彼女と前のトップガンを歌舞伎町の映画館で見た。前作もちゃんと見ようと思えば今でも見られる映画なのかなあ。

 日曜日に退院した。土曜でもよかったのだが、夫がゴルフで迎えに来られなかった。心身ともに一人でタクシーで帰る自信がなかったので、病院に1日余計に置いてもらうことに。その日のゴルフは抜けられない事情があるのは理解していたが、私は精神的に追い詰められていた。そこで数名にLINEで退院する旨を連絡した際、夫のゴルフで退院が一日延びたことを全員に書いた。それに対し実妹から、
「旦那の心身の健康のためにもゴルフくらい行かせてやれ。どうしても土曜日に退院したいなら、私が車を出す」
 埼玉から横浜まで来るには及ばない、と返信。
 結局「マーヴェリック」はオスカーで音響賞を受賞。やっぱ脚色賞云々を言うような内容ではないよな。結局スターありきのお約束映画だしね。4Dを前提にした内容というのもあるし。

 


★今週の出来事★
3/21 春分の日で祭日。朝8時からフロリダでWBC準決勝。メジャーリーガー揃いのメキシコ戦。不振が続く5番村上宗隆の二塁打で6-5の逆転サヨナラ勝ち。3番DH大谷翔平、4番吉田正尚(同点3R)等全員野球のスリリングな試合だった。結局翌日22日に決勝でアメリカと対戦。優勝を飾る。防御率の低い投手陣の層の厚さも他国チームに勝る日本チームの優れた点だった。大会MVPは大谷、吉田は13の大会史上最多打点。

※最近ハマった動画。ちなみに私はスキーやりません。