初めてみる夢

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 私には定番の悪夢というのがある。ひとつは就職がないので大学院を出たのち、また就職がなく、さらに別の大学(学部)に入るというやつで、「この大学出たらあたし何歳になっているんだろう」と不安になるというもの。ちなみに私は大学院に行ったことはない。もうひとつは体調不良で仕事を休もうとするが、これで休んだら職場でイヤな顔されるだろうなあ、とげんなりするというもので、目覚めると「そういえばいま無職の専業主婦だった」と思い出してホッとする。どちらも寝ざめは悪い。

 そして先日、初めて見る種類の夢を見た。自分が別の男と結婚しているのを忘れていた、と焦る夢だ。女友達と一緒にいて、自分が別の男と結婚したことをすっかり忘れ、その本来の夫とも連絡をとらず、かつ「(勘違いしていて)いろんなところに”玉川ハナ”(今の夫の姓)って名前書きまくった」と女友達に「あたしの(本当の)夫、なんて名前だったっけ?」と聞いている。「そうだ、携帯の住所録で探せばいいんだ」といいこと思いついた、という風情で携帯のアドレス帳を探り、
「たしか、ハ行だったような・・・」
 と探しているところで目が覚めた。目覚めて「そうだ、あたしの現在の本名は玉川ハナ(仮名)なんだ」と思い出したが、寝覚めは特に悪くなかった。
 うちの夫は逆境に弱く、繊細だ。そんなの普通、と思われるかもしれないが、なんせ結婚当初「自分はタフで仕事のできる男と」と胸を張っていたので、ギャップは大きい。これまでも何度か仕事で窮地に立たせられると「体調が悪い」と言い出しては会社を早退して病院に行き、「とくに目立った疾患は見当たらない」と毎回言われてきた。最近またこの事態に陥ったが、あたしが前日38度の熱を出してゲロゲロ吐いた日の翌日で、あたしの復調気配は台無しにされた。夫は私が調子の悪い時を狙いすましたかのように自分も悪くなる。私は基本的に明確に悪いが、夫は結果的にどこも悪くないのがたいていだ。あたしの不調自慢?もどうかと思うが、夫のは学校に行きたくない子供がお腹が痛くなったりするのとまったく同じ現象。心臓がどきどきして息苦しい、心臓疾患では、と循環器科に駆け込んでおきながら週末のゴルフは迷わず行くという。「新型うつ」と言われるような若者とも変わらない。もう知らん、なるようにしかならん、人生落ちるときは落ちるもの。と思っていた矢先にこの新種の夢。露骨と言えば露骨。あたしの精神構造の単純さが察せられる。ちなみに今のところまだ一度しか見ていない。

 うちの夫が優しくて誠実なのは結婚以来変わらない。「俺は優しくて誠実だ」と言ったことは一度もないが、この点で裏切られたことは今のところほぼない。自己顕示された夫の自己評価の高さには何度か裏切られた気分になったが、自ら口にしない長所には裏切られていない。そういうものかもしれない。
 果たして私たち夫婦の未来はどうなっていくのか。ゴールデンウイーク、10日間ほぼ一緒にいたが、終盤ともなるとけっこう苦痛だった。見たくもないテレビをやたらにつけられて。夫が外出して家でひとりになったとき、すごく気分がよかったのが我ながら印象的だった。ここ、夫がストレスにまみれて買ったマンションなんだけどね。ちなみに今回循環器科でホルター心電図までつけて検診をした夫だが、結果は「異状なし」。まあ、こういうのをきっかけに検診しておくのも悪くないだろう。そう思うしかない。西城秀樹が二度の脳梗塞を経て心不全で63歳で今月亡くなった。心不全を原因とする脳梗塞はよくある話のようで(秀樹がそうかどうかは不明)、亡き夫の実父は脳梗塞を患って半身不随を経験しているようだし、やっぱり検査してよかったかもな、うん。みなさんしっかり水分を摂って、体内の循環を滞らせないよう、心がけましょう。

 

※「成長する悪夢の不思議」はコチラ。 

★今週の出来事★
 日大アメフト問題。一般大衆は印象だけで語るのが許されているので、憶測で語る。どう見ても井上コーチは内田前監督のイエスマン。つまり井上が単独で考えて価値判断して諸々の言動があったとは到底考えられない。コーチと前監督の会見をみると、選手がコーチに追い込まれてやらされたように、前監督に追い込まれてコーチが責任を(中途半端にだが)かぶっているようにしか見えない。同じ図式だ。チームの体質づくり、会見に至るまでの日大の対応の悪さは前監督ありきの様相にしかみえない。「責任の所在を明言する」にあたってのあのコーチの歯切れの悪さ(選手といい対照)、見え隠れする気の弱さ、覚悟のなさはなんだろう。井上Cがこれまでチーム内で「エバって」いたなら、内田監督の後ろ盾あってのもの、つまり本質的に井上Cは弱く、虚勢を張る男で、虎の威を借るキツネ以上のものはなかっただろう。会見前に二人が行動していた図なんてみると、「親分と若頭」にしか見えない。若頭は本質的にイエスマンだから親分に選ばれたんだろうけど。日大は教育機関なので、学生たちに身体を張って教えているんだろうね。「君たち学生だからよく知らないだろうけど、世の中にでたら、組織って、組織上部って、往々にしてこういうもんだよ」って。「世の中に妙な幻想を抱かないように」。
 でもしょーもない47歳専業主婦から学生さんたちに言いたいのは、そのしょーもない組織が本質を露呈した対応が、結局世の中から最終的にどういう判断を受けているか、というところまで込みで見て判断してほしい。明文化された制裁だけが結果ではない。ごくシンプルにみて、日大というブランドの失墜、組織のイメージダウンは計り知れない(「日大広報部」の仕事って何?)。こういったことは有形無形の影響を長期に渡って発揮する。日大アメフト部のブランド低下ではない。それにしても。最近いろんな大人(TOKIO山口君、福田事務次官他セクハラ知事、森友・加計がらみの関係者)が人前で話をしているけど、みんなしどろもどろで覚悟もない。あの選手がもっとも腹をくくり、覚悟を固めて身ひとつで大衆の前に姿をさらした。本当に対照的だ。
 つーか、もはや問題になっているのは悪質タックルそのものよりその後の日大の対応だと思う。何かあったらああいう対応をするのが日大だってことだよ? 学生なんて守ってくれないよ? 大学幹部をかばうのに必死になるのみだよ? 前監督、文春の音声テープの内容に対して、「あのときは学生のために悪役になるのに必死」とか苦しい言い訳してたけど、もしそれが本当なら、会見で「俺が指示した。アメフトってそういうもの」っていう音声テープまんまの回答をなぜしない? 態度に一貫性がまったくない。

※追記:手元にある情報だけで想像を膨らませてみる。
「ケガをさせろという指示はしていないが、過激な表現をして指導してきたので、彼にああいう勘違いをさせてしまったことには責任がある」
 というのが井上コーチの会見の発言の要旨だ。会見前に内田前監督と会見内容については打ち合わせが済んでいるはず。これが真実なら、なぜ彼は堂々と簡潔にそう言えなかったのか。
 反則を犯して泣いていた選手に井上Cは「お前のそういう優しいところがダメなんだ」と言ったとされている。そういう井上C自身が、結局それを体現した人間ではなかった、ということだ。彼は自分を他人の感情を顧みず目的を達成できる「強い」人間と思っていただろうか? 単に内田の権勢の中にあってエバっているだけの実は(当該の選手より)弱い人間だという自覚はあっただろうか?
 内田はサイコパスだ。青年を含む他人の人生が傷つこうと大して彼には響かない。井上に対しても同様だ。大衆を前に嘘をつくのも簡単なことだ。世間がやいやい言おうが、逃げ切ればいいだけのこと。
「すべてお前の言動が原因と会見で言え。俺は関係ないと。その後の生活については必ず面倒をみてやる」
 親分の代わりに刑務所に入る子分と同じだ。井上は逆らえない人間だからこそ取り立ててもらってきた。でもだからといって平然としてもいられない。親分の罪までかぶって、まだ高校生だったころから知っている青年を「陥れ」「嘘をつく」のだ。弱い彼にこれはキツかっただろう。それがあの会見の歯切れの悪さ、矛盾する発言、固まらない覚悟だったのではないだろうか。こんなのが通用するはずもない、という自信のなさもあっただろう。金銭的に保証されたからといって、すべての風当たりから監督や大学が守ってくれるはずもない。
 内田は世間の常識とは隔絶した「日大」で権勢をふるって生きてきた。自分こそが法律だっただろう(そういう人間が日大組織には大勢いそうだ)。それがこれまで通用してきたのに、どうしてたったあれだけのことで通用しなくなっているのか? その疑問しかない。なぜ今回に限ってこんなに悪い展開が続くのか。悪いのは「ネット社会」だろう。俺は悪くない。俺が悪いという程度に悪い奴なんて、世間に(日大に?)大勢いる。俺は今回本当に運が悪い。