アーカイヴス その19 三茶de大道芸 2006 | やせっぽちのヒロシのブログ

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音楽とお酒が大好きです。
趣味は国際交流?(笑)。

くこのところ仕事が忙しく職場でサボる時間がない上、自宅のノートPCの調子が悪く文字を長時間打つことが出来ませんので、今回も別のところでの古い投稿をほぼコピペで一部手直ししてアーカイヴとして記事の更新とします。

今回は(コロナ禍以降はちょっとご無沙汰していますが)毎年秋のお楽しみ「三茶de大道芸」です。

 

 ☆  ☆  ☆  ☆

 

もう今年で10周年になるそうだ。
僕が見るようになったのは、多分2回目からだったように思う。
それまで三軒茶屋といえば、大昔友達が太子堂のアパートに下宿していたため何度か遊びに行ったくらいで、ほとんど縁のなかったところだが、ここ何年かで、すっかり歩きなれた地となってしまった。
国内外のストリート・パフォーマーたちが街の至るところで30~50分くらいのアクトを繰り広げる。
見る方はプログラムに載ったスケジュール表を見ながら、あっちへ行ったりこっちへ行ったりで、結局三軒茶屋を歩き回ることになる。商店街も活気があって、そうした雰囲気も好きだ。

12:00スタートなので、家を10:30頃に出て、1時間あまりで着いた。まずプログラムを手に入れ、しばらくアート楽市の方をブラブラし、巧みな手作りの作品をながめて歩く。
その間も、今日はどう廻ろうかなんてタイムテーブルをチラチラ目にし、おおよそのスケジュールを決め(例によって貧乏性なので、ひたすら見て廻るんだけどね)、まずは地下にある吹き抜けの「パティオ」へ。

最初に加納真実というブルーのジャージ姿でコワイ目つきのパントマイムを主としたパフォーマンスを見ることにした。初めて見たけれど、BGMで使われた中島みゆきがよく似合う雰囲気を持った人で、不気味ではあったけれど面白い芸だった。
もう何度か見ているらしい地元の小学生と思われる女の子が、そばで「次はこうなるんだよ」という感じで次々ネタをバラしているのが可愛かった。多分ロクな大人にならないだろうけど(笑)。

次に茶沢通りを渡って「ふれあい広場」へ行くと、すでにショーが始まっていた。こちらもパントマイム系かな? チクリーノという関西で人気の芸人らしい。手品も入っていて、客いじりもなかなかシュール。展開が凝っていて見ごたえがあった。

以前は、大道芸というと言葉で適度に笑いを取りながら、ジャグリングをしたり、アクロバットしたり...というのが定番だったように思う。
それが最近は、おそらくパフォーマーたちが言葉の通じない海外へ視野を向けているためか、言葉を排除したものが多くなった。その分、演技力が向上し、内容的にも面白いものが増えてきたように思う。もっともそうしたものは、見ている側にも、それだけ集中力が要求されるけれどね。

今度は茶沢通りをもう少し下北沢寄りへ向い右折した通りにある「あい・あい・ロード」の方へ行き、やはり初めて見るユキンコアキラ。自身でDJ用のCDプレーヤーをブラ下げてそこから流れる音楽にのせて、踊りながら絵を描いていく。見事だけれど、ちょっと一本調子かな? 絵を1枚描きあげたところまで見て、先の「ふれあい広場」へ戻る。

昨年に続いて登場、イギリスの3人組チポタラス。

僕は勝手にジャグリング界のビースティー・ボーイズと呼んでいる。
パンク風なアタマに、バンドネオンとパーカッションで軽快な音楽を演奏しながらジャグリングをする。
やっていることは昨年と変わらないように思えたが、こういうものは何度見ても楽しい。
見物の子供をひとり呼び、自分達とおそろいのユニフォーム(子供用に小さい)を着せて、演技に参加させる。終ったときにメンバーがギャラとしてその子に1000円札(子供には多すぎだが)を渡したら、その子がお札を上に向けて「透かし」を確認していたのが大受け。全く今のガキときたら....というか出来すぎだよ。

 

昼食を取りがてら、歩行者天国の茶沢通りをブラブラすると、いわゆるウォーキング・アクトのパフォーマーたちが、それぞれ個性的な扮装で、通行人や見物客の目を楽しませている。「あい・あい・ロード」の商店街にある魚屋では、名物マグロの解体&切り売りをやっていた。

その「あい・あい・ロード」で、もう何度か見ているバーバラ村田のパフォーマンスを見た。

男装で登場し、その衣装を少しずつ脱いでいき、それを傍らの骨組みだけの人形(頭は鳥カゴ)に次々と着せて、すっかり紳士となった人形を相手にダンスを踊るパフォーマンスは、サーカスのクラウンがハンガーに服を着せて踊った芸を元に発展させたものらしいが、とても洗練されていて、そのうえ完成されており、優雅さではこの日見たなかでは一番だった。
美しさだけでなく毒もあって刺激的。

今度はキャロットタワーの裏の広場プラザへ移動。
何と10回皆勤というフランス人クリスチャン・タゲ率いるミニ・サーカスのシルクバロックも、すっかりここでの名物。
やることは毎回同じだけれど(ギャグも全く同じ)、もう約束事の世界だね。客の両腕と首へ向けて同時に投げる輪投げは今回も見事に決まった。得体の知れない怪しいおネエさんと、タゲの息子と思われる若い男性が、それぞれ高さ10メートル以上ありそうな鉄棒から下げられたロープを巧みにあやつり上へ下へとめまぐるしく移動していく。時折見せる静止ポーズはさすがに決まっている。
いつもなら、タゲ団長が、見物人を5人くらい選んでロープを張らせ、そこを綱渡りしながらジャグリングして火を噴くんだけど、雨が降ってきたせいか、綱渡りはなかった。

ここで三軒茶屋に住むラテンなお姉さんと合流し、やたら逆立ちしたり組み立て体操みたいなことをしたりする4人組を見た。アクロスティッシュというフランスから参加した人たちらしい。
逆立ちして歌うモーツァルトが売りのようだ。スティール・パンにも似た鐘の音色も印象に残った。

雨が降ったり止んだりして、ちょっと野外で見るのも辛くなってきたものの、まあせっかくだからもう少し見ようと、となりの「NTT広場」へ行った。Funny Bonesという日本人とイギリス人のコンビが演技中で、しばらくそれを見ていたが、日本人の方の情けないMCにラテンなお姉さんが大受け。「アレは絶対大阪人」と断言していた。
本来は最後に人形を使った芸をやるはずだったが、雨のため出来ないので、今日は投げ銭はいらないとのこと。
 

続けて津軽三味線の奏者ふたりのユニット、セ三味ストリート。

この人たちもここ数年毎回出ているが、おそらく普段は本格的な津軽三味線をやっているのだろうけれど、こうしたパフォーマンスでは、さすがそれぞれ「外道」「邪道」と書かれたシャツを着ているだけあって、肩車や、1本の三味線を二人で弾く二人羽織り(字、これで合ってたっけ?)、挙句はバチの替わりに包丁や定規、更にキューピー人形を使って弾いたり、ハチャメチャ。でも、そのバカバカしさは大好き。

この後もプラザでは中国雑技団などの演目がまだ残っていたが、もう充分楽しんだし、今回はここまでとした。
来年も楽しみにしています。

さて、三茶de大道芸を満喫した後は、ラテンなお姉さんと三茶deデート(笑)。
立ち飲み屋サンのようなところへ入ったけれど、奥のイス席が空いていたので、そこで腰を落ち着け、ビールとホッピーで乾杯。
以後気がついたら4時間そこで絶え間なくしゃべり続けていた。
海外生活も長く人生経験も豊かな彼女は、話題も豊富で、それも音楽にはとても情熱的なので、その語られる内容には引き込まれ、ついつい聞き入ってしまう。
 

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このラテンなお姉さんはその後スペイン領のカナリア諸島の方へ移住しましたが、今年の4月に音楽活動も兼ねて一時的に帰国し、17年半ぶりで再会して、今度は柴又でデートして旧交を温めました(笑)。