前回ジルベルト・ジルの記事がまだ続くと書きましたが、それは3日連休の中の一部で、その前にまたいくつかイベントがありました。
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9/13(土曜)
午前中から出社し残った仕事を片付けていたら、例によって途中でサインの変更やら発注洩れが発覚し、予定外の仕事をすることに。
この日はライヴの予定はなかったが、タワーレコード渋谷店のインストアで、No Use For A Nameのメンバー2人によるアコースティック・ライヴがあるとのことで、見に行ったら、まわりを見渡すと間違いなく自分が最年長であることを自覚(苦笑)。それも親子くらいの違いの世代の子たちが多いので、ちょっと気恥ずかしくなった。
告知ではトニーとデイヴの二人だけということだったが、更にもう一人マットも参加し、ギター2本&ベースという編成となる。メロコア・パンクと言われているだけあって、アコースティック・ギターの演奏で歌われると、メロディの良さが光っていた。
でもドラムレスのせいかリズムにキレがないような......
それでも次々に歌われる曲のほとんどを客が一緒に歌い、盛り上がっていた。
終演後は、この日出番のなかったドラマーのローリーも含むメンバー全員が出口に集まり、ひとりひとりと記念撮影というサーヴィス精神ぶり。こういうところも彼らの人気の秘訣かもしれない。
あ、でも僕は先を急いでいたので、通路を空けてもらってサッサと帰ってしまいました。
14日(日曜)
完全休業。
予定としては、夕方やはりタワー渋谷店でピアニストのスガダイローのインストア、夜は青山の月見ル君想フで小山絵里奈のライヴを見るというスケジュールだったが、前夜にY氏より来年1月に行なわれるカーヴド・エアのチケットがユニオン新宿店プログレ館で売られているという情報を聞き、結局午後にY氏の分と併せて買いにいくことに。
チケットを手に入れ、ユニオンのロック館を覗くと、ローラ・ニーロの1978年のアルバム「NESTED」が流れていて、てっきり発売日の迫った彼女の紙ジャケット・シリーズの販促かと思いきや、何とこの春に再発されていたアメリカ盤CDが、再発第二弾の「SEASON OF LIGHTS」と共に店内で売られていた。
これはやっぱり両方買わなくっちゃ....ということで予定外の出費。
実は最近ネットでこの「NESTED」の時期のライヴが公開されており、この日も朝聴いていたところだった。
さてスガダイローのインストア、ソロ・アルバムの発売記念ということで行なわれたもの。
ここ数年鈴木勲のOMAなどでよくライヴを見ていたが、若き日の山下洋輔を想わせるアグレッシヴな演奏が好きだった。
ところがCDは二階堂和美のヴォーカルをフィーチャーしてホーギー・カーマイケルの"Lazy Bones"やジャックスの「堕天使ロック」をやるなど意外な選曲もあったりしたので、今日はどんなことをやるのか?と興味深々で見に行ったら、結局即興で30分弾きまくるというもの(最後の方でSkylarkになったが)。
迫力たっぷりで面白かったが、場所はクラシックの売り場で普段はその手のピアニストがイヴェントで使っているのであろうピアノを、あんなにガンガンやっちゃってよかったのだろうか?
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終わってすぐに今度は銀座線に乗って外苑前まで行き、久々に青山の月見ル君想フへ。
「図鑑に載っていない音楽」というイヴェントで4組のミュージシャンが出演するもの。
このタイトルのセンスにも惹かれるものがあったが、お目当ては小山絵里奈のライヴ・パフォーマンス。
りぶるのバイト嬢だった頃を知ってはいたが、昨年ひょんなことからCDデビューしていたことを知り、興味を持ってCDを買って聴いてみたら、本人の手掛けた打ち込み主体のサウンドでこちらが当初イメージしていたものとは全く違っていたが、予想外の面白さだったので、いつかライヴを見たいと思っていた。
トップバッターが彼女。"Little Things"から静かに始まったが、アルバムとは全く違ったスタンスで、ギター奏者とアイリッシュ・ハープ奏者を従え、彼女はほぼヴォ−カルに専念していた。この日は観客が多くざわついていたため、そのアンサンブルの繊細な音が隅々まで行き渡りにくかったかもしれないが、面白い組み合わせだった。
"My Favorite Things"や何故か「モスラの歌」といったカヴァーもあったけれど、短い持ち時間の中、もう少しオリジナルも聴きたかった気がする。終演後にご本人から聞いたところでは、アイリッシュ・ハープで出来る曲に限りがあるので、レパートリーも限定されてしまうとのことだった。
それにしても、昔市川のライヴハウス「りぶる」が在りし頃、その日の出演者の飛び入りゲストとして、彼女がその場でエプロンを外して歌っていたのを何度か見ていたのは、もう何年前のことだっただろう? 今はこうして堂々と主役としてステージに立っているのを見ると感無量という感じ。年月は確実に人を成長させることを改めて知った思いだった
(ちなみに、2026年現在彼女は更に活動の場を広げて、映画「九龍ジェネリックロマンス」「鬼の花嫁」やテレビ・ドラマ「40までにしたい10のこと」「恋をするなら二度目が上等」「初恋、ざらり」など数多くの音楽を手がけてきています)
その他の出演者に関しては、それまで名前すらも知らなかった人たちばかりだが、それぞれに個性的で面白いパフォーマンスだった。
2番手の京都から来たというメス戌&Co.というバンドが個人的には結構ハマる。ちょっとデイヴィッド・クロスビーあたりを想わせる陰影ある曲とか、歌詞の女々しさとかも含めて、妙にツボ。
今回はギター、ベース、ドラムスの3人編成だったが、もっと大所帯の時もあるらしく、そうしたフルバンドの時も見てみたいものだ。
終演後にCD(6曲入り¥500)を買ってみたら、「ローラ・ニーロ」というタイトルの曲もありビックリ。よくよくローラに縁のある日だ。
3番目のAkeboshi、演奏中には気づかなかったが、アコーディオン奏者は良原リエだったらしい。
中央に置かれたキーボードを弾きながら、ちょっとアイリッシュがかった曲を力強く歌う姿は、ホットハウス・フラワーズのリアム・オメンリーを想わせる。
リバプールに長い間住んでいたそうで、当然のように英語の歌詞もあったりしたが、個人的には日本語で通してくれればいいのに....と思った。http://
最後は知らない人は絶対にグループ名を正しく読めないであろう野狐禅。「やこぜん」と読むのだそうだ。
若い頃の井川比佐志みたいな風貌の人がギターをかき鳴らしながら歌い、相方さんが派手なアクションでロイ・ビタンのようなキーボードを弾くという二人組。
ちょっとハスキーなヴォーカルなので、小林旭がブルース・スプリングスティーンに影響されて尾崎豊みたいなシンガーソングライターになっちゃった....みたいな印象を受けた。
歌詞は友部正人を青臭くしたような感じで、残念ながらそれらに共感できるほど僕は若くはないが、10代から20代くらいの世代にはたまらないものがあるのだろうな。
アンコールが終わったら既に午後10時を過ぎていた。3時間半あまり小さなハコで立ちっぱなしは、50を過ぎたオジさんには辛いものがある。
15日(月曜:祝日)
朝起きても昨夜の疲れが残ってはいたが、この日は先日のジルベルト・ジル公演でチラシをもらって知った、彼も出演するフリーコンサート「10,000 SAMBA!」という催しを見るため、朝10:30に家を出て、会場の横浜赤レンガ倉庫前広場へと向かう。
出演は、THE BOOM、更に宮沢和史の別プロジェクトGANGA ZUMBA、そしてGilberto Gil。
例の日本人のブラジル移民100周年を祝しての記念イヴェントだそうだで、タイトルは、これまでの100年を振り返り、そしてこれからの100年を見据えて、それをプラスするのではなく、かけてみた(100×100=10,000)....というような説明があったと思う。そしてその数10,000人分の入場整理券を用意したそうだが、それは見事に全て配付しつくし、最終的には聴衆は20,000人に及んだらしい。
世間的にはザ・ブーム久々のステージということで話題になっていたらしい。そういえば、最近は宮沢個人の話題は頻繁に聞くけれど、バンドとしての情報はなかったかな?
もっとも、僕は彼等には特に興味はなく、まぁキライではないけれど....といったところ。
そんな彼等が主催者の挨拶の後トップで出てくると、物凄い歓声が! やっぱりこれを目当てで来た人が多かったんだね。
有名な曲以外のレパートリーをあまりよく知らなかったので、沖縄っぽい歌やサンバみたいな曲調のものを演奏するバンドというイメージが僕の中ではあったのだけれど、この日の彼等の演奏は意外にロックそのものという感じがした。
ファンのノリも90年代のバンド・ブームを思い出してしまうような、みんなが同じタイミングで拳を挙げ、同じ方向に腕を振り、そんな統制されたノリを見ていると、大掛かりなラジオ体操をやっているような気分。
休憩が入り、次がてっきりトリだとばかり思っていたジルベルト・ジル。
今回も途中にストーンズの"Satisfaction"を引用した"I can't get no connection!"というフレーズの入った"Pela Internet"でスタートするものの、やはりフェスで持ち時間も少ない上、自分を知らない観客も多くいることを踏まえてか、代表曲や有名曲のカヴァーに絞った選曲だったように思う。
YouTubeに当時の動画が残っていました🎵
そんな中、東京公演では歌われなかった"Aquele Abraco"が聴けたのは嬉しかった。またボブ・マーリーの曲も1曲は"No Woman No Cry"に代わり、"Kaya"へと続く。
僕が聴きたかった"Sarara Miolo"は残念ながらここでも聴くことは出来なかったが、「イパネマの娘」では音程の不安定さもなくなり、声の調子は幾分回復していたように思えたし、野外ならではの開放感と、大人数の観客を前に気分良く歌い演奏している姿に、やはり今日来て良かったという気持ちになった。
最後は"Palco"で大いに盛り上がり終了。
トリは宮沢が再びステージに立つ多国籍の大所帯バンドGANGA ZUMBA。
メンバーの中には高野寛も居たりして驚いたが、2人のパーカッション、トランペット、ヴァイオリンを含むアンサンブルはさすがに迫力があるし、野外にはうってつけ。女性シンガーが沖縄風のお囃子をやったり、途中でジルベルト・ジルのブロードバンド・バンドのメンバーがビリンバウで加わったり、見ている者を飽きさせないステージ。
ただ、どうも宮沢の生真面目な性格が音楽にもにじみ出てしまっているようにも思え、ハジけきれないもどかしさのようなものも同時に感じてしまった。
アンコールはお約束通り、出演者全員によるブームの「島唄」。
今回もジルが自分のパートをきちんと日本語で歌い上げるし、大編成のバックの演奏で劇的なフィナーレとなった。
やはり4時間ほとんど立ちっぱなしだったけれど、前日のような窮屈さも無く、天候も雨が降りそうで降らない、ある意味炎天下の強い陽射しからは免れることができて、むしろ良かったと思う。
しかし、この3日間スガダイロー以外は全て立見だったためか、終わった途端疲れがドッと出て、帰り道は結構辛かったな![]()
2008年9月19日 記
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ジルベルト・ジルは80歳を過ぎた今も健在で一昨年2024年にも来日公演を行なっています。16年ぶりの来日ということでしたから、正にこの時以来だったのでしょう。昨年はコロナ禍の2020年に自宅の庭で行われた無観客ファミリー・ライヴの模様を収録した映画が日本でも公開され、そちらは観に行きましたが、歌声はさすがに衰えを感じはしたものの、演奏はしっかりしており、まだまだ元気でした。