アーカイヴス その20 11/3~5 三連休はライヴ三昧  | やせっぽちのヒロシのブログ

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趣味は国際交流?(笑)。

何とアーカイヴスだけでもう20回目になります。それも全て2006年に書かれたもの。当時はマメに記録を付けていたものですね。

 

 ☆  ☆  ☆  ☆

 

11/3~5、暦の上では三連休。例によって行きたいライヴはウジャウジャ。
削りに削って
11/3 KOKOPELLI @山手ゲーテ座
11/4 Bridget St. John @アサヒ・アート・スクエア
11/5 Joao Gilberto @東京国際フォーラム
更に3日か4日のどちらかでThe Emotions @コットン・クラブの2nd Showをハシゴしようというスケジュールを立てた。
つまり3日間で4本見ようという訳。

11/3は午前中に家を出て、中華街をブラブラして昼食を遅めにとり、山手のゲーテ座へ....と目論んでいたのだけれど、前夜終電近くまで会社で残業したのが祟って、朝早く起きられず、家を出たのは13:00過ぎ。
KOKOPELLIは16:00開演なので、寄り道もほとんどできず、結局元町で食事をし、港の見える丘公園をブラブラ。近くのローズ・ガーデンをのぞくと、沢山の派手な種類に混ざって、単色でない変わった色彩の花が目に留まり、近寄って見ると名前が「ダイアナ プリンセス・オブ・ウェールズ」だって。

ウーン、確かにそんなイメージかも?
そうこうしている内に開場時間を過ぎてしまい、ゲーテ座の受付で予約していたチケットを当日精算で受け取ろうとしたら、名前でなくハンドルネームで取り置かれてあった(笑)。
さがゆきのユニットは色々と見ているけれど、ピアニスト林正樹とのKOKOPELLIは初めて。それもサックスの井上淑彦、パーカッションの岡部洋一が特別参加の豪華ヴァージョン。
アルバムはスウェーデンで録音されたということで、なんとなく最近流行の北欧ジャズを思い浮かべてしまったが、当然それだけでは済みませんでした(笑)。「埴生の宿」があるかと思えば、インプロヴィゼーションが延々と続くものまで、いつもながら懐の深い人だと思う。
今回はとりわけ岡部洋一の活躍ぶりが楽しかったけれど、いつもはピアノとヴォイスだけなので、またかなり違うのかな。
チケットも取り置いていただいたことだし、本来なら終演後ひと声かけていくべきなのだろうが、時計を見ると、急げばコットン・クラブに間に合う時間、ということで(さがさん、ゴメンナサイ)石川町駅まで一目散。JRで有楽町へ。

 

実は翌日の予約は入れてあったが、この日は入れていない。
「あのう、今日の予約はしていないのですが、まだ入れるでしょうか?」と受付で尋ねると、大丈夫とのこと。「ヨッシャー!」と心の中で叫んだとき、「○○さまでよろしかったですよね?」とカウンターのおねえさまに言われる。
名前を覚えられてしまった?(汗).....そりゃあ、基本的にカップルで来る客の多い中、何度もひとりで来る、それも場違いな服装とみだしなみのオヤジ。覚えられても不思議はないか(苦笑)。
ほぼ定刻どおりにバンドが現れる。しっかりとした演奏で期待できそう。そしてすぐにEmotionsの3人姉妹が登場。さすがにトシとって太ってもしまったが、ハーモニーは美しいしソウルフル。席の位置のせいか、ドラムスの音がうるさくてヴォーカルがオフ気味だったけれど、ディープな歌はとことんディープだし、Stax時代の名曲"Show Me How"では昔のイメージを損なうことなく聞かせてくれた。
終盤Wandaが熱唱した後に感極まったのかステージの隅で泣いてしまったり、Sheilaが向けたマイクに見事に応えて堂々と歌うお客さんがいたり(この人、勢いでmixiにEmotionsのコミュまで作っています)、盛り上がりっぱなし。
個人的にはEW&Fの"Boogie Wonderland"はいらなかったが、アンコールの"Best Of My Love"では総立ちで、とても感動的なソウル・ショーがまたひとつ。
それにしてもEmotionsってグループ名、ソウル・ミュージックそのものという感じで、改めて素敵だなと思った。

 

11/4は会社へ前々日遣り残した仕事を片付けにいく。昼過ぎには終わらせるつもりだったが、一人で仕事しているとついダラダラしてしまい、結局CD屋さんへ行くのはあきらめ、吾妻橋のアサヒ・アート・スクエアへ。それでも、しっかり浅草のヨーロー堂には寄ったけどね。
何人か出演するイベントだけど、お目当ては勿論トリの女性ブリティッシュ・フォーク・シンガーBridget St.John。そして前夜がとても良かったので、早く終われば、浅草から銀座線で京橋まで行き、丸の内でEmotionsをもう一度みたいと思っていた。
ところが最初に出た二組がそれぞれ思った以上に長い(そのうえシンドイ)演奏で、すでに19:30を過ぎてしまう。21:30からのEmotionsは到底間に合いそうもないので、コットン・クラブへ予約取り消しの電話を入れる。
Bridget St.Johnは変則チューニングでほとんど伴奏だけのギターを弾きながら終始淡々と歌うが、決して単調にならず、とても味わい深い歌が続いた。今はニューヨークに住んでいるとのことだが、やはりイギリス人らしい落ち着いたステージ進行ぶりが魅力だった。
この日はSさんと、いつもの達人M氏にお会いしたが、何とM氏もEmotionsとハシゴしようと目論んでいたらしい。
お互い好きねぇ(爆)。
結局ワタクシめは京橋を遥かに越えて新宿まで流れて行き、1ヶ月ぶりに歌舞伎町の友人のお店へ。
どうせ3連休の中日だしヒマしているだろうと思いきや、大間違い。すでに階段を下りていくとドンチャン音がしている。
何と狭い店内は満員で、おなじみのY内明大教授、与那国受験コンビのYちゃんとNちゃん、その師匠のY場さん、そして音の主たち。
何でもラオス人の青年と彼の仲間(日本人)たちのようだが、その人たちがラオスの民俗楽器を演奏したり、歌ったり踊ったりしていたのだった。ちょっとタイのモーラムにも似ていたかな。常連客の方も「今夜はラオス・ナイト!」といった感じで盛り上がっており、ほぼシラフ状態のワタクシめは、そのテンションの高さについて行けず、しばしボーゼン。早く酔いたくて、いきなり泡盛をロックでオーダーしたのでした。

 

11/5、前夜は結局終電になってしまったので、9:30までひたすら眠る。
朝ごはんを食べた後、メールをチェックしようとパソコンのスイッチを入れるが、何と立ち上がらない。色々試してもダメだったので、サポート・センターに電話して、指示されるままにやってみるが結局ダメ。受話器の向こうからは「おそらく初期化する以外ないでしょう」という冷たい答えが....。バックアップも取っていなかったので躊躇したが、どうしようもなさそうだし、今日リカヴァリーしないと、次の休みの日までまとまった時間は取れない。観念して、昼間出かけるのを諦め、ひたすらパソコンに向かう。
おかげで、蓄積されたデータは失ったもののパソコン自体は復活。
しかしバックアップはマメにしないとダメですね。

さて、この日の夕方は17:00より開演予定の(笑)Joao Gilberto来日公演。どうせ1時間は遅れるだろうと思いつつも、万が一ジョアンの気まぐれで予定通りに始まらないとも限らないので、16:50くらいに会場に着くと、同じように考えた人が多かったのか、これから入場という人が沢山居た。
そして、もはや名物となってしまった場内アナウンス。
予定時刻を過ぎてしばらくしてからの第一声。
「お客様にご案内申し上げます。開演の時間を過ぎておりますが、アーティストはまだ会場に到着しておりません。恐れ入りますがもうしばらくお待ちください。」
そして17:30ごろ
「開演時刻を大幅に過ぎておりますが、アーティストの到着が遅れております。開演の目処がつき次第改めてお知らせいたします。」(場内いたるところで苦笑)
更に17:40ごろ
「只今アーティストがホテルを出ました。」(場内大爆笑)
その約10分後
「只今アーティストが会場に到着いたしました。間もなく開演致します。」(場内拍手)
という訳で、やはり1時間くらい開演は遅れてしまったが、この待ち時間も、親切な場内アナウンスと寛大な客たちのおかげで、妙に楽しかったりする。勿論それだけ待つ価値のある人だからこそだけど。
いよいよ始まった。相変わらず音量が小さく、観衆の方も咳ひとつためらうくらいに静まり返っている。ひとつの音も聞き漏らすまいとしているかのように。そして1曲終わるごとに怒涛のような拍手。
5000人の観客がこれだけ一点に集中している緊張感は、普通なら重苦しく感じてしまうところだが、この人の場合はその緊張感すらも心地良く感じてしまうから不思議だ。
以前見たときよりも間奏が短くなり、1曲1曲が簡素化されている印象を受けたが、気のせいか? そして拍手が終わらないうちに次の曲が始まっている。一体何曲歌ったのだろう?
今日はジョビンの曲が出ないなぁと思っていたら、アンコールでは5曲くらい次々に歌われて、これにはさすがにビックリ。
結局2度のアンコールを含めて2時間あまり、おなじみのフリーズもなく(笑)歌い続け、丁寧にあいさつをしてステージを去っていった。
やっぱりこの人はスゴイと改めて思い知らされた。

という訳で、出勤した日もあったけれど、三連休満喫いたしました。
これから年末年始にかけて仕事的には最も忙しくなるんだけれど、イヴェントはまだまだ続きます。

 

2006年11月7日 記

 

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今思い出してもジョアン・ジルベルトの来日公演の際の開演前のアナウンスは傑作でした。これは3回目の(そして最後の)来日でしたが、この人の公演は初来日から毎回こんな感じで、ジョアンの大幅な遅延に文句を言うどころか笑って待ち続けたファンの人たちの大らかさも微笑ましかったなぁ。