アーカイヴス その17 横濱JAZZプロムナード 2006 | やせっぽちのヒロシのブログ

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音楽とお酒が大好きです。
趣味は国際交流?(笑)。

毎年秋の恒例行事となっている横濱JAZZプロムナードも毎回楽しませてもらっていますが、これは2006年の記録です。

 

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10/7横濱JAZZプロムナード1日目。

1. 金子晴美+吉岡秀晃トリオ@関内小ホール
思えばこの人の25年くらい前のデビュー・アルバムは、ボブ・ドロウが関わっていたので、ついつい買ってしまったのだったっけ。
ライヴを見たのは初めてだが、美しい英語の発音に、わかりやすい選曲、楽しいトークと、正にジャズ・ヴォーカルの王道といった感じ。オープニングを飾るには丁度いいかな?

2. フェイ・クラーセン「ベイカー/マリガン」バンド@関内大ホール
オランダ・ショウケースの第一弾は最近チェット・ベイカーのトリビュート・アルバムを出した女性ヴォーカリスト。スキャットの曲が多かったけれど、技巧に偏らず、温かみのある歌い方だった。
ハスキーな歌声にも艶があって、魅せられました。
終演後サイン会があったので行ってみると、またまた会ってしまった。例の筋金入りのライヴ・マニアM氏に!


3. ルイス・ヴァン・ダイク@関内大ホール
アン・バートンの初期のアルバムでピアノを弾いた人くらいの認識しかなかったが、実際ヨーロッパでは結構大物らしい。
MC用のマイクがセットされておらず、1曲目の後、いきなりクセのある英語で「マイクがなくても、私の言うことは皆さんに伝わると思いますが....」なんてノーマイクでしゃべり出し、スタッフを大慌てさせるなど、ユーモアのある人で、モーツァルトの「トルコ行進曲」を早弾きするかと思えば、ビートルズの「ブラックバード」が出たり、選曲も面白かった。

4. 外山喜雄とデキシーセインツ@横浜メディア・ビジネスセンター
個人的なことだが、父と同世代の昨年亡くなった職場の仲間Iさんを偲ぶつもりで、彼の大好きだったディキシーランド・ジャズを見ようと思って、見ることにした。
曲は勿論有名曲のオンパレードで、例のパラソルを使った練り歩きも観客参加で盛り上がる。
MCでさかんに彼の地の現状(ハリケーン:カトリーナによる被害)を訴えていたが、それは使命感を持って行なっているようだった。

5. バッファロー古川のブルース・ショー@リトルジョン
ルイス・ヴァン・ダイクを見て表に出たら、偶然、知り合いのシンガー富田礼子さんに会った。今年はパンフに名前が載っていないので出ないのかと思っていたら、いつものセッションに参加すると言う。「行けたら行く」と返事したが実はその時間は鈴木勲&OMAを見るつもりだった。しかし、そのライヴハウスへ行ってみると、すでに満席で、入り口付近のロクにステージも見えないところでの立ち見になってしまうとのことで諦め、結局そのセッションを見ることにした。しかし場内のタバコの煙にむせてしまい耐えられず、礼子さんのパートだけ見て、結局出てしまった。彼女はジャズとR&Bのスタンダードを歌っていたが、やはりバンドのカラーもあってかR&B系の歌の方がしっくり来る。

6. 小林洋子&鈴木徹大@ル・タン・ペルデュ
いつもは2日間の締めで行く店だけど、リトルジョンから近いこともあり、つい寄ってしまった。
丁度3ステージめが始まるところで、ピアノとギターのデュオでシットリと....。
いつもここで聴くような、酒場の音楽とはちょっと毛色が違ったが、たまにはこうした締め方で一日目を終えるのもいいか。

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10/8横濱JAZZプロムナード2日目

 

朝8時に起きる。ベランダに出ると外は快晴、風が強く、空気が澄んでいるせいか、遠く富士山もハッキリ見える。デジカメで撮ってみたら、ズームにしたショットは前日の初冠雪まで写っていた。

1. 赤坂由香里グループ@関内小ホール
本当は横浜赤レンガへMAYAを観に行こうかと思ったのだが、その後の移動が大変そうなので、何となく名前は知っていたけれど、見たことがないこの人を見ることにした。
ピアノの弾き語りでベース、サックス、ドラムスをバックに、スタンダードとミニー・リパートンやスティングの曲などを交えて歌う、言わばアクースティック・フュージョンみたいなサウンドだったけれど、ほとんどウラ声で歌っているような歌声には残念ながら魅力を感じなかった。

2. マティアス・スベンソン&椎名豊+広瀬潤次@横浜開港記念館
プログラムではこのスウェーデンのベース奏者がメインに書かれていたが、実際はピアノの椎名とドラムスの広瀬のユニットにスベンソンがゲスト参加したもの。
いきなりミンガスの曲でのド派手なピアノ演奏にド肝を抜かれた。
全体的にかなり緊張感あるセッションで、聴き応えがあり、この日のベストだったかも。

3. 光井章夫と仲間たち@情文ホール
一流ビッグバンド出身のトランペッターで芝居もやる人らしい。
有名曲をサッチモのように歌とトランペットで聞かせるが、なるほど、横浜のオシャレな空間を浅草の演芸場に変えてしまうような雰囲気を持っていて、ある意味楽しいのだけれど、あまりにベタ過ぎるような気も.....。多分若い人には受けないだろうなぁ。

セットチェンジの合間にビルの窓から外を見ると、夕陽に染まる空に東京よりも大きく見える富士山のシルエット。これもカメラで撮ってしまった。
またこの建物のある通りはイチョウの木が連なっていて、熟した銀杏の実が路上に落ちて踏み潰されたためか、匂いが強烈。

4. 鈴木勲&OMA@情文ホール
これも本来は昨日みて、この日は板橋文夫を見ようと思っていたのだけれど、先に述べた事情でこれを見ることにした。
若手のミュージシャンを集め、相変わらず年齢を感じさせないアグレッシヴな演奏で、正直本人が自負しているほど新しい音楽をやっている訳ではないが、ウッドベースでこれだけファンキーなグルーヴを感じさせる演奏は凄いと思う。でも今回はスタンダードが多すぎかな?



5. 高田ひろ子トリオ@横浜メディア・ビジネスセンター
これも板橋を見なかったことで急遽行ったもの。何故これにしたかと言えば、単純にパンフに載っていたこの人の写真が、素敵なメガネのおねえさま風だったので(笑)。
同じピアノ・トリオでも、先に見た椎名とは違い、演奏も本人の容姿そのままの清楚な印象。

6. 田村英果トリオ@ル・タン・ペルデュ
今回は友人K氏との待ち合わせもあったが、毎年、プロムナードの締めは、ここでベルギー・ビールを飲みながら、この人のジャズ・スタンダードを聴くのが定番になってしまった。
今回も、店に入った途端、丁度歌の合間だったこともあり、「アラ、1年振りですね」なんて言われる始末(苦笑)。
スウィンギーなベース、山口友生のセンスのいいギターの調べにのって、女性としてはやや低い声のヴォーカルで歌われるスタンダードの数々は、店の雰囲気にも合っていて、妙に気持ちいい。


清水翠など出番を終えたミュージシャンも続々遊びにきていた。
昨年から気になっていたビール「ギロチン」も飲むことができたし、今回も最後までたっぷり楽しむことができました。

この横濱JAZZプロムナードは、何年か前にスタッフで内紛のようなものがあったらしく、発起人でもあったエアジンのマスターが降りてしまい、以来、かつてはプロムナードの常連だった渋さ知らズをはじめとした、マスターを慕う主にフリー・ジャズ系のミュージシャンたちによる「横濱インプロ音楽祭」という催しが、同じ横浜で、それも同時期に開催されている。
どちらも見たいという人は僕だけではないはずなので、その辺、もうちょっと見る側に配慮した開催日を両者で話し合って決めてほしいものだけど、ムリなのかなぁ?
それとも見る側に選択させている?
出演者の方では、うまくスケジュールを調整して両方に参加している人もいたけれど、それも両者に義理があったりするから苦肉の策なのかもしれない。
ちなみにプロムナードの方では、渋さ知らズの最後の出演となった2002年のライヴ・ビデオを今も各会場で販売している。ちゃっかりしてるね。

 

2006年10月12日 記

 

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コロナ禍以降は通常開催が出来なくなっていますが、今年こそはかつてのようにどのプログラムを観ようか迷いながら横浜の街を歩き回りたいものです。