4月に観た映画 その2 | やせっぽちのヒロシのブログ

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4月後半に観た映画です。

 

中国・南京在住でインフルエンサーとして活躍しながら、同国のリアルな社会や文化を捉えたドキュメンタリー作品を手がける日本人監督の竹内亮が、大河・長江を題材に撮りあげたドキュメンタリー。
広大な中国大陸を横断するアジア最大の大河・長江。竹内監督は10年前にNHKの番組で長江を撮影した際、北極・南極に次ぐ「地球第3の極地」と呼ばれるチベット高原にある「長江源流の最初の一滴」を撮影できなかったことを後悔していた。その後、日本から中国南京市に移住した竹内監督は、2021年から2年をかけて長江6300キロをたどる旅に出る。道中で10年前に撮影した友人たちと再会しながら、長江を通して中国の10年の変化を見つめ、今度こそ「最初の一滴」を記録するべく源流を目指す。
ナレーションを小島瑠璃子が担当。「劇場版 再会長江」は、日本では2023年5月に開催された「竹内亮ドキュメンタリーウィーク」で上映されたものに再編集を施した、新たなバージョンとなっている。(以上、映画ドットコムより)

 

☆別に予告編を観たわけでもなく、またこの竹内亮監督についてもこれまで全く名前すら存じ上げず、ただ映画館でチラシをもらって以来何となく気になっていて観ることにした次第でしたが、観に行って正解でした。

上海からチベットへ長江(揚子江)を徐々に上流へと向かい、10年前に取材した流域の人たちとの再会を果たしながら、それぞれの人たちの価値観や環境の変化を監督自身の目で確認し、目的地へ近づいていくのですが、壮大な中国の大自然を大きなスクリーンで追っていくだけでもその美しさと迫力に圧倒されるのに、そこに再会した人たちとのやりとりが感慨深く、また10年前にはあった言葉の壁が自身の中国語の上達で通訳なしで直接コミュニケーションを取れるようになったという監督の向上心も素晴らしいです。

そして後半で大きく時間を割かれるシャングリラのツームーの逞しく成長した姿の中にある純粋さにも心を打たれました。

上映終了後には20分余り監督のトークと会場での質疑応答がありましたが、これもありがちな挨拶や裏話程度で終わるものではなく、監督の中国への想いや日本のメディアへの疑問、ドキュメンタリーを撮り続けることへのこだわりなど、この映画にある背景を理解する上でとても有意義なもので、改めてこの監督の別の作品も観たくなりました。

 

まずはYouTubeのチャンネルも登録しておきます。

 

 

 

通称「尼ロック」と呼ばれる「尼崎閘門(こうもん)」によって水害から守られている兵庫県尼崎市を舞台に、年齢も価値観もバラバラな家族が、さまざまな現実に立ち向かうなかで次第にひとつになっていく姿を描いた人生喜劇。
理不尽なリストラにより尼崎の実家に戻ってきた39歳の近松優子は、定職に就くことなくニートのような毎日を送っていた。ある日、「人生に起こることはなんでも楽しまな」が信条の能天気な父が再婚相手として20歳の早希を連れてくる。ごく平凡な家族だんらんを夢見る早希と、自分より年下の母の登場に戸惑いを見せる優子。ちぐはぐな2人の共同生活はまったく噛み合うことがなかったが、ある悲劇が近松家を襲ったことをきっかけに、優子は家族の本当の姿に気づいていく。
優子役を江口のりこ、早希役を中条あやみがそれぞれ務め、「尼ロック」のごとく家族を守る存在であり自由でロックな生き方をしている父を、笑福亭鶴瓶が演じた。監督は「よしもと新喜劇映画 女子高生探偵 あいちゃん」の中村和宏 。(以上、映画ドットコムより)
 
☆「尼ロック」という存在は全く知りませんでしたが、近くの川にもこうした水門はよく見かけるので、今度近くへ行った際にはちょっと見てみようかという気になりました。
予告編を数回観たくらいでほとんど予備知識無しで観ていたので、まさかの「ある悲劇」には驚かされたものの、本題はむしろそこからだったのですね。ある意味最近国際的に流行りのシスターフッド的な香りもします。
優子を演じた江口のりこは、以前ちょっと変態じみた作品を観たことがあり色物っぽいイメージを持っていましたが、今回の映画を観て結構味のある演技をする人であることに今更ながら気づかされました。
 

19世紀イタリアで、カトリック教会が権力の強化のために7歳になる少年エドガルド・モルターラを両親のもとから連れ去り、世界で論争を巻き起こした史実をもとに描いたドラマ。
1858年、ボローニャのユダヤ人街に暮らすモルターラ家に、時の教皇ピウス9世の命を受けた兵士たちが押し入り、何者かにカトリックの洗礼を受けたとされるモルターラ家の7歳になる息子エドガルドを連れ去ってしまう。教会の法に則れば、洗礼を受けたエドガルドをキリスト教徒でない両親が育てることはできないからだ。息子を取り戻そうとする奮闘する両親は、世論や国際的なユダヤ人社会の支えも得るが、教会とローマ教皇は揺らぎつつある権力を強化するために、エドガルドの返還に決して応じようとはせず……。
監督・脚本は、「甘き人生」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」「シチリアーノ 裏切りの美学」などで知られるイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ。教皇ピウス9世役はベロッキオ監督の「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」にも出演したパオロ・ピエロボン。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。(以上、映画ドットコムより)

 

☆苦手な宗教モノです。

史実を基に作られた映画とのことですが、本人が幼く自覚が無くとも洗礼を受けたという事実から実の親子が引き裂かれるという教会による実質上の誘拐でありながら、両親には為すすべもないという理不尽な在り方には胸が締め付けられる思いでした。そしてそんな中で成長していくにつれて変化していくエドガルド自身の姿もまたやるせません。それが単に洗脳によるものなのか、日々教え込まれる教義の元で彼自身が考えを改めていくものなのか、よくはわかりませんが、教皇の絶対的な権力にひれ伏す姿、母親の臨終に際しての彼の態度には唖然とさせられます。

カトリック教会が絶対的な権力を持っていた時代の中で、どれだけこうした悲劇があったのかわかりませんが、今も一部の宗教ではそれに近いことがあるようにも思われますし、そんな環境からはかけ離れたところで育った自分の幸運に感謝したいものです。

 

 

「ドライブ・マイ・カー」でアカデミー国際長編映画賞、カンヌ国際映画祭脚本賞、「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞するなど国際的に高く評価される濱口竜介監督が、カンヌ、ベルリンと並ぶ世界3大映画祭のひとつであるベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)受賞を果たした長編作品。「ドライブ・マイ・カー」でもタッグを組んだ音楽家・シンガーソングライターの石橋英子と濱口監督による共同企画として誕生した。
自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京からも近いため近年移住者が増加傾向にあり、ごく緩やかに発展している。代々その地に暮らす巧は、娘の花とともに自然のサイクルに合わせた慎ましい生活を送っているが、ある時、家の近くでグランピング場の設営計画が持ち上がる。それは、コロナ禍のあおりで経営難に陥った芸能事務所が、政府からの補助金を得て計画したものだった。しかし、彼らが町の水源に汚水を流そうとしていることがわかったことから町内に動揺が広がり、巧たちの静かな生活にも思わぬ余波が及ぶことになる。
石橋がライブパフォーマンスのための映像を濱口監督に依頼したことから、プロジェクトがスタート。その音楽ライブ用の映像を制作する過程で、1本の長編映画としての本作も誕生した。2023年・第80回ベネチア国際映画祭では銀獅子賞(審査員大賞)を受賞したほか、映画祭本体とは別機関から授与される国際批評家連盟賞、映画企業特別賞、人・職場・環境賞の3つの独立賞も受賞した。(以上、映画ドットコムより)

 

☆冒頭のシーンがあまりにも淡々としていて、そこからどう展開するのか興味深くはあったものの、映像としての美しさを感じつつも、かなり退屈でもありました。グランピング場の建設に関する説明会における会社側と住民側のやり取りにはかなりリアリティを感じましたし、説明する会社側の男女二人の立ち位置もかなり丁寧に設定されてはいましたが、その男性に関してはちょっと単純過ぎるようにも感じられました。ただ、個人的には「グランピング」なんて言葉もそれまで知りませんでしたし、そうした施設の需要に関しても全く考えたこともありませんでしたので、日本各地でこうした地元住民と企業側との軋轢があるのだろうかと思うと何ともやるせないものを感じます。

それにしても衝撃のラストシーンは私には全く理解出来ず、なんでこんな終わらせ方をしたのか気になって仕方ありません。

 

2014年の「GODZILLA ゴジラ」から始まったハリウッド版「ゴジラ」シリーズと「キングコング:髑髏島の巨神」の世界観をクロスオーバーさせた「モンスターバース」シリーズの通算5作目。
怪獣と人類が共生する世界。未確認生物特務機関「モナーク」が異常なシグナルを察知したことを発端に、ゴジラが君臨する地上世界とコングが生きる地底世界の2つのテリトリーが交錯し、ゴジラとコングが激突する。しかし、その先には人類にとってさらなる未知の脅威が待ち受けており、怪獣たちの歴史と起源、さらには人類の存在そのものの謎に迫る新たな冒険が繰り広げられる。
監督は、前作「ゴジラvsコング」でもメガホンをとったアダム・ウィンガード。出演は、こちらも「ゴジラvsコング」から続投となるレベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ケイリー・ホトルのほか、「美女と野獣」のダン・スティーブンス、「シャン・チー テン・リングスの伝説」のファラ・チェンらが顔をそろえる。(以上、映画ドットコムより)

 

☆一時は本家よりも「ゴジラ愛」を感じたこともありましたが、作品を重ねるごとにお子様向けになってきてしまうのは昭和のゴジラと一緒かもしれません。もっとも今回はゴジラは添え物に過ぎず、主役はコングであり、コング版ミニラまで登場しますし、コングを中心にストーリーが進みます。ゴジラとコングとのバトルは申し訳程度で、モスラの仲裁の元、すぐに両者にとって共通の敵である怪獣に立ち向かうというのがあまりにも分かりやす過ぎて、三つ巴・四つ巴的な展開には昭和のプロレスをも思い起こさせますが、さやたらとお金と人材を使って一時も目を離させないのは流石ハリウッドという感じでした。

日本のゴジラとハリウッド版GODZILLAとではあまりにもタイプが違うし比較するのは無意味かもしれませんが、ただひとつ言えるのは、ゴジラはやはり伊福部昭さんのテーマ音楽に乗ってノッシノッシと歩いて迫ってくるところに威厳と威圧感を感じるのであり、この映画のようにコングと共に走ってくる姿はどうにもいただけないですよね。

 

廃部寸前の高校バスケットボール部の新任コーチがわずか6人の選手とともに全国大会を目指す姿を、2012年に韓国を熱狂させた実話を基に映画化した青春スポーツドラマ。
元バスケットボール選手の公益勤務要員カン・ヤンヒョンは、釜山中央高校バスケットボール部のコーチに就任する。しかし全国大会初戦の対戦相手は高校バスケットボール最強の龍山高校で、チームワークが乱れた中央高は惨敗してしまう。学校はバスケットボール部の廃部を議論するが、ヤンヒョンは再び選手たちを集め、たった6人の部員たちとともに全国大会を目指す。
「シークレット・ジョブ」のアン・ジェホンが10キロ増量してコーチ役を熱演し、部員役にはドラマ「愛の不時着」のイ・シニョン、アイドルグループ「2AM」のチョン・ジヌンらフレッシュな顔ぶれが集結。「記憶の夜」のチャン・ハンジュンが監督を務め、「工作 黒金星と呼ばれた男」のクォン・ソンフィとドラマ「シグナル」のキム・ウニが脚本を担当。(以上、映画ドットコムより)


☆これも予告編を観て急遽観ることにした作品。実話を基にしたということですが、中身は日本にも1960年代からよくテレビドラマなどである学園スポ根モノといった趣であるものの、おそらく日本で作れば(たとえ実話からかけ離れてしまってでも)生徒か若いコーチにロマンスのエピソードを添えるところでしょうけれども、ここでは全くそうした展開が無いばかりか、そもそも若い女の子が全く出てこないので絡みようがなく、それが新鮮でもあり、ある意味潔さすらも感じました。

あくまでも個人の感想としては、ヤンヒョンを演じた俳優は六角精児を若くしたようなイメージでしたし、バスケットボールの試合の中継での解説者は柔道の山下泰裕みたいで、観ながら笑ってしまいました。

 

韓国の4人組ガールズグループ「aespa(エスパ)」が2023年に開催したワールドツアー「aespa LIVE TOUR 2023 'SYNK : HYPER LINE'」から、イギリス・ロンドンのO2アリーナで行われた公演の模様を収録したコンサートフィルム。
「東方神起」「少女時代」「EXO」「Red Velvet」など数々の人気グループを生み出してきたSMエンタテインメント所属のアーティストとして2020年にデビューしたaespa。デビュー曲「Black Mamba」のミュージックビデオが歴代K-POPグループのデビュー曲の中でも最短で再生回数1億回を突破するなど、デビュー当初から注目を集め、多彩な活動が期待される彼女たちが、2023年に全世界21都市をまわる自身初のワールドツアー「aespa LIVE TOUR 2023 'SYNK : HYPER LINE'」を開催した。
本作は、同ツアーの中から、世界的にも有名なコンサート会場であるロンドンのO2アリーナで行われた公演を収録。aespaの卓越したパフォーマンスを14台のシネマティックカメラで克明に捉えたステージ映像のほか、メンバー4人それぞれのソロステージや舞台裏のインタビューなども収められている。(以上、映画ドットコムより)

 

☆このところやたらと韓流映画の面白い作品を観ていましたが、ならば今度はK-POPのアイドル映画でも観てみようかという気になって、たまたまこのグループの映画が上映中だったこともあり、観ることにしました。

10年くらい前まではK-POPを見下していて、所詮J-POPの猿真似だと公言もしていましたし、それらのCDがタワレコなどで「ワールド・ミュージック」のコーナーに置かれていたことに腹を立てていたものでしたが、現在はBTSやBlack Pinkの活躍をはじめ、もはや完全にJ-POPとは逆転してしまいましたね。歌やダンスも完璧で魅せられました。

メンバーそれぞれの中にある向上心やファンへの思いも自身の言葉でしっかり語られますが、あらゆる意味でプロフェッショナルです。

 

 

山崎貴監督が手がけた「ゴジラ-1.0」のモノクロ映像版。タイトルの読みは「ゴジラマイナスワン/マイナスカラー」。
特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」の生誕70周年記念作品であり、日本製作の実写版ゴジラ映画として通算30作目となる節目の作品として生み出された「ゴジラ-1.0」。2023年11月に公開された日本はもとより、同年12月にはアメリカでも公開され、全米歴代邦画実写作品の興行収入1位を記録するなど大ヒットを記録した同作の映像をモノクロ化。山崎監督が目指した「怖いゴジラ」の原点ともいえる1954年の第1作「ゴジラ」を彷彿させる世界観を体感することができる。
戦後の日本。戦争によってすべてを失い、文字通り「無(ゼロ)」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現し、その圧倒的な力で日本を「負(マイナス)」へと叩き落とす。戦争から生きて帰ってきたが、両親を失い孤独の身になった青年・敷島は、焼け野原となった東京で、赤ん坊を抱えた若い女性・典子と運命的な出会いを果たす。彼ら戦争を生き延びた名もなき人々が、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていく。(以上、映画ドットコムより)

 

☆カラーで撮られた作品をあえて白黒で上映するという発想にはちょっと意表を突かれた感じがしましたが、実際に観た人たちからの評価が意外に高かったこともあり、遅まきながら観ることにしました。

モノクロにしたことで全体的にトーンが暗くなり、その分恐怖感や迫力も増しましたように思います。

ただ、2回目となると、やはりストーリーというか脚本に関してのアラも色々見えてきてしまい、その辺はもう少し吟味して欲しかったところですし、誰とは言いませんが役者の個性も時に邪魔に思えるように感じるところもあったりして...。

そしてハリウッド版のところでも少し書きましたが、たまたま両者をほとんど間を置かずに観たことで、やはり本家とハリウッド版との違いも徐々に出て来ているように感じました。