アーカイヴス その1 The Manhattans @Cotton Club, 2006年1月 | やせっぽちのヒロシのブログ

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趣味は国際交流?(笑)。

思うところあって、昔某SNSで書いていた記事(主にライヴのことなど)を改めてこちらにアーカイヴスとして残すことにしました。

第一弾は2006年のThe Manhattansの来日公演です。

 

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思えば17~8年前だったか、今はなき新宿のディスコ、ツバキハウスで、Gerald Alston脱退直前の彼らのライヴを見たことがあり、お立ち台のようなところで歌う彼らをギュウギュウに詰め込まれたスタンディングで見るという環境は、まるでテレビの「SOUL TRAIN」みたいな気分でしたが、彼らのコーラスは素晴らしく、歌われる曲もこれでもかというくらいに名曲ばかりで、満喫したものでした。

Gerald脱退以後、グループは分裂し、結局今はいくつかの名門グループ同様、二つのManhattansが存在するらしいのですが、元々リーダーで魅惑の低音の語り口を聞かせるWinfred "Blue" Lavettと、70~80年代の数々のヒット曲でリード・ヴォーカルを務めたGeraldが復帰している以上、こちらが本家と断言してよいでしょう。

バックバンドのウォーミングアップなしで、1曲目から4人が登場。Blueが杖をついて歩いていたのは衝撃でしたが、まだまだ元気で、あの独特のロー・ヴォイスも健在。そして、何よりもSam Cooke フォロワーのGeraldは、喉の調子こそ良くなさそうでしたが、相変わらずの熱いリードで、「I'll Never Find Another」、「Wish That You Were Mine」、「Am I Losing You」休み無く次々に代表曲を歌っていきます。そしてコーラス・グループならではの古典的な振り付けもまた郷愁を誘い、もうこちらの涙腺は潤みっ放し。「There's No Me Without You」では、本当に泣きそうになりましたね。

懐メロに終始するかと思いきや、新作のアルバムからもしっかり1曲。それが、元TemptationsのAli Ollie Woodsonもソロ・アルバムで歌っていた「Turn Out The Stars」。数年前、日本公演を行なったAli Ollieはこの曲を歌ってくれなかったので、思わぬお年玉でした。
また、「Don't Take Your Love」では途中Bobby Womackの「If You Think You Are Lonley Now」をはさむし、Geraldだけで「A Change Is Gonna Come」を熱唱する場面もあるし、改めてGeraldのソウルシンガーとしての素晴らしさを実感。この辺はやはり一度ソロ・シンガーとしてのキャリアを経た成果だと思うのです。

最後はお約束の二大ヒット「Shining Star」と「Kiss And Say Goodbye」。ちなみに、彼らのホームページのアドレスは、もう一つのManhattansとの混合を避けるためか、www.kissandsaygoodbye.com ということ。ヒット曲のタイトルをそのままURLにしてしまうのが粋ですよね。

アンコールは、ほぼアカペラで(演奏は控えめにつく)「Georgia On My Mind」。
約1時間20分くらいだったかな? 名門ソウル・コーラス・グループのパフォーマンスをたっぷり楽しむことが出来て、新年初ライヴは大満足でした。

最近、アメリカ本国でも70年代のソウルがブームのようで、その手のDVDもいくつか出ていますが、そこに登場するグループのほとんどが、リード・シンガーが変わっていたり、ひどい場合には誰もオリジナル・メンバーがいなかったりなんてこともあり、がっかりさせられることが多いのですよ。
それを思えば、このManhattansは、グループの顔である二人が健在であることが救いであり、ファンの思い入れを充分に受け入れた熱いソウル・ショーを毎日(それも2ステージ)続けていることに頭が下がります。

ウーン、今年も早々から色々ありましたが、とりあえず今は幸せ。

 

2006年1月9日 記

 

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これを書いた後、SNSでの交流が一気に広がり、何人かリアルの友人も出来てしまいました。

The Manhattansはその後も頻繁に来日しその都度楽しませてくれましたが、リーダーのWinfred "Blue" Lavettは残念ながら2014年に亡くなってしまい、それでもグループとしての活動は続き2019年にも来日しています。