『鞆の浦の今2009年10月24日の新聞各誌』

訴訟の舞台に観光客＝インフラ未整備、渋滞も

　景観保護を理由に、広島地裁が埋め立て・架橋計画のストップを命じた広島県福山市の景勝地「鞆（とも）の浦」。「国民の財産」と判決が評した景観を見ようと、観光客が各地から訪れている。経済効果や知名度向上が期待される一方、インフラ未整備による道路渋滞などの問題も改めて浮かび上がった。
　地元バス会社によると、ＪＲ福山駅と鞆地区を結ぶ路線バスは１日の判決以降、週末の乗客数が最大１、２割増加した。市観光課によると、１０～１２日の連休には、周辺に４カ所ある駐車場（計約２００台収容）がほぼ満車となり、路上駐車が問題に。
　鞆の浦観光情報センター事務局長の片岡明彦さん（４６）は「静かで、歴史と文化が残る街と認めていただきたい」と観光客を歓迎しつつ、駐車場不足や道路事情などから「十分満足してもらえていないのではないか」と心配する。
　狭い道に不慣れな車が、民家のエアコンの室外機や植木鉢を壊すトラブルもあったという。
　計画は、鞆の浦の一部を埋め立て、バイパス道路や駐車場を設けるというもの。判決は交通状況を改善する必要性は認めたものの、反対派が主張する山側トンネル案でも混雑は相当程度解消される可能性があると指摘した。

＜時事通信＞

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鞆港埋め立て・架橋問題：鞆の浦訴訟　判決以降、鞆観光増えて渋滞

　◇福山市など対策協議
　福山市鞆町で、鞆港埋め立て免許差し止めを県に命じた広島地裁判決（１日）が大きく報じられて以降、休日に訪れる観光客が増加、交通渋滞などの問題が生じているとして、同市などは２３日、地元で会議を開き、現状や対策について意見交換した。
　市や県、福山西署の各担当者と、住民代表として大浜憲司・鞆町内会連絡協議会長の計１４人が出席した。
　市によると、市鞆の浦歴史民俗資料館では今月の３連休（１０～１２日）の入館者数が前年同月の３連休と比べて増加。いろは丸展示館では４日、１日当たりの入館者数が過去最高の約５５０人に達した。
　福山西署によると、町内の県道で違法駐車が増え渋滞も発生し、路線バスが終点まで行けず引き返したこともあったという。大浜会長は「家の前に（観光客の）車があって外に出られなかったという話もあり、住民生活に支障が起きてるのは事実だ」と話した。
　出席者からは対策として、ホームページでの公共交通機関利用の呼びかけ▽交通誘導の徹底▽駐車場の十分な確保や案内標識の配置－などの意見が出た。今後も継続的に会議を開き、具体策について協議する方針。

＜毎日新聞10月24日＞

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