⑫ 方程式を関数で | 学力の創造と向上 高校・大学受験は通過点

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学力の創造と向上において
何が必要か・何が障害になるのか
などについて考えます
  さらに、必要なものをいろいろ提供してゆきます 

        ⑫ 方程式を関数で

 ○ 問い Ⅱ
 次の (1) と (2) の a , b , c の条件式について、その
導出過程を書いてください。

 (1) 
2次方程式 a x ² + b x + c = 0 の解が、 2つで 正と負のときの
                                 条件式は  a c < 0  である。

 (2) a x ² + b x + c = 0  ( a ≠ 0 ) の解が、 2つで ともに負のときの
                   条件式は  a c > 0 かつ b² - 4ac  0 かつ -b/2a < 0  である。


(1) 2次方程式
 a x ² + b x + c = 0 の解が、 2つで 正と負である
    とは、
   2次関数
 y = a x ² + b x + c が、x 軸と 正と負の領域 2点で交わり、
   その2つの共有点の x 座標が、2次方程式の解である
    ということである

  よって、
   2次関数 y = a x ² + b x + c が、x 軸と 正と負の領域 2点で交わる
   ときの条件を求めればよい。

 y = 
a x ² + b x + c
 y = a ( x + b/2a)² - (b² - 4ac) / 4a ・ ・ ・ ① とおく


ⅰ) 向きが下に凸 すなわち a > 0 のとき、
    ①が、
x 軸と 正と負の領域 2点で交わるためには、
      b²-4ac > 0 であり、 c < 0 でなければならない。
      軸の位置について考えると、軸の値 -b/2a についての条件はなし。
                                    ( -b/2a は 任意の実数 である )
  以上より、 
a > 0 , b²-4ac > 0 , c < 0

                   これは、『 ⑧ グラフ 』 『 ⑨ x 軸との交わり方 』 
                   「 
問いⅠ を解くための 問い (ⅰ) 」 の
                   状況② から 状況⑤までの間の状況である。 ( ただし、状況②と状況⑤を除く )


ⅱ) 向きが上に凸 すなわち a < 0 のとき、
    ①が、
x 軸と 正と負の領域 2点で交わるためには、
      b²-4ac > 0 であり、 c > 0 でなければならない。
      軸の位置について考えると、軸の値 -b/2a についての条件はなし。
                                    ( -b/2a は 任意の実数 である )
  以上より、 a < 0 , b²-4ac > 0 , c > 0

ⅰ) , ⅱ) より、
   a c < 0
 , b²-4ac > 0

  ところが
      a c < 0

    -4ac > 0
  であり、
       b² ≧ 0

   b²-4ac ≧ 0-4ac > 0
   b²-4ac > 0
  となる。

 つまり、
  a c < 0 
 
b²-4ac > 0     ( a c < 0 ならば b²-4ac > 0 )
 が成り立つ。

 ゆえに
 求める条件式は、 
a c < 0  である。


(2)
 a x ² + b x + c = 0  ( a ≠ 0 ) ・・・② の解が、 2つで ともに負である
    とは、
  
 y =
 a x ² + b x + c  ( a ≠ 0 ) ・・・③ が、x 軸の負の領域と 2点で交わり、
   その2つの共有点の x 座標が、② 
の解である
    ということである

  よって、
   ③ 
が、x 軸の負の領域と 2点で交わる
   ときの条件を求めればよい。

 ③より、

 y = a ( x + b/2a)² - (b² - 4ac) / 4a ・ ・ ・ ④

ⅰ) 向きが下に凸 すなわち a > 0 のとき、
    ④が、
x 軸の負の領域と 2点で交わるためには、
      b²-4ac > 0 であり、 -b/2a < 0 であり、 c > 0 でなければならない。
  以上より、 
a > 0 , b²-4ac > 0 , -b/2a < 0 , c > 0

                        これは、『 ⑧ グラフ 』 『 ⑨ x 軸との交わり方 』
                        「 問いⅠ を解くための 問い (ⅰ) 」 の
                        状況① である。


ⅱ) 向きが上に凸 すなわち a < 0 のとき、
    ④が、
x 軸の負の領域と 2点で交わるためには、
      b²-4ac > 0 であり、 -b/2a < 0 であり、 c < 0 でなければならない。
  以上より、 
a < 0 , b²-4ac > 0 , -b/2a < 0 , c < 0

ⅰ) , ⅱ) より、
 求める条件式は
  a c > 0
 , b²-4ac > 0 , -b/2a < 0  である。

2次
関数を使って、2次方程式の問題を解きました。
次の問いを2次関数を使わず、2次方程式として解いてください。


○ 問い Ⅱ 改
 次の (1) と (2) の a , b , c の条件式について、その
導出過程を書いてください
 ただし、2次関数は利用しないこと。

 (1) 
2次方程式 a x ² + b x + c = 0 の解が、 2つで 正と負のときの
                                 条件式は  a c < 0  である。

 (2) a x ² + b x + c = 0  ( a ≠ 0 ) の解が、 2つで ともに負のときの
                   条件式は  a c > 0 かつ b² - 4ac  0 かつ -b/2a < 0  である。


次回  ⑬ 方程式として 
 につづきます。