○ 問い Ⅱ 改
次の (1) と (2) の a , b , c の条件式について、その導出過程を書いてください。
ただし、2次関数は利用しないこと。
(1) 2次方程式 a x ² + b x + c = 0 の解が、 2つで 正と負のときの
条件式は a c < 0 である。
(2) a x ² + b x + c = 0 ( a ≠ 0 ) の解が、 2つで ともに負のときの
条件式は a c > 0 かつ b² - 4ac > 0 かつ -b/2a < 0 である。
【 国公立大2次試験レベルで、合格が困難になる解答例 】
(1) 2次方程式 a x ² + b x + c = 0 に解の公式を使うと、
x = { -b ±√(b² - 4ac) } / 2a
これが、正と負だから、
{ -b -√(b² - 4ac) } / 2a < 0
{ -b +√(b² - 4ac) } / 2a > 0
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ?
( と不完全な解答で終了。決して条件式 a c < 0 にはたどり着けない。)
「 2次方程式を解く 」 ならば 「 解の公式 」 と中3のとき、反復させられたためか、
それが習慣化した。
高校生になって、「 判別式 」 や 「 解と係数の関係 」を習い、
この習慣が相対化されればいいのだが、
生徒の中には、さらに、強化され 改められず
大学入試で2次方程式の問題が出題されると、反射的に 解の公式 を使ってしまうものがいます。
その結果、合格困難な解答を作成してまう。
高校数学で公式を導かずに覚えている生徒の中には、
ワンパターンでしか反応できず、
大学入試で、公式を適切に使えない生徒に成長するものもいます。
(1) 2次方程式 a x ² + b x + c = 0 ・ ・ ・ ① とおく。
①の2つの解を、α , β ( α<β ) とすると、
①の2つの解は、正と負だから、
α < 0 , 0 < β ・ ・ ・ ② である。
解と係数の関係より、
α+β = - b / a
αβ = c / a
②より、
αβ = c / a < 0 ・ ・ ・ ③
となるが、
α+β = - b / a は、正にも 0 にも 負にもなるから、任意の実数である。
( どんな実数だっていい )
よって、- b / a についての条件はない。
また、①は異なる2つの実数解をもつので、その判別式を D とすると、
D = b ² - 4 a c > 0 ・ ・ ・ ④
③,④ より、 c / a < 0 , b ² - 4 a c > 0 となる。
ところが
③より、
c / a < 0
⇔ a c < 0 [ 両辺を a ² 倍した ]
⇔ - 4 a c > 0
⇔ b² - 4 a c > 0 + b² (≧ 0)
⇒ b² - 4 a c > 0 [ ∵ 実数の2乗は 0 以上 ]
ゆえに、 a c < 0 ⇒ b² - 4 a c > 0 が成り立つ。
以上より、
2次方程式 a x ² + b x + c = 0 の解が、 2つで 正と負のときの
条件式は a c < 0 である。
(2) a x ² + b x + c = 0 ( a ≠ 0 ) ・ ・ ・ ⑤ とおく。
⑤の2つの解を、γ , δ ( γ<δ ) とすると、
⑤の2つの解は、ともに負だから、
γ < 0 , δ < 0 ・ ・ ・ ⑥ である。
解と係数の関係より、
γ+δ = - b / a
γδ = c / a
⑥より、
γ+δ = - b / a < 0 ・ ・ ・ ⑦
γδ = c / a > 0 ・ ・ ・ ⑧
⑦より、 - b / a < 0
- b / 2a < 0 ・ ・ ・ ⑦’
⑧より、 c / a > 0
a c > 0 ・ ・ ・ ⑧’
また、⑤は異なる2つの実数解をもつので、その判別式を D とすると、
D = b ² - 4 a c > 0 ・ ・ ・ ⑨
⑦’, ⑧’, ⑨ より、
a x ² + b x + c = 0 ( a ≠ 0 ) の解が、 2つで ともに負のときの
条件式は a c > 0 , b ² - 4 a c > 0 , - b / 2a < 0 である。
以上、「 解の公式 」 を使わず、
「 解と係数の関係 」 と 「 判別式 」 を使って解いた。
○ 次の [ ] に、適切な語句や式などを入れてください。
2次関数は、5つの観点
・ [ ]
・ [ ]の位置
・ 頂点の位置
・ x 軸との[ ]のあるなし と その数 と その位置
・ y 軸との[ ]の位置
すなわち 5つの道具を使うのに対して、
2次方程式は、
「 解の公式 」 と
その 一部である 「 [ ] 」 と
それ から 導ける 「 [ ] 」
の3つの道具を使う。
2次方程式 a x ² + b x + c = 0 と 2次関数 y = a x ² + b x + c の関係を考えると、
「 解の公式 」 と関係あるのは、 x 軸との共有点の [ ] 座標を求めること。
「 判別式 」 と関係あるのは、 頂点の [ ] 座標であり、すなわち x 軸との共有点の数の判別。
「 解と係数の関係 」の 解の [ ] と関係あるのは、 向き と y 軸との交点の y 座標。
「 解と係数の関係 」の 解の [ ] と関係あるのは、 軸の値。