㉙ 『 袋の中から 11 』 | 学力の創造と向上 高校・大学受験は通過点

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学力の創造と向上において
何が必要か・何が障害になるのか
などについて考えます
  さらに、必要なものをいろいろ提供してゆきます 

        ㉙ 『 袋の中から 11 』

 ○ 袋の中に、赤玉1個、青玉1個、緑玉1個の合計3個の玉が入っている。
   袋から玉を1個取り出し、色を確認して、その玉を袋の中に戻す。これを5回繰り返す。
   同じ大きさの正方形が次のように並んでいる。

     
□□□□□
   これら5つの正方形に、左側から順に1回目、2回目、3回目、4回目、5回目の玉の色を塗る。
   このとき、次の各問いに答えてください。
   ただし、玉の色は袋から取り出すまでわからないものとする。

   (1) 5つの正方形が、すべて赤色に塗られる確率は、 ?
   (2) 
5つの正方形のうち、4つが赤色に塗られる確率は、 ?
   (3) 
5つの正方形のうち、3つが赤色に塗られる確率は、 ?
   (4) 
5つの正方形のうち、2つが赤色に塗られる確率は、 ?
   (5)
 5つの正方形のうち、1つが赤色に塗られる確率は、 ?
   (6) 5つの正方形に、赤色が全く塗られない確率は、 ?

   
(7) 隣り合う正方形どうしが、異なる色に塗られる確率は、 ?
   (8) 5つの正方形のうち少なくとも2つは青色に塗られる確率は、 ?
   (9) 左右対称に塗られる確率は、 ?
  (10) 
隣り合う正方形どうしが、異なる色に塗られ、かつ 左右対称に塗られる確率は、 ?
  (11) 赤1つ、青2つ、緑2つ塗られる確率は、 


 (1) ■■■■■ (赤、赤、赤、赤、赤) と塗られるから、 ( 1/3 ) より、求める確率は、 1 / 243  である。

 (2)
 ■■■■ (赤、赤、赤、赤) と並んでいるところに、 ( 青 か 緑 ) を入れればよい
           
          ↑ ↑ ↑ ↑  
    青 か 緑を入れる所は、5つある。
    よって、 ( 1/3 ) × 2 × 5 より、求める確率は、 10 / 243  である。

 (3) ■■■ (赤、赤、赤) と並んでいるところに、
   2つひとまとめにして
    ■■ か ■ か ■ か ■■ ( 青青 か 青緑 か 緑青 か 緑緑 ) を入れればよい

   また、2つ別々に
    ■■ か  か  ( 青と青 か 青と緑 か 緑と緑 ) を入れればよい

   2つひとまとめのとき、入れるところは、4つあるから、4×4 通り。
   2つ別々のとき、青と青、緑と緑 ならば、₄C₂×2 通り、 青と緑 ならば、4×3 通り。
   よって、
 ( 1/3 ) × ( 16 + 12 + 12 ) より、求める確率は、 40 / 243  である。


  (4) 青が3つ、青が2つ緑が1つ、青が1つ緑が2つ、あるいは緑が3つ 並んでいるところに、
    2つひとまとめにして 赤赤 を入れればよいから、入れる所4つより、4×1 通り。
    また、2つ別々に 赤と赤 を入れればよいから、₄C₂ 通り。

    青が3つ、青が2つ緑が1つ、青が1つ緑が2つ、あるいは緑が3つ のそれぞれの並べ方を考えて、
     ( 1/3 )
× ( 1+3+3+1 ) × ( 4 + 6 ) より、求める確率は、 80 / 243  である。

  
(5) 青4つ、青3つ緑1つ、青2つ緑2つ、青1つ緑3つ、あるいは緑4つ のそれぞれの並べ方を考えると、
     1通り、
4通り、6通り、4通り、1通り。
     これらの並んでいるところに、赤を1つ入れればよいから、入れる所5つより、5 通り。

     よって、 ( 1/3 )
 × ( 1+4+6+4+1 ) × 5 より、求める確率は、 80 / 243  である。

  
(6) 青5つ、青4つ緑1つ、青3つ緑2つ、青2つ緑3つ、青1つ緑4つ、あるいは緑5つ のそれぞれの並べ方を
     考えると、1通り、5通り、10通り、10通り、5通り、1通り。
     よって、 ( 1/3 )
 × ( 1+5+10+10+5+1 ) より、求める確率は、 32 / 243  である。


 (7) 1回目3通り、2回目2通り、3回目2通り、4回目2通り、5回目2通り。
    だから、( 3/3 ) × ( 2/3 ) × ( 2/3 ) × ( 2/3 ) × ( 2/3 ) より、求める確率は、 16 / 81  である。


 (8) 赤、青、緑の塗られ方は、対称的だから、
    (5), (6) より、余事象を使い、
     
1 - ( 80/243 + 32/243 ) を計算し、求める確率は、 131 / 243  である。

 (9) 
1回目3通り、2回目3通り、3回目3通り、4回目1通り、5回目1通り。
    だから、( 3/3 ) × ( 3/3 ) × ( 3/3 ) × ( 1/3 ) × ( 1/3 ) より、求める確率は、 1 / 9  である。


(10) 
1回目3通り、2回目2通り、3回目2通り、4回目1通り、5回目1通り。
    だから、( 3/3 ) × ( 2/3 ) × ( 2/3 ) × ( 1/3 ) × ( 1/3 ) より、求める確率は、 4 / 81  である。


(11) 5つのうち赤が1つ、残り4つのうち青が2つ、残り2つのうち緑が2つ だから、
     ( 1/3 ) × ₅C₁ × ₄C₂ × ₂C₂ より、求める確率は、 10 / 81  である。


 1回目で 赤の確率は 1 / 3 、青か緑の確率は 2 / 3

 2回目で 赤の確率は 1 / 3 、青か緑の確率は 2 / 3
 3回目で 赤の確率は 1 / 3 、青か緑の確率は 2 / 3
 4回目で 赤の確率は 1 / 3 、青か緑の確率は 2 / 3
 5回目で 赤の確率は 1 / 3 、青か緑の確率は 2 / 3 
だから、

投げると 毎回 同様に確からしい事象である表か裏のどちらかになるコインを使った問題 ( ⑯ 『余事象』 )
と同じように、

同じ試行の繰り返し、毎回 事象の確率が変わらない、おこる事象が独立である独立試行 ( 反復試行 ) なので、
 (1) ~ (6) の別解は
 (1)  ₅C₅ × ( 1/3 )  より、 1 / 243
 (2)  
₅C₄ × ( 1/3 ) × ( 2/3 ) より、 10 / 243
 (3)  
₅C₃ × ( 1/3 ) ³ × ( 2/3 ) ² より、 40 / 243
 (4)  
₅C₂ × ( 1/3 ) ² × ( 2/3 ) ³ より、 80 / 243
 (5)  
₅C₁ × ( 1/3 ) ¹ × ( 2/3 )  より、 80 / 243
 (6)  
₅C₀ × ( 1/3 ) × ( 2/3 )  より、 32 / 243   である。   ( ∵ a = 1 )


今回で テーマ 「確率」 を終了します。
この29回の内容の程度は、中学レベルから、高校レベル、大学入試センター試験レベルです。
定期対策・入試対策に利用してください。



次回は 『 速さの公式は使えるように 2 』 です。