⑯ 『 余事象 』
○ コインを1枚、4回投げる。このとき、次の問いに答えてください。
ただし、表がでる事象 と 裏がでる事象 は、同様に確からしいし、
それ以外の事象 ( 例えば、表や裏にならずコインが立つ。) は起こらないとする。
ⅰ) 4回とも裏がでる確率は ?
ⅱ) 表が2回、裏が2回でる確率は ?
次の ( ) に適切な語句や式などを入れてください。
1つの解答
ⅰ) 1枚のコインを4回投げると、
1回目は 表 と 裏の)(2)通り、
その各々の場合について、2回目は 表 と 裏の(2)通り、
その各々の場合について、3回目は 表 と 裏の(2)通り、
その各々の場合について、4回目は 表 と 裏の(2)通り。
よって、 同様に確からしい すべての事象は、 ( 2 × 2 × 2 × 2 ) 通り。
また、
4回とも裏がでる とは、1回目は 裏 の(1)通り、
2回目は 裏 の(1)通り、
3回目は 裏 の(1)通り、
4回目は 裏 の(1)通り に決まるということである。
よって、4回とも裏がでる事象は、 ( 1 × 1 × 1 × 1 ) 通り。
ゆえに、 ( 1×1×1×1 ) / ( 2×2×2×2 ) = (1/2)⁴ より、
4回とも裏がでる確率は、 ( 1 / 16 ) である。
ⅱ) 表が2回、裏が2回でる とは、
1回目は、表 の1通り、
2回目は、表 の1通り、
3回目は、裏 の1通り、
4回目は、裏 の1通り に決まる場合だけで ( はない ) 。
表が2回、裏が2回でる とは、4回の試行のうち2回表 (2回裏) がでるということだから、
4回のうち 表がでる2回 を選ぶことが必要。
(4)つ から (2)つ選ぶ 選び方は、 ₄C₂ 通り。
これは 1枚のコインを4回投げて 表が2回、裏が2回でる 場合の数。
この各々の場合について、( 1×1×1×1 ) / ( 2×2×2×2 ) が成り立つ。
よって、₄C₂ × ( 1×1×1×1 ) / ( 2×2×2×2 ) = 6 × (1/2)⁴ より、
表が2回、裏が2回でる確率は、( 3 / 8 ) である。
○ コインを1枚、6回投げる。このとき、次の問いに答えてください。
ただし、表がでる事象 と 裏がでる事象 は、同様に確からしいし、
それ以外の事象 ( 例えば、表や裏にならずコインが立つ。) は起こらないとする。
ⅰ) 裏が4回でる確率は ?
ⅱ) 表が3回でる確率は ?
1つの解答
ⅰ) 6回投げて裏が4回でる とは、 表が2回でて、裏が4回でる ことである。
表が2回でる確率は、(1/2) ² であり、
裏が4回でる確率は、(1/2) ⁴ である。
6回のうち 表がでる2回 の選び方は、₆C₂ である。
よって、
6回投げて裏が4回でる確率は、₆C₂ × (1/2)² × (1/2)⁴ より、 15 / 64 である。
ⅱ) 6回投げて表が3回でる確率は、
₆C₃ × (1/2)³ × (1/2)³ より、 5 / 16 である。
○ 1枚のコインを9回投げる。次の問いに答えてください。
ただし、表がでる事象 と 裏がでる事象 は、同様に確からしいし、
それ以外の事象 ( 例えば、表や裏にならずコインが立つ。) は起こらないとする。
ⅰ) 裏が9回でる確率は ?
ⅱ) 表が1回でる確率は ?
ⅲ) 表が少なくとも1回でる確率は ?
ⅳ) 表が少なくとも3回出る確率は ?
ⅰ) ~ ⅲ) は ( ) に適切な語句や式などを入れて求めてください。
ⅰ) 1つの解答
1回の試行では、表がでる あるいは 裏がでる の2通りの事象が生じる。
この試行を9回するから、 2⁹ より、
同様に確からしい すべての事象は、( ) 通りある。
この中で、裏が9回でる事象は、( ) 通りだから、
裏が9回でる確率は、 ( ) である。
ⅱ) 1つの解答
9回の試行のうち、表が1回だから、
表が1回、裏が( ) 回でる確率は、
( ) × (1/2) × (1/2) ⁸ = 9 × (1/2) ⁹ より、 ( ) である。
ⅲ) 余事象 を使った解答
表が少なくとも1回でる確率 とは、
表が1回でる確率 と
表が2回でる確率 と
表が3回でる確率 と
表が4回でる確率 と
表が5回でる確率 と
表が6回でる確率 と
表が7回でる確率 と
表が8回でる確率 と
表が9回でる確率 を 足したもの に等しい。
これを求めるのは、少し大変です。
そこで、表が少なくとも1回でる事象 の 余事象の確率を求め、
全事象の確率 1 から それをひいて、求めることになる。
表が少なくとも1回でる事象 の 余事象 とは、
表が1回もでない すなわち ( ) 回とも裏がでる ということである。
よって、
ⅰ) の結果を使って、 1 - ( 1 / 512 ) より、
表が少なくとも1回でる確率は、 ( ) である。
ⅳ) を、余事象を使って、求めてください。
次回 ⑰ 『 複数のコインを 』 に続きます。