㉝ 『 等積変形 』
【 平行線間の距離は等しい 】
直線 ℓ 上に、点A , B をとる。
直線 ℓ の同じ側に、点P , Q があり、
点P から ℓ への垂線の足が A
点Q から ℓ への垂線の足が B であるとすると、
○ ℓ // PQ ならば、PA = QB を証明しなさい。
次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
PA ⊥ ℓ , QB ⊥ ℓ より、
[ 同位角 ] が等しいから、
PA // QB
ℓ // PQ だから、
AB // PQ
よって、四角形P A B Q は、
[ 2組の対辺 ] がそれぞれ[平行] だから、[ 平行四辺形 ] である。 ( なるための条件 : 定義 )
平行四辺形は、2組の対辺がそれぞれ[等しい] 四角形 であるから、 ( 性質 )
[ PA = QB ] である。
○ PA = QB ならば、ℓ // PQ を証明しなさい。
次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
PA ⊥ ℓ , QB ⊥ ℓ より、
同位角が等しいから、
PA // QB
仮定より、
PA = QB
よって、四角形P A B Q は、
[ 1組の対辺が平行かつ等しい ] 四角形だから、[ 平行四辺形 ] である。 ( なるための条件 )
平行四辺形は、2組の対辺がそれぞれ[平行な] 四角形だから、 ( 定義 )
AB // PQ
すなわち
[ ℓ // PQ ] である。
以上より、 ℓ // PQ と PA = QB は 同値 である。 ( ℓ // PQ ⇔ PA = QB )
【 平行線と三角形の面積 】
底辺が同じで 高さが等しい三角形ができるには、
底辺に平行な直線上に 頂点が存在することが 必要です。
○ 次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
AD // BC の台形A B C D がある。
対角線AC , DB をひき、その交点を O とする。
このとき、
△A B O = △D C O ( △A B O と △D C Oが等積三角形 ) である。
なぜか。
AD // BC より、底辺が[同じ]で高さが[等しい] から、
[ △A B C ] = △D B C である。
また、
△A B C = △A B O + [ △O B C ]
△D B C = △D C O + [ △O B C ]
だから、
△A B O = △D C O となる。
底辺が[同じ]で 高さが[等しい]三角形 から [共通]の三角形をひくと、
形は[異なる]が面積の[等しい]等積三角形ができる。( 台形の中の等積三角形 )
底辺が同じで高さが等しい等積三角形
や
台形の中の等積三角形 を使って、
面積は等しいまま 形を変える等積変形が可能となる。
【 等積変形 】
○ 次の [ ] に適切な語句や式などを入れてください。
(1) 水平方向に直線 ℓ がある。
凸の四角形A B C D が、次のように存在する。
直線 ℓ の上方に 頂点A , D があり、
直線 ℓ 上に 頂点B , C がある。
ℓ 上に点E をとって、四角形A B C D と面積が等しい 三角形A B E を作図します。
直線AC をひく。
直線AC に[ ]で点D を通る直線 をひく。
この平行線 と ℓ との交点E をとる。
点A と 点E を直線で結んで、四角形A B C D と 等積な三角形A B E のできあがり。
なぜ、上のように作図すると等積変形できるのか
点E は、直線AC に[ ]で点D を通る直線 と ℓ との[ ] であるから、
△D A C と [ ] は、底辺が[ ]で高さが[ ]等積三角形 である。
よって、
四角形A B C D = △A B C + △D A C
= △A B C + [ ]
= 三角形A B E
と等積変形できるから。
(2) 水平方向に直線 ℓ がある。
凸の五角形A B C D E が、次のように存在する。
直線 ℓ の上方に 頂点A , B , E があり、
直線 ℓ 上に 頂点C , D がある。
ℓ 上に点F , G をとって、五角形A B C D E と面積が等しい 三角形A F G を作図します。
直線AC をひく。
直線AC に[ ]で点B を通る直線 をひく。
この平行線 と ℓ との交点F をとる。
点A と 点F を直線で結ぶ。
つぎに、
直線AD をひく。
直線AD に[ ]で点E を通る直線 をひく。
この平行線 と ℓ との交点G をとる。
点A と 点G を直線で結んで、五角形A B C D E と 等積な三角形A F G のできあがり。
なぜ、上のように作図すると等積変形できるのか
点F は、直線AC に[ ]で点B を通る直線 と ℓ との[ ] であるから、
[ ] と △F C A は、底辺が同じで高さが等しい等積三角形 である。
点G は、直線AD に[ ]で点E を通る直線 と ℓ との[ ] であるから、
△E A D と [ ] は、底辺が同じで高さが等しい等積三角形 である。
よって、
五角形A B C D E = △A C D + [ ] + △E A D
= △A C D + △F C A + [ ]
= 三角形A F G
と等積変形できるから。
次回の ㉞ 『 等積変形 2 』 に続きます。