㉒ 『 直角三角形の合同条件 』
【 直角三角形 の 合同条件 】
2つの直角三角形は、次の2つの場合に合同である。
1⃣ 「 斜辺 と 1つの鋭角 が、それぞれ等しいとき 」
2⃣ 「 斜辺 と 他の1辺 が、それぞれ等しいとき 」
1⃣ を証明しましょう。
○ 次の [ ] に、適切な語句・式などを入れてください。
「 斜辺 と 1つの鋭角 が、それぞれ等しいとき、2つの直角三角形は 合同である。」 を証明します。
必ず、2つの直角三角形を描いて、
等しい斜辺 と 等しい1つの鋭角 を押さえましょう。
[ 仮定 ] : [ 斜辺 ] と1つの[ 鋭角 ] がそれぞれ等しい2つの[ 直角三角形 ] がある。
結論 : その2つの直角三角形は [ 合同 ] である。
よって、
斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい2つの直角三角形 について考えます。
根拠・主張として使える情報は [ 4 ] つ。
「斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい」 より、
・ [ 斜辺 ] が等しい 。(仮定)
と
・ 1つの [ 鋭角 ] が等しい 。(仮定)
これ と 「2つの直角三角形」 より、
・ 1つの角が [ 直角 ] で等しい 。(定義、概念)
・ ともに内角の和は [ 180 ] °。(既に正しいと認められたこと)
ゆえに、
もう1つの [ 鋭角 ] も等しくなる。
さあ、証明しましょう。
( 証明 )
∠B C A = 90°の △A B C と ∠E F D = 90°の △D E F がある。
AB = DE , ∠A B C = ∠D E F とする。
△A B C と △D E F について
根拠 仮定より、
主張 [ AB = DE ] ・ ・ ・ ①
主張 ∠A B C = ∠D E F ・ ・ ・ ②
根拠 仮定より、
[ ∠A B C = ∠D E F ]
∠B C A = ∠E F D = [ 90 ] °
三角形の内角の和は180°だから、
∠C A B = 180°- ∠A B C - ∠B C A
∠F D E = 180°- ∠D E F - ∠E F D
主張 よって、
[ ∠C A B = ∠F D E ] ・ ・ ・ ③
①, ②, ③ より、
合同条件 [ 1辺とその両端の角がそれぞれ等しい ] から、
△A B C ≡ △D E F である。
以上より、
[ 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい ] 2つの直角三角形は合同である。
( 証明終わり )
2つの直角三角形は、次の2つの場合に合同である。
1⃣ 「 斜辺 と 1つの鋭角 が、それぞれ等しいとき 」
2⃣ 「 斜辺 と 他の1辺 が、それぞれ等しいとき 」
では、つぎに2⃣ を証明しましょう。
○ 次の [ ] に、適切な語句・式などを入れてください。
「 斜辺 と 他の1辺 が、それぞれ等しいとき、2つの直角三角形は 合同である。」 を証明します。
まず、2つの直角三角形を描いて、
等しい斜辺 と 等しい他の1辺 を押さえましょう。
仮定 : [ ] と[ ] がそれぞれ等しい2つの直角三角形がある。
[ ] : その [ ] は [ ] である。
よって、
斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい2つの直角三角形 について考えます。
1⃣ では、
1つの[ ] と [ ] と 内角の和[ ]°の3つの情報 から もう1つの[ ]が等しい ことがわかった。
ところが、
この2⃣では、
角についての情報は、「 直角 」 と 「 内角の和180°」 の2つ。
辺についての情報は、「斜辺が等しい」 と 「他の1辺が等しい」 の2つ。
これらの情報から、
もう1つの他の辺 や 1つの鋭角 についてわかることは、今のところなし。
だから、
テクニカルな方法で証明することになります。
( 証明 )
∠B C A = 90°の △A B C と ∠E F D = 90°の △D E F がある。
AB = DE , CA = FD とする。
△A B C と △D E F について
根拠 仮定より、
主張 [ ] ・ ・ ・ ①
主張 [ ] = 90° ・ ・ ・ ②
根拠 仮定より、
CA = FD なので、
( 必要なら △D E F を 線分FD について対称移動させ ( FDを軸にしてひっくり返し )、)
△A B C と △D E F を、
辺CA と 辺FD が 一致するように くっつける。
すると、
∠B C A = ∠E F D = 90°より、
∠B C A + ∠E F D = [ ] °だから、
点B, C(F), E は、一直線上に存在することになり、△A(D) B E ができる。
そして、
この△A(D) B E は、AB = A(D)E の[ ]である。 (定義)
二等辺三角形は、[ ] が等しいから、 (性質)
∠A B E = ∠A(D) E B
すなわち、
[ ] ・ ・ ・ ③
①, ②, ③ より、
合同条件 [ ] 直角三角形 だから、
△A B C ≡ △D E F である。
以上より、
斜辺 と [ ] がそれぞれ等しい2つの直角三角形は合同である。
( 証明終わり )
次回の ㉓ 『 直角三角形の合同条件2 』 に続きます。