④ 『 三角形の内角 』
○ 水平方向に平行な2直線 をひき、
1直線 をそれらに交わるようにひく。交点を上から A, B とする。
点A の周りの4つの角 を 右上から反時計回りに ∠a, ∠b, ∠c, ∠d とし、
点B の周りの4つの角 を 右上から反時計回りに ∠e, ∠f, ∠g, ∠h とする。
次の [ ] に 適切な語句・式など を入れなさい。
2直線が平行ならば、同位角は等しい から
[ ∠a ] = ∠e
∠b = [ ∠f ]
∠c = [ ∠g ]
∠d = [ ∠h ]
2直線が平行ならば、錯角は等しい から
∠c = [ ∠e ]
[ ∠d ] = ∠f
では なぜ 平行ならば、同位角は等しく 錯角は等しいのか?
まず、「 なぜ 平行ならば、同位角は等しいのか?」 について考えます。
x y 座標平面を使いましょう。 ( 1次関数の知識を使って考えます。 )
直線の傾き(変化の割合) を決めると、1対1 の対応で その直線 と x 軸 のなす角の大きさ が決まる。
傾きが等しい2直線 と x 軸 のなすそれぞれの角は等しい。
その等しい2つの角 は 2直線の 内側 と 外側 で、x 軸の[ 同じ ] 側だから [ 同位角 ] である。
傾きが等しい直線は、[ 平行 ] な直線である。
ゆえに
2直線が平行ならば、同位角は等しい。
次に、「 なぜ 平行ならば、錯角は等しいのか?」 について考えます。
{ 平行線の内側にある1つの角 } は { その同位角の対頂角 } の [ 錯角 ] である。
[ 平行 ] ならば 同位角は等しい し、
[ 対頂角 ] は等しい ので、
「 平行ならば、錯角は等しい 」 が成り立つ。
逆に
直線 と x 軸 のなす角の大きさ を決めると、1対1 の対応で 直線の傾き(変化の割合)が決まる。
だから、
2直線 と x 軸 のなすそれぞれの角が等しいと、2直線の傾きは等しい。
ゆえに、
「 同位角が等しい ならば、2直線は平行である 」
同位角が等しい と、{ 同位角の対頂角 } は [ 錯角 ] であるから、錯角も等しい
よって、「 錯角が等しい ならば、2直線は平行である 」
・ 2直線が平行ならば、同位角は等しく、錯角は等しい。
・ 同位角が等しい あるいは 錯角が等しいならば、2直線は平行である。
2直線が平行であることは、同位角が等しい、あるいは 錯角が等しいための[ 必要十分 ] 条件である。
「平行であること」 と 「同位角が等しいこと、錯角が等しいこと」 とは 同値 である。
傾き をきめると、その直線 と x 軸のなす角の大きさ がきまる。
直線 と x 軸のなす角の大きさ をきめると、その傾きが きまる。
このことを示す一般的な方法は、高校数学の 三角比・三角関数 で学びます。
∠C=90°の直角三角形 A B C がある。斜辺AB と 底辺BC がなす角をθとすると、
tanθ= CA / BC { 底辺 } 分の { 高さ (対辺) } ( 正接 : タンジェント ) と定義される。
このとき、θの範囲 は 0°< θ < 90°である。
しかし、θの範囲 は拡張され、tanθ についてよく使われるθの範囲 は、
-90°< θ < 90°あるいは 0°≦ θ ≦ 180°( ただし、θ=90°を除く ) である。
よって、点 ( a , b ) を通り、x 軸 となす角がθである直線は、点 ( a , b ) を通り、傾きが tanθ の直線である。
1点と傾きの公式を使うと、この直線の方程式は、y = tanθ( x-a ) + b になる。
○ 三角形の内角の和は なぜ 180°なのか ?
次の [ ] に 適切な語句・式など を入れなさい。
△A B C がある。
点A を通り、辺B C に平行な 線分D A E をひく。
[ ] // D E より 錯角 は等しいから
[ ] = ∠B A D
∠B C A = [ ]
すると ∠A B C + ∠B C A + [ ]
= ∠B A D + [ ] + ∠C A B
= 180° となる。 [ ∵ 一直線 は [ ] °だから ]
ゆえに、三角形の内角の和は 180°である。
別の導き方
△A B C がある。
辺B C を延長し、線分B C D をひく。
点C を通り、辺B A に平行な線分C E をひく。( 点E は、辺B C に対して点A と同じ側 )
C E // B A より [ ] は等しいから
[ ] = ∠A C E
C E // B A より [ ] は等しいから
[ ] = ∠E C D
すると ∠C A B + ∠A B C + [ ]
= ∠A C E + ∠E C D + [ ]
= 180° となる。 [ ∵ 一直線 は 180°だから ]
ゆえに、三角形の内角の和は 180°である。
次回の ⑤ 『 三角形の外角 』 に続きます。