③ 『 平行ならば 等しい なぜ? 』
○ 同一直線上にない3点A, B, C がある。
3直線 AB, BC, CA がひける。( ただし直線 BC を水平方向とする )
点B の周りの4つの角 を 右上から反時計回りに ∠a, ∠b, ∠c, ∠d とし、
点C の周りの4つの角 を 右上から反時計回りに ∠e, ∠f, ∠g, ∠h とする。
次の [1] ~ [10] に 適切な語句・式など を入れなさい。
∠a の同位角 は [ ∠e ₁] であり、∠b の同位角 は [ ∠f ₂] であり、
∠c の同位角 は [ ∠g ₃] であり、∠d は [ ∠h ₄] の同位角 である。
∠a の錯角 は [ ∠g ₅] であり、∠d は [ ∠f ₆] の錯角 である。
以上より
2直線 に 1直線 が交わるとき、同位角と錯角ができ
同位角の位置関係は、2直線の 内側 と [ 外 ₇] 側で かつ 1直線の[ 同じ ₈] 側 であり、
錯角の位置関係は、2直線の[ 内 ₉] 側のみで かつ 1直線の[ 反対 ₁₀] 側 である。
○ 水平方向に平行な2直線 をひき、
1直線 をそれらに交わるようにひく。
交点を上から A, B とする。
点A の周りの4つの角 を 右上から反時計回りに ∠a, ∠b, ∠c, ∠d とし、
点B の周りの4つの角 を 右上から反時計回りに ∠e, ∠f, ∠g, ∠h とする。
次の [ ] に 適切な語句・式など を入れなさい。
2直線が平行ならば、同位角は等しい から
[ ] = ∠e
∠b = [ ]
∠c = [ ]
∠d = [ ]
2直線が平行ならば、錯角は等しい から
∠c = [ ]
[ ] = ∠f
では なぜ 平行ならば、同位角は等しく 錯角は等しいのか?
まず、「 なぜ 平行ならば、同位角は等しいのか?」 について考えます。
x y 座標平面を使いましょう。 ( 1次関数の知識を使って考えます。 )
x 軸 と y 軸 をひき、原点O をとる。
直線 y = x と x = 1 をかく。
x 軸 と x = 1 の交点を H とすると その座標 は ( 1 , 0 ) であり、
直線 y = x と x = 1 の交点を A とすると その座標 は ( 1 , 1 ) である。
OH ⊥ HA であり、OH = 1-0 = 1, HA = 1-0 = 1 より OH : HA = 1 : 1 である。
よって、△ A O H は 45°45°90°の直角二等辺三角形であり、∠AOHは 45°である。
傾きが 1 の直線 y = x と x 軸 のなす角の角度は、45°である。
直線 y = 2 x と x = 1 の交点を B とすると その座標 は ( 1 , 2 ) である。
OH ⊥ HB であり、OH = 1, HB = 2-0 = 2 より OH : HB = 1 : 2 である。
よって、△BOH は 直角三角形であり、∠BOH は 45°より大きい。
傾きが 2 の直線 y = 2 x と x 軸 のなす角の角度は、45°より大きい。
直線 y = 1/2 x と x = 1 の交点を C とすると その座標 は ( 1 , 1/2 ) である。
OH ⊥ HC であり、OH = 1, HC = 1/2-0 = 1/2 より OH : HC = 1 : 1/2 = 2 : 1 である。
よって、△COH は 直角三角形であり、∠COH は 45°より小さい。
傾きが 1/2 の直線 y = 1/2 x と x 軸 のなす角の角度は、45°より小さい。
以上より
原点O を通る右上がりの直線の傾きを決めると この直線 と x = 1 との交点が決まり、
その交点をP とし H ( 1 , 0 ) とすると ∠O H P = 90°の 直角三角形 P O H ができる。
このとき、底辺OH の長さ と 高さHP の長さは決まっている。
よって、∠P O H の大きさが決まる。
なぜなら、「 2辺 と その間の角をきめると、三角形は 1 とおりにきまる 」 から。
結局 原点O を通る直線の傾きを決めると この直線 と x 軸 のなす角の角度が決まる。
そして これは 1対1 の対応で決まる。
少し一般化
右上がりの直線の傾きを決めると、1対1 の対応で その直線 と x 軸 のなす角の大きさが決まる。
さらに一般化
直線の傾き(変化の割合)を決めると、1対1 の対応で その直線 と x 軸 のなす角の大きさが決まる。
ゆえに
傾きが等しい 2直線 と x 軸 のなす それぞれの角 は 等しい。
確認のため
直線 y = x-1 ( 傾きが 1 で、点H ( 1 , 0 ) を通る直線 ) と x = 2 をかく。
x 軸 と x = 2 の交点を I とすると その座標 は ( 2 , 0 ) であり、
直線 y = x-1 と x = 2 の交点を D とすると その座標 は ( 2 , 1 ) である。
H I ⊥ I D であり、H I = 2-1 = 1, I D = 1-0 = 1 より H I : I D = 1 : 1 である。
よって、△ D H I は 45°45°90°の直角二等辺三角形である。
ゆえに、∠D H I は 45°である。
傾きが 1 の直線 y = x-1 と x 軸 のなす角の角度は、45°である。
直線 y = 2 x-2 と x = 2 の交点を E とすると その座標 は ( 2 , 2 ) である。
H I ⊥ I E であり、H I = 1, I E = 2-0 = 2 より H I : I E = 1 : 2 である。
よって、△EH I は 直角三角形であり、∠EH I は 45°より大きい。
傾きが 2 の直線 y = 2 x-2 と x 軸 のなす角の角度は、45°より大きい。
直線 y = 1/2 x-1/2 と x = 2 の交点を F とすると その座標 は ( 2 , 1/2 ) である。
H I ⊥ I F であり、H I = 1, I F = 1/2-0 = 1/2 より H I : I F = 1 : 1/2 = 2 : 1 である。
よって、△FH I は 直角三角形であり、∠FH I は 45°より小さい。
傾きが 1/2 の直線 y = 1/2 x-1/2 と x 軸 のなす角の角度は、45°より小さい。
「 2辺 と その間の角をきめると、三角形は 1 とおりにきまる 」 から
△ A O H と △ D H I は 形も大きさも同じで、対応する角は等しいから ∠AOH=∠D H I ( =45°)
△ B O H と △ E H I は 形も大きさも同じで、対応する角は等しいから ∠BOH =∠EH I
△ C O H と △ F H I は 形も大きさも同じで、対応する角は等しいから ∠COH =∠FH I
傾きが等しい2直線 と x 軸のなすそれぞれの角は等しい。
その等しい2つの角 は 2直線の 内側 と 外側 で、x 軸の[ ] 側だから [ ] である。
傾きが等しい直線は、[ ] な直線である。
ゆえに
2直線が平行ならば、同位角は等しい。
次に、「 なぜ 平行ならば、錯角は等しいのか?」 について考えます。
{ 平行線の 内側 にある1つの角 } は { その同位角の対頂角 } の [ ] である。
[ ] ならば 同位角は等しい し、
[ ] は等しい ので、
「 平行ならば、錯角は等しい 」 が成り立つ。
逆に
直線 と x 軸 のなす角の大きさ を決めると、1対1 の対応で 直線の傾き(変化の割合)が決まる。
だから、
2直線 と x 軸 のなすそれぞれの角が等しいと、2直線の傾きは等しい。
ゆえに、
「 同位角が等しい ならば、2直線は平行である 」
同位角が等しい と、{ 同位角の対頂角 } は [ ] であるから、錯角も等しい
よって、「 錯角が等しい ならば、2直線は平行である 」
・ 2直線が平行ならば、同位角は等しく、錯角は等しい。
・ 同位角が等しい あるいは 錯角が等しいならば、2直線は平行である。
2直線が平行であることは、同位角が等しい、あるいは 錯角が等しいための[ ] 条件である。
「平行であること」 と 「同位角が等しいこと、錯角が等しいこと」 とは 同値 である。
次回の ④ 『 三角形の内角 』 に続きます。