『 解の公式は導くもの 3 』
○ ( 補講 『 解の公式は導くもの 2 』 の宿題 )の解答
具体的な操作は何のためにしたのか。
次の( ① )から( ⑥ )に入る適切なものを、下の (ア) ~ (カ) から選びなさい。
また、4番目の等式の ( b /2a )² は どのようにして出てくるのか答えなさい。
(解答)
① (オ) ② (ウ) ③ (エ) ④ (ア) ⑤ (カ) ⑥ (イ)
3番目の等式の左辺は、x の2乗、x と何かの積の2倍 の2項式だから、
あとその何かの2乗があれば、2項式の2乗に因数分解 ( 完全平方式に ) できる。
その何かは、x の係数の半分である。つまり、b/a の半分 b/2a である。
よって、4番目の等式の ( b /2a )² は 3番目の等式の左辺の x の係数の半分の2乗である。
ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 または a は 0 でない ]
(x = にするため、左辺の c を移項)
⇔ ax²+bx =-c
(x = にするため、両辺を a でわる)
⇔ x²+( b /a ) x =-c /a
(x = にしたいから、左辺の x の2次式を、
x の1次式の2乗(完全平方式)にするため、両辺に ( b /2a )² をたす)
⇔ x²+( b /a ) x+( b /2a )² =-c/a+( b /2a )²
(x = にしたいから、左辺の2乗、積の2倍、2乗の3項式を
2項式の2乗(完全平方式) にし、右辺は文字式計算)
⇔ ( x+b /2a )² = (b²-4ac) /4a²
(x = にしたいから、左辺の2乗をはずし、
右辺は平方根をとる)
⇔ x+b /2a = ±√(b²-4ac) /2a
(x = にするため、左辺の b /2a を移項)
⇔ x =-b /2a ±√(b²-4ac) /2a
⇔ x = { -b ±√(b²-4ac) } / 2a
解の公式の導出過程の一番のポイントは、もうわかりましたね。
○ 解の公式の意味は?
解の公式の意味なんて考えたことありますか。
私は、現役の中3生のとき、あまり考えたことはありませんでした。
多くの同級生と同じように。
しかし、塾講師として2次方程式、2次関数、2次不等式などを指導しているうちに、
中3数学で{解の公式}を
単に{2次方程式の計算問題を解くだけのもの ( 覚えて代入して計算するだけのもの ) }
として扱っている生徒は、将来 高校数学を学習していくことが困難になると感じました。
そのため、{解の公式}の意味を少し考えてみたいと思います。
「 ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] のとき、
x = { -b ±√(b²-4ac) } / 2a である。」の意味は、
「 ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] のとき、
x = { -b ±√(b²-4ac) } / 2a である。」である。
これは、同語反復で、普通 情報量はゼロ です。
「 ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] のとき、
x = { -b ±√(b²-4ac) } / 2a である。」の意味は、
「 2次方程式の解は、係数と定数(項) から成る。」である。
これは、たんに 当たり前のことを言っている だけに過ぎないのか。
当たり前過ぎて、取るに足りないことなのか。
しかし、上の同語反復より、情報量は多い。
(上は、同じ言語を繰り返しているのに対して、これは、認識した内容です。)
そして、この当たり前すぎて軽視してしまう内容が後々重要になります。
当たり前のことを組み合わせることから、
新しい使用獲得すべき知識が生まれる場合が多いのです。
○ ( 補講 『 解の公式は導くもの 3 』 の宿題 )
ax²+2b'x+c=0 ( a≠0 ) のとき、
x = { -b'±√(b'²-ac) } / a になります。
この x の係数が2の倍数のときの 解の公式 を導きなさい。(ただし、途中の等式は6つで)
解答は、補講 『 解の公式は導くもの 4 』に掲載します。