『 平方根のある問題から学ぶこと 7 』
○ ( 平方根のある問題から学ぶこと 6 の宿題 ) と その解答
次の各文の 逆、裏、対偶 を述べて、それらの正誤を判断しなさい。
(1) 「 xy が 奇数 ならば x , y はともに 奇数 である。」
逆 「 x , y がともに 奇数 ならば xy は 奇数 である。」
2つの奇数を 2m+1 , 2n+1 ( m,n は整数 ) とすると
( 2m+1 )( 2n+1 ) = 4mn+2m+2n+1
= 2 ( 2mn+m+n )+1
これは奇数である ( ∵ 2mn+m+n は整数)
奇数 と 奇数 の積 は、奇数である。よって、正しい。
裏 「 xy が 奇数 でない ならば x , y はともに 奇数 でない。」
裏 は 正しい、 裏の 対偶 にあたる 逆 が 正しいから。
対偶 「 x , y がともに 奇数 でない ならば xy は 奇数 でない。」
「 x , y がともに 奇数 でない ならば xy は 奇数 でない。」
⇔「 x , y の少なくとも一方が 偶数 ならば xy は 偶数 である。」
2つの偶数を 2m , 2n ( m,n は整数 ) とし、1つの奇数を2k+1 ( k は整数 ) すると
ⅰ) 2つとも偶数のとき
( 2m ) ・( 2n ) = 4mn
= 2 (2mn)
これは偶数である ( ∵ 2mn は整数)
ⅱ) 1つは偶数で もう1つは奇数のとき
2m ( 2k+1 ) = 4km+2m
= 2 ( 2km+m )
これは偶数である ( ∵ 2km+m は整数)
ⅰ) , ⅱ) より、
偶数 と 偶数 の積 は、偶数である。
また偶数 と 奇数 の積 は、偶数である。
よって、正しい。
対偶 が正しいので、もとの「 xy が 奇数 ならば x , y はともに 奇数 である。」も正しい。
(2) 「 xy が 偶数 ならば x , y はともに 偶数 である。」
逆 「 x , y はともに 偶数 ならば xy は 偶数 である。」
2つの偶数を 2m , 2n ( m,n は整数 ) とすると
( 2m ) ・( 2n ) = 4mn
= 2 (2mn)
これは偶数である ( ∵ 2mn は整数)
偶数 と 偶数 の積 は、偶数である。よって、正しい。
裏 「 xy が 偶数 でない ならば x , y はともに 偶数 でない。」
裏の 対偶 にあたる 逆 が 正しいから、 裏 は 正しい。
対偶 「 x , y がともに 偶数 でない ならば xy は 偶数 でない。」
「 x , y がともに 偶数 でない ならば xy は 偶数 でない。」
⇔ 「 x , y の少なくとも一方が 奇数 ならば xy は 奇数 である。」
2つの奇数を 2m+1 , 2n+1 ( m,n は整数 ) とし、1つの偶数を2k ( k は整数 ) すると
ⅰ) 2つとも奇数のとき
( 2m+1 )( 2n+1 ) = 4mn+ 2m+ 2n+1
= 2 (2mn+ m+ n)+1
これは奇数である ( ∵ 2mn+m+n は整数)
ⅱ) 1つは偶数で もう1つは奇数のとき
2k ( 2m+1 ) = 4km+2k
= 2 ( 2km+k )
これは偶数である ( ∵ 2km+k は整数)
ⅰ) , ⅱ) より、
奇数 と 奇数 の積 は、奇数である。
また偶数 と 奇数 の積 は、偶数である。( 反例 )
よって、誤り。
対偶 が誤りなので、もとの「 xy が 偶数 ならば x , y はともに 偶数 である。」も誤り。
(3) 「 ( 2 の倍数で かつ 3 の倍数 ) ならば 12 の倍数 である。」
( 2 の倍数で かつ 3 の倍数 ) は 2 と 3 の公倍数 である。
2 と 3 の公倍数 は 6 の倍数である。
よって、( 2 の倍数で かつ 3 の倍数 ) は 6 の倍数である。
「 ( 2 の倍数で かつ 3 の倍数 ) ならば 12 の倍数 である。」
⇔ 「 6 の倍数 ならば 12 の倍数 である。」
逆 「 12 の倍数 ならば 6 の倍数 である。」
12 の倍数を 12m ( m は整数 ) とおくと
12m = 6 ( 2m )
これは 6 の倍数 である ( ∵ 2m は整数)
12 の倍数 は 6 の倍数 である。ゆえに、正しい。
裏 「 6 の倍数でない ならば 12 の倍数でない。」
裏の対偶である逆が正しいから、裏は正しい。
対偶 「 12 の倍数でない ならば 6 の倍数でない。」
18 は 12 の倍数でないが、6 の倍数である。( 反例 : 18 )
ゆえに、誤り。
対偶 が誤りなので、「 ( 2 の倍数で かつ 3 の倍数 ) ならば 12 の倍数 である。」も誤り。
・ 対偶 の関係にあるものの正誤は 一致 する。
・ 逆 は、必ずしも真ならず。 ( 逆 の関係にあるもの の 正誤 は 必ずしも 一致しない。)
☆ 「 A ならば B である。」 ⇔ 「 A は B である。」
「 A ならば B である。」という文は、A が B に含まれるとき、正しい。
「 A は B である。」という文も、A が B に含まれるとき、正しい。
よって、
「 A ならば B である。」 ⇔ 「 A は B である。」と2つの文は書き換え可能です。
(例)
「 xy が 奇数 ならば x , y はともに 奇数 である。」
⇔ 「 xy が奇数であること は x , y はともに奇数であること である」
「 4 の倍数 ならば 2 の倍数 である。」
⇔ 「 4 の倍数 は 2 の倍数 である。」
ゆえに、
「 A は B である。」という文も、その逆、裏、対偶をとることができます。
逆 「 B は A である。」
裏 「 A でないもの(こと) は B ではない。」
対偶「 B でないもの(こと) は A ではない。」
また、
「 A ならば B である。」という文を、 「 A は B である。」に書き換えて
さらに「 A は B であるための( )。」という文にして
十分条件・必要条件の判別することが可能です。
( 例 ) 「 xy が 奇数 ならば x , y はともに 奇数 である。」を
「 xy が奇数であること は x , y はともに奇数であること である」と書き換えて
「 xy が奇数であること は x, y はともに奇数である ための (必要十分条件である)。」
上の解答の(1)を参照
「 4 の倍数 ならば 2 の倍数 である。」
⇔ 「 4 の倍数 は 2 の倍数 である。」
「 4 の倍数 は 2 の倍数 であるための(十分条件である)。」
ここまで
A と B の関係を捉えるために必要なのは、
1. 「 A ならば B である。」「 A は B である。」という文全体の意味
2. 「 A ならば B である。」「 A は B である。」という文に含まれる 語句 の意味
でした。
要するに、
文「 A ならば B である。」と「 A は B である。」の正誤判断は、
言語の意味 に基づいてなされてきました。
もう1つ、言語の意味 だけでなく、A と B の関係を捉えるために必要なものがあります。
◎ ( 平方根のある問題から学ぶこと 7 の宿題 )
次のように「 A ならば B である。」型を 「 A は B である。」型に書き換えました。
( 書き換えた文 )の 逆、 裏、 対偶 を述べて、それらの正誤を判断しなさい。
「 勉強すれば、テストで良い点がとれる。」
⇔ 「 勉強する ならば テストで良い点がとれる。」
⇔ 「 勉強すること は テストで良い点がとれること である。」
⇔ 「 勉強する者 は テストで良い点がとれる者 である。」 ( 書き換えた文 )
解答は、補講『 平方根のある問題から学ぶこと 8 』に掲載します。