「スゴロクで学ぶユーチューブ」の63回目、「仕事や働き方・クイズ10」を公開しています。
クイズは、キリンビールとアサヒビールのシェア争いです。
1976年、ビール市場でキリンビールのシェアは歴代最高63.8%でした。
その後も、「ラガービール人気」でキリンのダントツ状態が続きます。
1985年、アサヒのシェアは1ケタ台の9.9%、キリンはシェア1位61.3%でした
1987年、アサヒは「スーパードライ」を発売、キリンを追撃します。
1998年、アサヒはキリンを追い抜きシェア1位になります。
マーケティングの常識からすれば信じられない大逆転劇です。
はたして、「キリンは1998年・何%までシェアを落としたか?」が問題です。
①②③の中から正解を1つ選んでください。
①48.5%
②41.8%
③37.7%
正解は、③で、キリンのシェアは37.7%に低下します
その時、アサヒのシェアは45.6%に増加していました。
キリンがシェアを低下させた理由については、
(1)ス―パードライの大ヒット
消費者の嗜好性が、苦みのラガー味から、スッキリ味のドライに変わります。
その結果、絶対的に人気を誇ったキリンラガービールがシェアを低下させ、スッキリ味が人気のアサヒスーパードライがシェアを高めていきます。
ビールのブランド別シェアでみると
「キリンラガービール」シェア
1987年・46.0% 1998年19.8%
「アサヒスーパードライ」シェア
1987年・3.2% 1998年32.7%
・・・です。
アサヒビールは「ビールは生・ドライの時代」をPRします。
キリンも負けじと、ラガーの「生ビール化(従来と味が変化)」を行います。
この生化により、ラガーは岩盤層の固定ファン(苦み走った味が好き)を失いシェアを低下させます。
(2)ラガービールこそキリンのメイン商品
キリンは「スーパードライ」対抗品「一番搾り」を開発、ヒットさせます。
しかし、キリンに繁栄をもたらしたのはラガービールで、キリン社内でラガービールこそメイン商品という意識が浸透、「一番搾り」でなく「ラガー」の販売強化をします。
「ラガー」と「一番搾り」の2商品でアサヒに対抗する戦略は展開されませんでした。
社内の力関係もありますが、明らかにキリンにミスマーケティングが続き、逆転を許したようです。
優秀な人材がそろい、圧倒的なシェアのキリンビールが、なぜアサヒに負けたのか実に不思議です。
なお、「キリンとアサヒのシェア争い」については
「スゴロクで学ぶユーチューブ」のNo.36『スーパードライ対抗品「一番搾り」を開発するも左遷』キリンビール・前田さん編でご覧いただけます。