1980年代カセットテープで急成長のTDKは、2005年CD・DVDの普及でテープ事業から撤退! | think to careerのブログ

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「スゴロクで学ぶユーチューブ講座」の61回目を公開中です。

 

今回は、《新入社員でテープ事業に配属、社長でテープ事業から撤退》で、主人公はTDK元社長・澤部肇さんです。

 

『神田のサンマとニューヨークの青空』を参考にしています。

 

ゲームの主な内容は

1入社して玉川事業所に配属、1年余りで本社に異動

2カセットテープ・ビデオテープでTDKの黄金期

3欧州法人トップからヘッド事業・担当役員に就任

4社長に就任、デジタル化ビジョンを策定

5部下の「忖度発言」とデジタル化で社長退任を決意

6参考資料

  (1)アメリカの音楽ソフト販売金額の傾向

  (2)収益減少商品からの撤退 新電子部品の開発

・・・となります。

 

 

TDKの創業時の社名は「東京電気化学工業」で、設立は1935年になります。

 

磁性材の技術を開発したベンチャー企業でしたので、音声や映像用録音機のオープンリール式の磁気テープを製造していました。

 

 

TDKの知名度を高めたのが、「カセットテープ」でした。

 

「カセットテープ」によりTDKは急成長します。

 

 

1964年 フィリップス社がカセットテープの規格となる「コンパクトカセット」を開発、この技術を無償で提供、カセットテープ時代が始まります。

 

1966年 ソニーがカセットテープデッキを発売します。

 

1966年 国産初のカセットテープが日立マクセルから発売されます。

 

1968年 TDKは、アメリカで音楽用カセットテープを発売します。

 

1975年 ソニーがβ方式のビデオデッキ、翌年ビクターがVHS式を発売します。

 

1979年 ソニーが「ウォークマン」を発売、カセットブームを加速します。

 

1982年、ソニーなどから世界初のCDプレーヤーとCDソフトが発売されます。

 

1996年 統一規格のDVDがIBMの仲介で発売されます。

 

 

カセットテープブームを作り出すのに大きく貢献したのがソニーのウォークマンです。

 

録音機能を省き再生機能に限定したウォークマンは、「音楽のモバイル化を実現、自分一人で好きな音楽を聴く」というリスニングを流行させ、カセット市場も拡大します。

 

テープといえばTDKのイメージが広がり、1980年代前半TDKの黄金期をむかえます。

 

 

ところが、社会はデジタル化の時代を迎えます。

 

1991年、CDソフトの売上がカセットテープを上回り、カセットテープ市場が縮小していきます。

 

1996年、「CD」より高品質の映像データを記録できるメディア「DVD」が発売されます。

 

メディアの製造コストも、VHSビデオテープが1本120円程度でしたが、DVDが1枚当たり20円程度と非常に安く、またたくまに普及します。

 

2004年、DVDデッキの売上がビデオデッキを上回ります。

 

 

アナログのテープが市場から消えていきます。

 

2005年、TDKはカセットテープ、ビデオテープ、CD、DVDなど記録メディ事業から撤退を決定します。

 

澤部さんがTDKに入社して最初に配属されたのが、「オープンリール式の磁気テープ」を製造していた「玉川事業所」でした。

 

そして、社長時代の最後の仕事が「テープやDVDなどの記録媒体事業」からの撤退でした。

 

1人のサラリーマン人生が、事業の開始から撤退までにからんでいます。

 

サラリーマン人生は長いようで、短いみたいです。