「スゴロクで学ぶユーチューブ講座」の61回目を公開中です。
今回は、《新入社員でテープ事業に配属、社長でテープ事業から撤退》で、主人公はTDK元社長・澤部肇さんです。
『神田のサンマとニューヨークの青空』を参考にしています。
ゲームの主な内容は
2カセットテープ・ビデオテープでTDKの黄金期
3欧州法人トップからヘッド事業・担当役員に就任
4社長に就任、デジタル化ビジョンを策定
5部下の「忖度発言」とデジタル化で社長退任を決意
6参考資料
(1)アメリカの音楽ソフト販売金額の傾向
(2)収益減少商品からの撤退 新電子部品の開発
・・・となります。
TDKの創業時の社名は「東京電気化学工業」で、設立は1935年になります。
磁性材の技術を開発したベンチャー企業でしたので、音声や映像用録音機のオープンリール式の磁気テープを製造していました。
「カセットテープ」によりTDKは急成長します。
1964年 フィリップス社がカセットテープの規格となる「コンパクトカセット」を開発、この技術を無償で提供、カセットテープ時代が始まります。
1966年 ソニーがカセットテープデッキを発売します。
1966年 国産初のカセットテープが日立マクセルから発売されます。
1968年 TDKは、アメリカで音楽用カセットテープを発売します。
1975年 ソニーがβ方式のビデオデッキ、翌年ビクターがVHS式を発売します。
1979年 ソニーが「ウォークマン」を発売、カセットブームを加速します。
1982年、ソニーなどから世界初のCDプレーヤーとCDソフトが発売されます。
1996年 統一規格のDVDがIBMの仲介で発売されます。
カセットテープブームを作り出すのに大きく貢献したのがソニーのウォークマンです。
録音機能を省き再生機能に限定したウォークマンは、「音楽のモバイル化を実現、自分一人で好きな音楽を聴く」というリスニングを流行させ、カセット市場も拡大します。
テープといえばTDKのイメージが広がり、1980年代前半TDKの黄金期をむかえます。
ところが、社会はデジタル化の時代を迎えます。
1991年、CDソフトの売上がカセットテープを上回り、カセットテープ市場が縮小していきます。
1996年、「CD」より高品質の映像データを記録できるメディア「DVD」が発売されます。
メディアの製造コストも、VHSビデオテープが1本120円程度でしたが、DVDが1枚当たり20円程度と非常に安く、またたくまに普及します。
2004年、DVDデッキの売上がビデオデッキを上回ります。
アナログのテープが市場から消えていきます。
2005年、TDKはカセットテープ、ビデオテープ、CD、DVDなど記録メディ事業から撤退を決定します。
澤部さんがTDKに入社して最初に配属されたのが、「オープンリール式の磁気テープ」を製造していた「玉川事業所」でした。
そして、社長時代の最後の仕事が「テープやDVDなどの記録媒体事業」からの撤退でした。
1人のサラリーマン人生が、事業の開始から撤退までにからんでいます。
サラリーマン人生は長いようで、短いみたいです。