すでに抱擁し愛撫し合って性欲のボルテージは上がっている。
バスタオルを敷き詰めたとはいえ、硬い岩盤なので、僕が仰向けになって、彼女を上にして抱き寄せた。
彼女は唇を僕の下腹部へと這わせると、身体を反転させて逆向きになり、そのまま僕に覆いかぶさるようになる。
その体位で互いにオーラルセックスで快楽を求めあい、性的興奮がいっそう高まったあとに、騎乗位になり絶頂に達した。
彼女の見た目の愛らしさとはうらはらな、その積極的な性行為に感嘆するばかりだ。
混浴風呂に男性の視線をはばかることなく入浴したり、女性連れの僕をためらいなく誘うような彼女の行動には、何らかの思惑があったのかも知れない。
激しいセックスのあとの心地良い倦怠感で、二人は再び岩風呂に浸かる。
「ごめんなさいね、貴方の彼女さんには悪いことをしてしまったわ。」と彼女がおもむろに口にする。
「いや、僕が君の魅力に惹かれてしまって、抑えることができなかったんだ。」と自分なりの言い訳をする。
「私、長年、付き合っていた彼と好きで別れたの。妻子のある人で、やむを得ない事情があったから・・。それで落ち込んでいる私を妹夫婦が旅行ついでに誘ってくれたけど、妹たちの仲睦まじい様子を見ていると何だか辛く寂しくなっちゃって。それでただ癒されたい気持ちがつのり、混浴風呂を体験したいというよりも、本心は分別もなく赴くまま入ってしまったの。」と打ち明け話をする。
「そうだったんだ、君みたいなしとやかに見える女性が僕とあれだけ大胆な行為に及ぶとは、よほどの理由があったのかな、と察してはいたけどね。」
「でも癒されたい思惑どころか、先にいたあの嫌な年配男性から、混浴風呂に一人で来るなんて軽い女だと思われたみたいでしつこく言い寄られていたの。無視していたのだけど、その男性と二人だけでいるのも怖くなって、ちょうど見かけた貴方に近づくことにしたの。」
「だけど僕だって、どんな男性か分からないだろう?」
「ええ、だけど貴方には直感というか、別れた私の彼に何か似た面影を感じたわ。それで思惑どおりに身も心も癒されたいという気持ちが高まったの。」
そんな彼女の話を聞くと、不倫経験があるが故に、連れの女性がいる男性であっても、さほどためらいもなく、誘いの声をかけたのもうなずける。
ほろ酔い気分で、12時にはジャングル浴場の岩風呂に入って、彼女を待っていた。
彼女の気が変わり、来ないかもしれない、とまだ半信半疑だ。
深夜ということもあり、周りには入浴客は誰もいない。
12時ちょっと過ぎに「お待たせしました。」と彼女が声を掛けて、岩風呂に向かい合わせで入ってきた。
「待ち合わせ通りに来てくれたんだ。」と僕はにこやかに応える。
彼女も少しお酒を飲んできたのか、色白の顔がほんのりとピンクに染まっている。
そして、身にあてていたタオルをはらりと取った。
形の良い乳房が湯面の下で揺らいでいる。
もう、彼女もその気になっているものとして、なだらかな肩に手を回した。
そして、お湯の中だけに浮力があるので、いとも簡単に、僕の膝の上に、彼女が後ろ向きに乗っかるように引き寄せた。
後ろから彼女の乳房に手を回すと、彼女は僕の首に手を掛けて、振り返るように顔を合わせ、そして濃厚なキスを交わした。
しばらく、岩風呂の中で愛撫し合っていたが、いつ、入浴客が入って来るかもしれない。
それで、二人は、人目につかない洞窟風呂へ移ったんだ。
洞窟風呂といっても、中は二人が入るのがやっとの空間で、先に入っていれば後から他の入浴客が入ることはできない。
ただ、狭くて岩のごつごつした感触が痛くて、セックスし辛いので、しばらく抱擁したあとに、彼女が「ここから外にでたほうがいいわね。」とつぶやく。
洞窟の外側はジャングルの木々に囲まれた平坦な所があり、彼女は「ちょっと待っていてね。」と興奮気味の僕を残して脱衣室に向かった。
すぐに予備置きのバスタオルを何枚も持ってきて、その平坦な場所に敷き詰める。
その行動に、「大丈夫かな? 誰か来るとまともに見られてしまうよ。」と心配すると、
「いいのよ、そんな事、気にしていたら何もできないわ。」と平然と応える。
彼女の可愛さには似合わないような、大胆さに驚きもしたが、もう、ここまで来たら、成り行きにまかせるしかない、というか、僕自身、異常な状況でのセックスにさらなる性的興奮を覚えた。
酒好きのあおいは、夕食では酒が飲み足らなかったようで、湯上り後にも部屋飲みしていて、だいぶ酔いがまわっているようだ。
「実は、私、貴方がジャングル風呂に行った後に、様子見に脱衣室まで行ったのよ。その時は室内には誰もいなかったわ。」と言うので、
「それって、なにかチェックされているみたいだな。」と苦笑いしながら応えたが、入浴美人と混浴している真っ最中だったかもしれなくて、少し焦った。
「でも、浴場の中までは眺められないだろう?」と念のため聞いてみたら、
「浴場入口からは、池風呂の一部が見えるだけでジャングルの中までは見通しできないから、それより先は私が裸になって入るしかないわね。」と応えた。
もし、あおいがそうして入ってきたら、現場を押さえられ修羅場になってしまうので、今さらながら安堵した。
「女性の入浴客は、婆さまが2、3人ぐらいかな。」とうそぶき、「だいたい混浴のジャングル風呂には湿地帯で獲物というか、好みの女性を待ち受けているワニみたいな男連中がいるから、妙齢の女性はめったに来ないよ。」と面白半分脅し半分で応える。
余談だが、現在は混浴風呂にいる男性をワニと表現しているようだ。
「そんな中で混浴風呂に入浴するって、若かったなら、よほど度胸があるか、露出癖がある女ね。」とあおいは納得する。
あおいと飲みながら話をしていても、僕としては12時に入浴美人と待ち合わせしているので、どう、部屋から抜け出すかが気になっている。
本来なら、カップルと温泉宿に来たら、入浴、夕食、そして寝る前のセックスの順だが、もう、あおいとは食前セックスを済ませている。
彼女の今の酔い方じゃ、再挑戦は無理だろう。
しばらくして、仲居さんが、すでに布団をひいてくれていたので、あおいは昼間の観光の疲れと酒酔いで、その上に寝転がってうたた寝状態になっている。
さらに12時前になると、彼女はタイミング良く、ぐっすりと眠り込んでいる。
僕が「酔い覚ましに、また、風呂に入ってくるね。」とそっと声をかけたが、その声かけに返答はないので、僕は、あおいに後ろめたさを感じながらも、静かに部屋を出てジャングル風呂に向かった。