「貴女みたいな綺麗な女性が、混浴風呂に一人で入るのは危なくない? 確か、9時までジャングル風呂は女性専用になっていたよ。」
「食事していて、のんびりしていたら、もうその時間には間に合わなくなってしまって。それに混浴風呂もちょっと体験してみたかったので、明日、チェックアウトだから、思い切って、この時間に入浴することにしたの。」
少し悪びれたように裸の肩をすくめて、笑顔で話す彼女が可愛らしくてエロっぽい。彼女は人なっつこい性格のようで、もう、互いの会話は友達言葉になっている。
平日とはいえ、まだ10時過ぎぐらいだから入浴客もまばらにいる。
女性は婆さまぐらいしかいなくて、男性は、僕と一緒にいる彼女をチラチラ見ている。
彼女が「12時過ぎたら、ほとんど入浴客はいなくなるのかしら?」と言うから、
「そうだね、その時間だったら、周りの視線を気にしなくても入れるかもね。」と応えたんだ。
「そうなら貴方が良ければ、12時に、ここで待ち合わせしない? でもお連れの女性がいるとやっぱりダメかしら?」と言ったから、あおいにはすまないと思っても、そこまで誘ってくれる彼女を拒むことはできない。
「もちろんいいよ。僕にとってはありえないようなめぐり合わせだね。」と顔をほころばせながらうなずいた。
仮面妻のひろみの娘を会社の女子社員と館山に研修旅行に連れて行った折にも、ひろみと交際しているにもかかわらず、宿泊先で女性旅行客と関係したこともあった。
どうも僕は据え膳を食わないことは無い性分なのだろう。
約束したあと、彼女は岩風呂を出て、女性用脱衣室のほうに行った。
僕も同じく、男性用脱衣室に向かい、途中、どうでもいいことだけど、滑り台で、爺さまが興奮したまま滑ってぶつけたのか、股間を押さえて痛がっていた。
僕が脱衣場で浴衣を着ていると、先ほど別の岩風呂でチラ見していたオヤジさんが居合わせ、「あの女性はどうしたの?」って聞くから、「ここで初めて知り合ったんだよ。」と言うと、
彼は「いいなあ、若い人は。俺はもうじきに還暦だから駄目だな。」ってぼやいていた。
う~ん、だけど、彼はたぶん、僕と同世代でそんなに歳は離れていないだろう。
まあ、若く見えることはいいことだ。
部屋に戻るとあおいが、さっそく「どうだった、混浴に女性は来ていたの?」と聞いてくる。
彼女は、通路脇の僕の入っている岩風呂をいったん通り過ぎたけど、すぐに引き返してきて、「ここ熱いですか?」って聞いてきたのだ。
「ええ、熱いですよ。」と応えると、
「一緒に入っていいですか?」って言ったんだ。
その言葉に驚きながらも、もちろん「あっ、ど、どうぞ。」って応えたら、しなやかに足を伸ばして入ってきた。
この岩風呂は1~2人用というか、円形で直径1mあまりしかない。
お湯の中でお互いにしゃがんだ状態だから、膝が触れ合ってしまう。
胸にタオルをあてたままとはいえ、全裸の美女が目の前にいる。
もう、目の保養どころではない、鼻血が出そうなほど、興奮してしまった。
ただ、同じ通路の少し離れた別の岩風呂にオヤジさんがいて、うらやましそうにこちらを見ているから、さらに彼女に接触することはできない。
彼女は、「どちらからですか?」と聞いてきたから、「東京です。」と答えて、同じように聞くと、
微笑みながら「西のほうから」としか言わなかった。
そして、彼女が語るには、「妹夫婦に付き合って、伊豆旅行に来たんだけど、あてられて、なんか、一人で居るのがつまんなくなっちゃた。」そうだ。
「貴方はどなたかとご一緒?」と聞くので、
ホテル内で出くわすこともありえるので、「彼女と同伴です。」と正直に答える。
「そうですか、やっぱり、温泉はカップルで来るのがいいわねぇ~。」となにか思いつめたような口ぶりだ。
「さっき、池風呂に一緒に入っていた男性は?」と聞いてみる。
「あのオジさん、まったく知らない人。そばに来て言い寄ってきたから、無視していたんだけど、しつこくて。そしたら、ちょうど、貴方が入ってきたの。」
「なんか、君の後をついて行ったみたいだけど、大丈夫だった?」
「あの人、女性用の洗い場近くまで来たから、貴方のこと、知り合いだと言ったわ。まだ男性用の洗い場にいるようだから、ここに来たの。」
そうか、あのオジさんは彼女を見て、浴場で欲情してたんだ。(笑)
僕は、その場しのぎのボディガードにされたのだと思いつつも、全然、悪い気はしない。
9時半を過ぎた頃の男女混浴タイムにジャングル風呂に入った。
男女別々の入り口から、脱衣室を抜けて温泉に合流する。
あおいが話していたように、熱帯雨林が模倣された岩場の浴場には、池のような大きな風呂があり、滝が落ちている。
周りには洞窟風呂や、木々の間に中小の岩風呂も点在していて、カップルが人目を避けて浸かることもできそうだ。おまけに滑り台まである。洗い場は、男女別々に囲んで設けられている。
混浴風呂といっても、よくありがちな、爺さん婆さん達の憩いの場みたいなものだろうなあ、と当初は期待薄に思っていた。
ところが、池風呂には40才前後とみられる女性が、年配の男性と隣合わせで、入浴していたのだ。
湯煙の中に、彼女の白い裸身がゆらめき、すこぶる色っぽい。
平日ということでもあり、空いていて、池風呂には僕をいれて3人だけだ。
不倫のカップルのお忍び旅行かなと思いつつ、あまり、凝視するのも失礼なんで、僕は滝の脇の岩陰に潜んだ。
男性は、女性に話し掛けているが、いまいち、彼女の反応は無いみたいだ。
そして彼女が僕に気づいたのか、意外にも滝の方に寄ってきて、「こんばんは。」と笑顔で挨拶してくれたのだ。
薄暗くてよく見えなかった顔は、近くに来たら、女優の松嶋菜々子似の美人だった。
もちろん、僕も慌てて挨拶を交わすと、そのまま、彼女は風呂から上がり、洗い場のほうに向かって行った。
全裸の後姿は中肉中背で、腰が程良くくびれた、色白のなまめかしい身体つきだ。
こんなことも旅先であるものだなあと感動しつつ、目の保養になってラッキーって思ったね。
そして、そのあとを追っかけて、男性も上がって行った。
しばらく、一人で池風呂に入っていたが、ちょっと温めだったから、洗い場近くの通路沿いにある熱めの、小さな岩風呂に移ったんだ。
そうしたら、なんと先ほどの入浴美人が、胸から下腹部にかけてタオルをあて、洗い場からこちらに向かってくるではないか。