「その彼女は綺麗な人だったのね。」とあおいが僕に向かって返答を求めるように言うので、
「まあ、あおいちゃんみたいな感じだったかな。」と曖昧に応える。
「そうそう、あおいちゃんによく似たスタイルの良い美人だったよ。」と川上がさらに口を挟む。
「ふ~ん、そうなんだ。私に似ていると言われると、なにか、元カノの面影を私に求めているみたいな感じがするわね。」とあおいは釈然としない様子だ。

するとはるちゃんが、「いいじゃない、好きになった人が、たまたま似ていただけで、前カノのひろみちゃんとはタイプも違うことだし。」とあおいをなだめる。
言われて見れば、前々から、あおいとその彼女は、たしかに年齢も同じぐらいで、外見はなんとなく似ていると思ってはいた。
後日談になるが、あおいとその元カノは鉢合わせすることがあった。

はるちゃんが、「それで川上さんは、ママ友グループの別の彼女とはどうだったの?」と彼に話題をふるので、
「そうだよ、僕もその後、どうなったか聞きたいね、あの彼女は合コンの男性陣の一番年下の食品会社経営のメンバーとできたんだけど、いつの間にか君と付き合っていたみたいだね。合コンの時、君はフラワーショップの女性を気に入っていたようだったが。」と突っ込みを入れる。『参照 前述ママ友12、ママ友16』
「そのフラワーショップの女性から、ある程度は君も聞いてはいたんだろ。彼女にはうちの会社のショールームのフラワーアレンジメントを頼んでいたから。」と川上は苦笑いしながら応える。

「その彼女は、確か食品会社の彼とは合コンのあと交際していて、ナイトデートで彼女の自宅近くまで送った車から降りるところで、嫉妬深い彼女の旦那に待ち伏せされて、ひと悶着あったとは聞いていたよ。」と僕が話すと、
「まあ、その場はなんとかごまかして乗り切ったようだけど、食品会社の彼はトラブルを避けたいということで離れていったので、彼女から僕に連絡があって相談に乗ることにしたんだ。」と川上は顛末を話す。

「それで相談に乗っているうちに彼女と関係ができたということなんだろ、そして社員として彼女を採用すれば、勤務という事で公然とオフィスラブもできるし、ナイトラブのアリバイに残業という名目もたつわけか。」と笑いながら僕が推察して応える。
そんな僕と彼との話のやりとりを、あおいもはるちゃんも興味津々で耳を傾けている。

「あおいちゃんが思うほど、夫婦仲が良いってことでもないわよ、可もなく不可もなく過ごしているだけで、結婚3年目になると、なんとなく倦怠ムードも漂っているわ。三年目の浮気ってよく言ったものね。」とはるちゃんが笑顔で話すので、
「そんなマンネリした気分になっているなら、外で刺激を求めるのもいいかもね。」と僕がその気にさせるように言うと、
「ちょっと、まだ純朴な若妻をそそのかすみたいなことを言わないでよ。だいたい人妻と合コンしたなんて、あなた達は要注意ね。」とあおいが僕と川上を見つめる。
川上が「僕は、あの合コンに誘われて参加しただけだよ。」と言い逃れするので、
「でもその後に参加したママ友グループの一人と深い仲になったんだよね。」と突っ込みを入れると、彼は「だいたいあの合コンは君が当時の彼女とセッティングしていたじゃないか。」と言い返す。

あおいが、「別にその事を責めているんじゃないの。今回は皆、既婚だから、似たようなものだけど、ただ食事を楽しむということにしてね。それにはるちゃんの旦那さんはイケメンだから、彼以上の男性はなかなかいないわよ。」と笑いながら言う。
川上が「でも、イケメンのご亭主だったら、誘惑も多いから心配じゃないの?」と聞くと、はるちゃんは「そうなったら、あおいちゃんみたいに私も不倫するかもしれないわ。」と冗談めいて応える。

過去に僕は新婚の20代の人妻と関係したことがある。彼女は亭主が親離れしないマザコンだった。『前述・コミュニティサイト3-8』
また、子育てが一段落した40代の人妻と関係したこともある。その彼女は真面目な優しい亭主で不満は無かったが、ただ、平凡な人生に物足らなしさを感じてのことだった。『前述・コミュニティサイト1-4』
この二人ともに出来心からの一過性のプチ不倫だったが、このはるちゃんも、自由奔放なあおいの影響を受ければ、どうなるか分からない。

「それで、貴方はその当時の彼女とは今はどうなっているの?」とあおいが興味津々で聞いてくる。
「彼女は、僕と付き合った後に、当時の旦那とは離婚して、再婚し、それからは会ってないよ。」と応える。『前述・ママ友25』
川上が、「そうだったんだ、で、今はどうなの?」と聞くので、僕はあおいと目配せしながら、
「今はあおいちゃんと付き合っているよ。」とはっきり応えると、
「君も相変わらずだねえ、いつも美人ばかりと付き合っていていいなあ。」と羨ましがる。

「彼、僕の経営者クラブの友人の川上君、長年の付き合いだけど、久々に会ったよ。真面目ではないけど、人柄はまあ、安心できると思うよ。」と彼女達に簡単に紹介する。
「真面目ではないけど、ってどういう事?」とあおいが聞いてくる。
「ほどほどに面白みがあって、堅物ではないということかな。」と応えると、
彼が、「なにか得体の知れないような紹介だね。」と言う。
僕は女性達に目をやりながら、
「で、こちらは役所勤めだけど、地味な職場には似合わない華やかさのあるあおいちゃんとその遊び仲間のはるちゃん。他に知りたいことがあれば、おいおい、話しながらでも聞くことにするということで。」と顔合わせ程度の紹介をする。

あおいは「代官山のお店で合コンみたいな出会いなんて、まるでドラマのやまとなでしこの再現みたいね。」とはしゃいでいる。
「でもドラマでは皆、結婚相手探しが目的の独身だったけど、今回は全員既婚者だね。」と僕が水をさすように言うと、
あおいが「別に構わないわよ、ドラマみたいに思惑のある合コンじゃなくて、軽い気分で、そんな雰囲気が楽しめればいいのよ。」と言いきる。

「そうそう、10年ほど前に川上君と何人かで既婚者合コンをしたことがあるよ。あの時は乃木坂のチャイニーズレストランだったね。」と思い出したように話すと、
「へえ~、初耳だわ。まあ、貴方ならありえそうな話ね。」とあおいが興味深そうに僕を見つめる。
「ああ、そうだったなあ、あれから色んな展開があったね。あの後、その時の彼女とはどうなったの?」と川上が聞いてくるので、
「君こそ、どうなったんだ? まあ、大筋はあの合コンの参加者のフラワーショップの女性から聞いてはいるけどさ。」と聞き返す。

現在はSNSが普及し、既婚者合コンも話題になることが多くなったが、今から30年前の当時はまだ、そのような風潮はあまり無かったように思われる。『ブログ前述、ママ友8』

彼との話のやり取りを聞いていたあおいが、
「そんな話題はだめよ。若妻のはるちゃんには良くないわね。」と諌めると、
彼女は「いいわよ、聞いてみたいわ。この先、良くも悪くも参考になりそう。」と興味ありそうな感じだ。
「はるちゃんがよければいいけど、あまり、影響受けないでね。私と違ってはるちゃんは夫婦仲もいいみたいだし。」と気遣う。