仕事柄、大きな傷を作ってしまうことがある父、もちろん健康保険には入ってますから、医者に行けばいいのですが、お医者さんがもう終わってしまっていたりします。
痛い、痛いと苦しんでいる父をほとんど見た記憶はありませんが
その日は手の指に大きな裂傷がありました。はっきり言ってパッカリいってました。
帰ってくると父は私たちにその傷を見せます。肉と言うのでしょうか脂肪と言うのでしょうか?
赤と白の交じったものが、見えますね。
って、こちらの血の気が引いていきます。「そんなもの見せないで、医者いってよ」
「医者はもうやっていいない、明日行くしかないだろ」と余裕の父。
また、その日も思いついてしまいました
。
手負いの父は、私たちに「お母さんの裁縫箱持ってきて」
包帯かわりに何か、布でやるのか????????今日は割と普通の考えか![]()
父は母の裁縫箱から縫い針を1本取り出し、黒い木綿の糸を通しました。
何を縫うの????![]()
と思っていると、父はその針をライターで炙り
始めました。
小学生の私にはまだ判りません。姉は「まさかっ」という顔をしています。
「火で炙ると、消毒できるんだ」父はその針と、黒の木綿糸で自分の傷口を縫い合わせていきました。
父はお酒が飲めませんので、もちろんシラフです。麻酔代わりになるものなんて何も服用していませんよ。
茶の間は悲鳴に包まれます。父は「縫物してるんだから、静かに!!」といいますが、
私たちは、気絶しそうです。
縫い終わるとまた、「よしっ!!」って。
あまりに上手く出来たらしく、もう医者にはいきませんでした。数日後、傷口はきれいにくっつき、
抜糸が行われました。
「縫う時より、抜糸が痛てーんだよな」と言いつつ、ツンツンと黒い木綿糸を抜いていく父でした。
傷口を縫う時に、縫い針はしっかり炙って消毒していましたが、よーく考えると、木綿糸は消毒していませんね。
針に糸を通す時には、しっかり何度も糸の先を舐めて、糸を通していました。
針だけ消毒してもね