我が実家は川沿いに田んぼを持ち、その河原には1本の鬼くるみの木が生えていました。くるみはその果実を腐らせ、種子だけになったものが、皆様ご存知のくるみです。
ある年のくるみの収穫時期、父は家族でくるみの収穫をすることを思いついてしまいました。
トラックの荷台をくるみの木の下につけ、くるみの木を蹴飛ばしたり、長い竿を振り回してくるみの実をトラックの荷台に落とします。(家に戻りトラックの荷台を上げ、一気に袋詰めするのが、ワイルドなしゅうかくの一連の作業行程です。
トラックの荷台の外に落とされてしまった、実は、母と私たち兄弟が必死になり拾い集めます。川に落ちていまった物も極力集めさせられます。
その時も父はトラックの荷台でランニング姿で竿を振り回し続けます。(季節は10月)
くるみ以外のものも落ちてきます。葉っぱはもちろん虫も落ちてきます。
その日は、父のむき出しの肩に毛虫が落ちてきました。毛虫によってはその毛が刺さるととてもチクチクしてしまいます。農業従事者は暑い季節でも、日焼け防止と虫よけ対策のために長袖を着るのが常識です。
しかし、常識にとらわれない、農家の13代目の父はその日もランニング姿。くるみの収穫の方が大事なので作業の手は止めません。
満足いくまで、くるみをとると家に帰り、一連の袋詰めの作業をし、後は池に入れて実が腐るのを待つばかりです。
家に帰って落ち着いてみると、毛虫の毛が気になります。私たちに毛抜きで抜くように言いました。
虫めがねで見てみると、確かに黒い点々があります。しかし、毛抜きでは抜けません。
父は次にガムテープを持ってきて、肩に張って、はがしました。はがしたガムテープにはしっかりついていました。黒い毛が・・・父の肩毛が・・・
父には肩毛も背な毛もはえています。ワイルドですから。
さすがに父も「いてて」とか言ってましたが、まだ諦めません。続いてこう言いました。
「ア○ン・アル○ァもってこい!」(瞬間接着剤のあれです)
「え、え~!!!!!」さすがにちょっと想像できるんだけど、どうなるのか?
その、ア○ン・アル○ァを肩に塗布すると、瞬間的に固まり、
ビリッツ
とれました。細ーい毛虫の毛。
肩の毛が抜けるのは「いてて」で、皮がむけるのはいいの?