母と戦争とそのトラウマと。 | 澤田 准 生命の輝きを取り戻すセラピー

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Body, mind, spirit のホーリスティックアプローチから
あなたの心と体、ハートを元気にする身体心理セラピスト 澤田 准のブログ

8月の半ばを過ぎ、暑さや日差しも今までとは違った様子を見せていますね。

少しずつ秋の気配を見せてくれています。

 

 

さて、8月15日は終戦記念日。

 

尊敬する師匠の一人である小貫淳子さんが書かれたエッセイ

終戦記念日に/ジャガイモ嫌いの少年の話を読んで、

 

図らずともわたしは母を思い出したのでした。

 

よかったら淳子さんのお話を先に読んでいただけると嬉しいです♪

 

 

 

■母と私

 

わたし自身、母とはとても仲の良い関係とは言えず、

だからこそ家族や母からの見えないしがらみから逃れたいという思いで、

高校卒業後は海外の大学へ進学していきます。

 

そんな母との関係が良くなっていったのも

(というか母との心の距離が近くなったのも)

母が亡くなって18年たった後、

癒しを始めて母への満たされない思いや母個人の人生への理解が深まったからかもしれません。

 

今日は、淳子さんの文章へのオマージュとして、

母との思い出を『戦争というトラウマを生きた世代』という視点から

徒然と書いてみました。

 

 

 

 

■片付けられなかった母

 

昭和一桁世代、5人の子を産んだ母は、片付けられない人でもありました。

 

いつから片付けられない人だったかはわからないけれど、

母はずっと病気で、、私が小学校1年の頃にはベッドでずっと臥せっていて、

寝ている母を起こしてはいけないって思ってたのを覚えています。

 

今思えば、もともと得意ではない上に、

体調が悪くなって、片付けられなくなったのかもしれません。

 

 

いつものことなのですが、

冷蔵庫に食材がたくさんあるのにもかかわらず、

買い物に行くと何の食材があるか覚えていないから、

とりあえず買ってくる。

作る気力もない時は、外食やお惣菜になるから

どうしても冷蔵庫の食材を腐らしてしまう。

 

そんな日常だったある日、わたしが20そこそこだったかの頃、

 

冷蔵庫にある食材をまた買ってきた母は、

 

『食べ物を粗末にしてしまうお母さんは

 バチが当たって、天国に行けないかもしれない。』

 

と言ったことがありました。

 

何とはなしに見せた母の本音に

 

私はハッとして、頭で何を言うか決まっていないのに、

何かを言わずにいられない衝動に駆られて、

頭を通らずに出たことばがありました。

 

それは無意識に目の前の傷ついている魂を救わなければいけないという

衝動のように感じました。

 

 

『神様はそんなことはしない。

おかあさんは食べ物が無い時代を経験しているから、

 

食べ物がたくさんある安心感を味わいたくて

たくさん買ってしまうの分かっているよ。

 

だから神様はそんなことでは怒ったりしないし、

お母さんを罰したりしないよ 』

 

 

その言葉は私からのというよりも、

見えない何かから出たことばのように感じました。

 

母はそれを聞いて少し安心した表情をして、

私もそれを見て安心する、そんなひとときがありました。

 

母は、腐らしてしまう、無駄にしてしまう野菜たちを見て

あまり食べることも満足にできず亡くなっていった人たちへの罪悪感や無力感、

 

そういうことをしてる自分に情けなさをを感じて自らを責めていたのかもしれません。

 

 

片付けられない母の側面には、包装紙から紐からなんでも取っておく、

『勿体無い』というものを大切にする心からも来ていて、

だからこそ余計に食材たちにそう言った姿を投影していたのだと思います。

 

 

 

 

■母の強さ

 

 

また私は幼い頃に火傷をしたことがあるのですが、小学校の高学年に上がった頃に、

母が火傷のもっとひどい傷を持っている人に私を引き合わせたことがありました。

 

私はその時はもっとひどい人がいるから、私はましだから、気にするのをやめなさい

と言われている気がして、あまり受け入れることができませんでした。

 

 

けれど今ならなんとなくわかります。

 

10代の多感な時期に戦争を経験し、、その後の食べ物がない、焼け野原の街、人、

またそういった話が日常だった生活を過ごした母。

 

 

生と死が身近にあり、生きていることがどれだけありがたいかを、言葉なしに伝えたかったのだと思います。

 

母の強さがそういった戦争というトラウマの中で育まれていったことを知ると同時に、

 

 

母の目線を通して、世の中を見ていったときに、

 

母は家族の中で誰よりも、そして私が思っていた以上に、

 

生と死を見つめ、自分の病気や死を静かに受け止めていたのだなと。

 

 

 

私から見た母は、とても強く、泣き言を言わず、

母の泣いた姿など一度も見たことがなく、

 

なんども危険な状態から復活したこともあって、

死なないんではないかと思わせるくらい、

妖怪なのではないかと思うくらい、

 

生命力の強い人でした。

 

 

けれど、こうして母の目線を通して、母を感じられるようになった時、

 

それは母の一側面でしかなく、今母からのエネルギーから感じられることは、

 

母は誰よりも自分の生命を大事にし、

あまりそういったことを人に伝えない人でしたから、

父や私たちにうまく伝わらないもどかしさや苛立ちを感じながらも、

 

生きていることの素晴らしさを、私たちの成長を見ながら感じて、

一瞬一瞬を生きていた人でした。

 

特に晩年の母にはその不思議な優しさ、オーラがあり、

私たち家族は近すぎて見えなかったり、閉じて出せなかったりしたのかもしれないけれど、

 

一緒に入院していた方や看護婦さんからとても慕われていました。

 

病院にいる母は、見たことのないくらい本当に優しく柔らかい人になっていました。

 

 

こうして、母の痛み、トラウマを知っていくことで、

今までとは違った母の本質の姿を知り、母がより近い存在として感じることができています。

 

今、母を思いだすと、笑顔の母がいます。

 

 

私たちの母の世代はきっと誰もがこうした戦争というトラウマを背負って生きた人。

そしてその癒し方も知らずに、蓋をしたり、強くなることでしたか、抑えることでしか、

生きる術を知らなかった人が多いように思います。

 

そして、その姿を理解することが、まずは母への、その世代への癒しになるのではと思っています。

 

 

 

 

 

 

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