今回ご紹介するのはティアーズ・フォー・フィアーズの大ヒットアルバム「Songs from the Big Chair」から「Shout」(1985年)。
"Vintage Vinyl Record Collection - Tears For Fears - Shout, Mecury Records, Catalog 880 294-7, Country - US, 7-Inch 45 RPM Record, Released 1985" Photo by Joe Haupt
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日本では当時CMで使われまして、思春期坊主の僕は最初それでTears For Fearsを知りました。
よい言い方じゃありませんが、「ネチっこい、こねくりまわしたような歌声だな」と印象に残った記憶があります。
でも80年代イギリスの男性ボーカルはこういう歌声が多かった。
いわゆる「イギリス声」と言うそうです。
「叫べ 叫べ 洗いざらいにすべてをさらけ出すんだ
そんなものなくても大丈夫だよ さあ
君に言ってるんだ さあ」
「シャウト」でティアーズ・フォー・フィアーズの2人が歌っているのは「抑圧してきたネガティブなものを吐き出せ」ということ。
彼らはこの歌で心にあるものを「叫ぶんだ」、「洗いざらい吐き出せばいいんだよ」と歌っているんですね。
今の時代にこそマッチする内容ですね。
ずっと内省的な歌を作ってきたティアーズ・フォー・フィアーズ。
ますます暴力の時代になっている現代。
気持ち的にも内に内にと抱え込みがちになってゆく。
不安や怖れを感じたら泣いて良い、我慢せずに声を上げて叫んでも良いんだよ、と彼らは歌っているんですね。