ジェーン・ドゥさんの企画「#80年代青春シネマを語ろう」に3回目のエントリーをさせていただきます。
今回はバリー・レヴィンソン監督の自伝的青春映画「ダイナー」(1982年)をご紹介します。
"5.22.12 - "Diner"" Photo by Movies in LA
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物語の舞台は1959年の冬、ボルティモア。
ブギー(ミッキー・ローク)、エディ(スティーヴ・グッテンバーグ)、フェン(ケヴィン・ベーコン)、シュレヴィー(ダニエル・スターン)、そして大晦日にエディが結婚式を挙げるので帰郷したビリー(ティモシー・デイリー)。
この5人の仲間のお話です。
いつものダイナーでブギーは「自分がキャロルとベッドイン出来るかどうか、20ドル賭けないか?」とクズな提案をし、仲間たちは賭けに乗ります。
ブギーは昼間は美容院で働き、夜は法律学校に通う若者ですがギャンブル狂なんです。
キャロルと行った映画館でのブギーの悪ふざけとか、まあどうしようもないったらありゃしない。
そうこうしてたら借金の取り立て屋に2000ドルを今夜中に払うよう言われちゃったブギー、どうする?…
他の仲間のエピソードも並行しているんですが、書くのが難しいんです。
それは「ダイナー」にストーリーらしいストーリーがないから。
何気ない会話や日常を描いて映画になった、という先駆けかも?知れません。
でも「こういう時代があったなぁ~」と共感を呼ぶんですね。
社会に出る手前の時期。悶々としていたり、やることもないから仲間とくだらない悪ふざけをする。
ただ「楽しけりゃいいや」と過ごしているんですが、心の片隅には漠とした不安がある。
一方で「俺のコレクションのレコード触った?」とか、傍から見たらどうでもいいことで喧嘩して家を出ちゃうとか、トラブルを抱えていて悩んでいたり。
心配もあるけど、この先の夢がある。
でも今は残りわずかな時間を仲間とダラダラ過ごしたい。
で、いつもの喫茶店や深夜のファミレスでくっちゃべって過ごす。
そういうのって洋の東西、時代関係なく共通しているんですね。
「ダイナー」を観るとよくわかります。
寒空の下を談笑しながら歩く5人の姿とかすごく印象的なんです。
ノスタルジーなんですね。
これを美化された過去…とは言い切れないな。あの時代は良かったと思います。
そしてキャストが佳い!
アンニュイでニヤつくミッキー・ロークの存在感がすごい。
悪ふざけしてはヘラヘラするケヴィン・ベーコン。
スティーヴ・グッテンバーグも良かったなぁ…。
ダニエル・スターンの妻役にエレンバーキンが出ています。
50年代はアメリカが好景気に沸きに沸いて理想を突き進んでいた時代。
バリー・レヴィンソン監督の青春時代・1959年はその終わり。
想像するに余計に監督はこの時代にノスタルジーを募らせていたでしょうね。
当時のコンサバ・ファッションやオールディーズもGood。