今回はロブ・ライナー監督が名優2人の主演で贈るハートフルコメディ「最高の人生の見つけ方」(2007年)をご紹介します。
"The Bucket List" Photo by kangarootone
source:
整備工のカーター（モーガン・フリーマン)は趣味はクイズという真面目で素朴な男。
カーターは愛妻と子どもや孫にも恵まれています。
大富豪のエドワード（ジャック・ニコルソン）は破天荒でいけ好かない毒舌家。
結婚歴4回のエドワードは、最後の離婚後は独身を満喫していました。
癌のため余命半年を宣告されたエドワードとカーターは同室に入院します。
たまたま同じ病室で過ごすうちに、真反対の2人に奇妙な友情が芽生えます。
これも運命の出会いなんですね。
エドワードはカーターがこっそりしたためていた「棺桶リスト(旅立ちのリスト)」を見つけます。
｢旅立ちのリスト｣の実行を｢今さら意味ないだろ？｣と言うカーターに、エドワードは｢考えているヒマはない。何かに挑戦したかったんだろ？｣と説得します。
一方、エドワードには悔いはないか？と言われれば実は違っていたんです。
エドワードには音信不通の娘がいて、ずっと気になっているけど会うのがこわいんです。
それぞれ人生の宿題を抱える2人の旅は、やがて内面に変化をもたらす心の旅になってゆくんです。
原題の「The Bucket List」とは直訳すると「棺桶リスト」。
「人生でやり遂げたいことリスト」のことです。
邦題はセンスが悪く、映画の中身に誤解を与えかねません。
｢～な人生の～方｣という邦題が一時流行りましたが、本作には少なくとも合いませんね。何の映画か分からない。
あと、主人達が世界各地を旅するんですが、CGがね、やっぱり気になりますね。
テカテカピカピカだから、余計リアルじゃない感が出ちゃう。ま、仕方ないけどね。
で、ここから本題です。
｢最高の人生の見つけ方｣は「残された時間をどう生きるか」というテーマを扱っています。
深刻な場面と笑いを絶妙な塩梅でもってゆくロブ・ライナー監督らしいユーモアとハートフルな演出。
そしてジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの2人が素晴らしい。
途中でリストがクリア出来ないんじゃ？という展開にハラハラ…。
サプライズをもたらす脚本も良い。｢世界一の美女とキスする｣という項目、そうきたか～と。
主人公の設定上、若い時に観るとピンとこないし、健康的にシビアな時に観ると明るすぎに感じるでしょう(あるいは観る気になれない)。
でも、 ｢毎日を大切に、限りある時間を悔いなく生きよう｣と思えたなら良いんじゃないかな、と思いました。
旅の途中、カーターが｢古代エジプトの言い伝え｣をエドワードに話します。
神々から天国の門で2つの質問をされるんだよ、と。
1つ目の問は「人生に喜びを見つけたか？」。
エドワードは「Yes」と答える。
2つ目の問は「人に喜びを与えたか？」。
エドワードは困惑する。
カーターは言う。「誰かに影響を与えたかどうか、だと思う」。
さて、自分が天国の門で2つの質問をされたらどう答えられるだろう？う～ん…。